Vol.546 銀−再起動1 2005-02-20

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 NSR250に乗る、お友達のDE MAKIさんが懇意にされている方からのご要望で、一台のSRX400(3VN)を仕上げるコトになった。
 その人にとっては大型二輪の免許を取って、生まれて初めて乗るオートバイらしい。
 当初は『初心者が乗るに良い、何か適当なものがあったらご紹介ください。ロードタイプで、買ってから手の掛からないものを』とのことだったので、ジェイドとかジールを考慮していたのだが、適当なものが見つからず。

MAKI:「その後、いかがなったでしょうか」
狸穴:「中々ご要望に合う良さげな個体が見つからないのだ……」
MAKI:「……ですか。SRXなんかは? どうでしょうか」
狸穴:「あれ、シングルでも良いの?」
MAKI:「良いそうです」
狸穴:「それならば、400も600も、あまり変わりないし
    400のモノサス。キック始動じゃないし、フレーム
    もしっかりしているし、タイヤにも困らない」
MAKI:「んじゃ、それでお願いします」
狸穴:「了解。すぐ手配する」

 SRXとなれば、どうにでもなる!
 240秒後にベース車両を発見⇒入札。
 3日後にちょっと競ったけど落札。
 現地に実車確認&引き上げに行くと、年式に比して銀色のキレイなSRXがおりました。
 各部点検をすると、オークションにて記載されていたとおり消耗している部分はそれなりに消耗しており、前後タイヤ、リアブレーキ・パッド、その他周辺は経年劣化しておりました。
 エンジンを掛けてみると、ピストンスカートからの音が鳴ってます。
 このへんは中古のSRX400では普通にあること。
 キャブ廻りは一度、内部部品をチェックだな……微妙。
 始動は悪くありません。
 エンジンが温まると若干ですが排気管から白い煙。
 湯気かと思ったら若干オイルの混じった煙でした。


 ……リングかな。
 タンクは外観もキレイで中の錆も気にするほどではありません。大丈夫。
 リアのシートカウルの割れは……この型のSRXでは致し方ありません。二人乗りをしただけで割れてしまうのだ。
 将来的に、FRPで出来たものに交換を予定。
 納得して引上げてきました。

銀 :「始めまして。あなたが私のマスター?」
狸穴:「残念ながら、違うのだ。これからすぐにフォークの
    O/Hや、ピストンとシリンダーの関係やヘッドの
    動弁機構の確認と調整のために腰上を開けるが、驚
    かないでね」
銀 :「…………」
狸穴:「中古だし、まずはそのへんを確認してからなのだ」
銀 :「はい」
FZR:「大丈夫ですよ。いきなり改造とかそんなに酷いこと
    しませんから。わたくしも一番初めはそうでした」
銀 :「お願いします」

 外装を剥ぐっていろいろ見てみると、このSRXはほとんど雨天未使用状態であることを確認。
 純正リアショックのバネ部には雨水をかぶった形跡なし。前後のホイール周りやエンジン背面にも雨天走行をした形跡がありません。
 シート下のリアフェンダーにも埃の堆積や雨水の侵入した形跡が無い。

狸穴:「雨の日に走ったことないでしょ」
銀 :「はい」

 出てきたフォークオイルも、水分の混入は無し。
 フォークオイルはABSOで体格・体重に合わせてO/H&大体のセッティング。
 FZRと同じフォークなので、FZRのABSOデータを基にSRXの重量分シフトしました。
 ステムのベアリングもグリシンLGを少量塗布。動きも良いです。
 コレでフロントの接地感に不安を感じるコトはほぼないでしょう。
 リアは、当初少し固めた方が良いか? と思ったのだが、とりあえずしばらくの間はデフォルトのイニシャル。
 この状態で、2000kmほど乗っていただき、その後の方向性を出すのが吉か。

 先が折れたクラッチレバーも交換。
 スロットル−クラッチ−チョークの各ワイヤーにもCPOを給油。
 ワイヤーの渋さも取れて、生き返りました。
 本来はチェーンに塗るCPOをワイヤーに一度塗布すると、ワイヤー類の動きはほぼ最後まで調子良くいられます。
 FZRのクラッチワイヤーは10万km保った。(まだ使えそうだったのですが、10万kmで一応交換しましたが、あまり変わらんかったです)

