偽ノロジーホットワイヤー密造記(仮設置版)


用意するもの

■材料
ハイテンションケーブル
平網電線 9ミリ
熱収縮チューブ 13ミリ
圧着端子
タイラップ
スパイラルチューブ(あると可)

■工具
電工用ニッパ
半田ごて(60W以上・電子工作用は不可)
糸ハンダ
フラックス(あると便利)
ヒートガン(ターボライターやバーナー、ただのライターでも可)

■人柱車種
Super XR250−BAJA 95年式

1・ノロジーホットワイヤーとは?

 結構人気のあるアフターマーケットパーツで、ノーマルのプラグコードをこのノロジーホットワイヤー(通称 ノロジー)に交換することによって、プラグの点火効率を上げ性能向上を図るという触れ込みの製品である。
 メーカー口上はこのへんにあるので、不明な向きは該当箇所をご一読されたい。
 ネットでの評価も結構よく、効果があったという声が多い。
 しかし、派手に高い。一本7500円するのである。
 どう見ても構造自体は極めて簡単なので、自作することを思いつく。

2・お買い物(西武百貨店調で)

 平網電線、熱収縮チューブ、圧着端子は秋葉原電気街で入手可能です。
 平網電線は中央線ガード下、北側路地の中央通り交差点前にある電線屋で入手できます。ここ以外ではないかもしれません。たしかメートル200円程度だった気がする。
 熱収縮チューブは、秋葉原なら比較的どこでも手に入ります。色のバリエーションもありますから適当に選んでください。
 圧着端子も平網電線を扱っているところのほか、ホームセンターなど入手できます。O型の端子より、Y型の端子のほうが取り付けが楽です。

3・製造行程

3−1:
 ノーマルプラグコードの長さに合わせて、アフターマーケット製のハイテンションケーブルを切断する。今回はすでにスプリットファイアーケーブルへ変更していたので、これそのままを使用した。

3−2:
 切断したケーブルの長さ+アース線取り付けボルト位置までの長さ分を計算して、平網電線を切断する。長めに取っておくほうが吉。

3−3:
 ケーブルのイグニッションコイル接続位置を確認して、プラグキャップから2〜3センチまでの距離を測かる。出た寸法を平網電線にマークする。
 マークした箇所から、ケーブルを通す。
ボールペンの先などを使って穴(というか、網の隙間を広げる)を開け、そこからずるずる差し込んで行きましょう。
 この時、平網電線がしわになりやすいので、しわがよらないように注意。機能には関係ないですが、出来上がりが見苦しくなります。

3−4
 熱収縮チューブを2センチほど切り、平網の終端部分にかぶせて終端処理をします。
 熱を加える際、ただのライターを使っているかたは、燃やさないように注意してください。
 終端処理が終わったら、平網電線が被っている長さを測り、熱収縮チューブを切断、ケーブルに被せて熱を加えます。

3−5
 圧着端子を平網電線に取り付けます。
 電線の端を撚って、端子に差し込み圧着。その後半田ごてを使ってハンダづけします。
 ケーブルの加工はこれで終了。

4・搭載

 作業そのものは通常のハイテンションケーブル交換と変わりません。
 イグニッションコイルの根本からケーブルを交換するのがベストですが、ガチガチに接着されている場合もありますから、そういう時や自信のないかたは接続コネクターを使ってください。
 スプリットファイアーケーブルに付属しているコネクターは、片側のカバーゴムがノーマルハイテンションケーブルより内径が小さいため、ゴム層を一皮むく必要があります。
 またリーク防止に、カバーゴムとプラグキャップの上からタイラップできつく縛り上げておくと吉です。
 平網の端子は、エンジン付近のボルトに止めます。テスター等で導通を確認して下さい。 最後にケーブル保護のため、スパイラルチューブをケーブル全体に被せます。熱収縮チューブは物理的に丈夫なものではありませんから。
 また、グラスチューブを使って保護してもよいですね。(見かけはこちらのほうがスマート)
 作業はこれでおしまい。簡単でしょ。

5・効果

 まったくなし!

 ……ということを書いたら、古くからの友人『首領Y』(私がバイクにのる原因を作った奴である。元ラリー屋)から、メールを頂戴した。

++++++++++++++++++++++++++++

 ご存知のとおり、ハイテンションコードには高電圧がかかる。んでもって、これをプラグ先端で連続的に瞬間放電をおこなっているので、当然のことながらイヤになっちゃうくらい広い高周波帯に電気ノイズを撒き散らす……はずが、クルマってのは意外にそんなものが出ていない。

 というのも、これはプラグキャップ内(もしくはプラグ内)にレジスター(抵抗)を噛まして、プラグコードのピーク電流を抑えているわけだ。これによってプラグコードからは放電ノイズは発生しない(厳密にはでているんだが……)ようにしている。

 とまあ、ここまでは初歩の自動車工学なわけだ。

 で、上の話を元にすると普通なら次のように考える。

 じゃ、いっそ、プラグコード自体にシールドしちまえば良いじゃんか。と。
 そうすりゃ、最初からレジスターを入れないで済むし、ダイレクトに高圧電流をロスなく流せる。
 いままで一生懸命レジスター入りにもかかわらず導電率が高い高価な線材にこれまた高価なシリコン皮膜なんてするよりもプラグに高電圧をかけられる。
 じゃ、いっそ、そうするか!