 で、銀のエンジンオイルは……

狸穴:「ありゃ、入れ過ぎだ」
銀 :「フィラーキャップを開けたら溢れてしまいました」
狸穴:「SRXだと、慣れていない人がメンテすると良くあ
    ること。ドライサンプなので走行後すぐにオイルレ
    ベルを確認するとすぐには油面の高さが落着かず、
    油面が異常に下がっていると思ってしまうのだ。で、
    ディップスティックに従って補充すると入れすぎに
    なる」
銀 :「そうなのですか」
狸穴:「んだ」

 全部出します。
 さすがに汚れております。
 真っ黒。
 出てきたオイル量も約4Lと大量。
 始めはキャブからフロウしたガソリンがオイルに混入して、総量が増えていたのか? と思ったのだが、全部オイルでした。
 本来なら2.3Lくらい出てくればOK。


 ドライサンプなSRXのオイル交換はちょっと難しいのでした。
 オイルフィルターも交換。
 とりあえずは、一度洗浄がてら適当なオイルで2000kmほど走ってもらうコトとして、き〜氏のガレージで余っていたモチュール5100をフラッシング代わりに入れます。
 次回のオイル交換のときにエンジンオイルは、TCOII BBかな。
 TCOII BBとEGS−Limitedをセットで使えば、多分ピストンの打音は収まるでしょう。
 
 前後のタイヤもIRC社のスポーツタイヤに交換。
 このタイヤ、とても素直で良いタイヤです。
 ウチのFZRのGPR100のように、妙にいじって素直を表現した感じとは違います。
 良いです。
 以前、ザンザスに乗っていたLie EX氏も、このタイヤを高評価していた。
 次回はFZRにも是非入れてみたいなぁ……リアタイヤの設定あるかな?

 前後のキャリパーもO/H。
 ディスクもキャリパーもメーターとおりの消耗をしております。
 まだまだ大丈夫。
 
狸穴:「大切にされていたんだねぇ」
銀 :「そうでしょうか」
狸穴:「あまり乗ってもらえなかった、というのはありかも知
    れないけど。状態は良いよ」
銀 :「このところ頻繁に所有者が換わったので、以前の記憶
    はほとんどございません」
狸穴:「だな。直前のオーナーも300キロくらいしか乗って
    いないと言っていた」
銀 :「私では役不足だったのでしょうか」
狸穴:「そんなことは無いと思うけど。前のオーナーさんは基
    本的にはDUCATI乗りだから、SRXだとあまり
    に躾が良過ぎたのかも」
銀 :「良い方にとっていいのでしょうか」
狸穴:「んだ」

 樹脂で出来ているウインカーの首が、経年劣化で折れていたので全部修理。
 電装系も点検。
 問題なし。
 
狸穴:「今日はココまでだ」
銀 :「ではあともよろしくお願いいたします」
FZR:「良かったですね。大きな問題がなくて」
銀 :「FZRは、狸穴さんと永いのですか」
FZR:「はい。もう5年くらいになります。距離も10万キ
    ロを越えてますわ」
銀 :「私も永くお仕えしたいです」
FZR:「大丈夫ですよ。ウチのマスターがいろいろ仕込んで
    ますから」
狸穴:「SRXは奥が深いオートバイだから、永く乗っても
    らって始めてその真価を発揮するのだ。それに銀の
    オーナーは初めて所有するオートバイが御前さんだか
    ら、きっと色々なことを体験できると思うぞ」
銀 :「楽しみです」
狸穴:「良い子にしていれば、大切にしてもらえるさ」
銀 :「はい」
狸穴:「銀もオーナーも、お互いを判り合うには長い時間が
    必要なのだ。そのためにSRXのデフォルトにほぼ
    近い無改造な銀を選んで、良い子でいられるように
    最小限で補正する個所を強化している。残りは好み
    の問題だから今後オーナーから要求が出たときに個
    別に対応」
銀 :「宜しくお願いいたします」
狸穴:「へい」

銀 FZRx+狸穴

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