 とまあ、これが、ノロジーホットワイヤーなわけだ。

 ところが。
 初歩の自動車工学ならそんな理屈になるのだが、実際の自動車工学では少々事情が異なる。

 つーのは、もともとダイレクトイグニッションシステム(ハイテンションコードがなく、プラグの直上で高電圧を発生し供給。最近のクルマはこれになりつつある。GT−Rもこのタイプ)が市販車に普及する以前からNGKやデンソーが作ってきたプラグと、それを使用するエンジンってのは、このハイテンションコードのロス分を見越した設計で成り立っている。

 理屈では当然のことながらスパーク時の火花は大きいに越したことはない。というものの、理屈と実際ってのは異なるのが世の中の道理。

 ノーマルのハイテンションコードから供給され、レジスターを介して供給される電圧をもっとも効率よく点火するのがプラグの役目であって、知ってのとおり各プラグメーカーはこれを実践してきた。

 そのためのプラグの種類であり型番である。といってもいい。

==中略==

 で、そんなわけでノロジーホットワイヤーは自動車メーカーやプラグメーカーが製品化しないでいた「低抵抗&ノイズ発生の抑制」をしたハイテンションコードなんですよ。そのためレジスター無しのプラグと組み合わせると、通常に比べて大きな点火ができるわけです。

 そう考えると、めちゃめちゃいいはずですよね。では、なんで自動車メーカーが採用しないのか?

 じつは、ノロジーホットワイヤーはバシバシとノイズが出るわりに効果が大きくないんです。というか、ノロジーで発生する点火をエンジンが必要としていないんですよ。

 でも、よく聞きますよね。「ノロジーホットワイヤーにしたら低速トルクが良くなった!」とか「パワーがあがった!」ってね。

 実はこれら「ホットワイヤーはナイスな商品!」という人には共通している項目があるんです。

 それは「交換前のハイテンションコードがすでに劣化していた」という理由なんです。

 永井電子に代表されるウルトラ・プラグコードのような高価なプラグコード(メーカーにしてみると本当に高コスト)であれば劣化は少ないのですが、純正プラグコードはどんどん劣化していきます。
 この劣化というのは無視できないほどのもので、クルマでいうところの1万kmともなれば、プラグメーカーが考える理想的な点火供給電圧からは大幅に低下しています。(そのためジムカーナ車輌なんかではとっととシリコンコードに変えるか、さもなくば1年くらいで新品に交換。)

 そのため、ヤレてないハイテンションコードに変えたことが「ノロジーのおかげで」ということになるんですよ。

 あともう一つには「もともと熱価があっていなかった」「燃調があっていなかった」という理由もあります。

 これはバイクの世界では多いようですが、キャブ調整で燃調を変えた場合や、マフラー交換などをした場合です。
 バイクの場合、プラグを外してみて「焼け気味」だとか「カブリ気味」ということで熱価を変えるこことがあるようですが、単気筒ならともかく今時の4気筒ともなるとエンジン停止時の状況によって、コロコロと変るため判断つきにくいのが一般的なんですよ。(一見カブリ気味に見えて実は全然問題ない。というのはザラです。その逆もしかり)

 で、これで熱価を変えていたり、あるいはキャブ調整をしてしまったり……
 この場合は現在ラインナップされているプラグにとってはプラグに与えるピーク電圧を高くしたほうが、結果的に低速が安定するんですよ。(ただ、これが性能アップといえるかどうか……)

 ノロジーのように単に点火を増幅させることが2ストエンジンにとっていいのかどうかは不明ですが、少なくとも4ストで効果が上がる場合、その前に燃調と点火タイミングを見直したほうがいいことは間違いないんですよ。もちろん、その前にヤレてないハイテンションコードと適正な熱価と形状、抵抗値を持ったプラグにすることが大切ですが。

 とまあ、そんなわけで、長々と書きましたが、確かに金額的には知れているのでTRYしてみるのも一興かと思います。(シールドして、キャップ内のレジスター抜いて、レジスター無しのプラグにするだけだしね)

 ただ、点火が増大することが良いとは限らないことだけは理解してくださいね。
(あと、ノイズ発生がなにに影響するか……もっともバイクなら知れていると思いますが)

 

++++++++++++++++++++++++++++

 なるほど。
 持つべきものは知識のある友人である。感謝!

 というわけなので、このあたりを交換していた車両は、効果が出ない模様です。

↑NS400R TOP

↑XR250-BAJA TOP


Copyright © YUKIKAZE , Syuryou-Y, COMBINED ARMS 1999-2005.