Vol.534 骨 2004-12-06

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  骨と言えば、人間にもついている部品。
  動的には、オートバイでフレームに相当する部分なのでした。

FZR:「わたくしにも付いてますね」
狸穴:「んだ。FZRのは鉄製だ。FZR250Rからはア
    ルミ製だねぇ」
FZR:「はい。88年式のわたくしまでが鉄で、89年式か
    らはFZRはアルミに変わりました」
狸穴:「大きな違いだよなぁ」
FZR:「そのようです。わたくしがバランス良くどんなに強
    化されても、アルミフレームの3LN以降のFZR
    には走行性能では適いません」
狸穴:「フレームがアルミ材のボックス構造を持ったものに
    替わってからは、スイングアームやフロントのキャ
    スター角やタイヤサイズも変わったもんね。この一
    年の差はどの一年よりも大きな差なのだ」
FZR:「……残念ながらそのようです」

 89年からは、自らが発生するエンジン出力を、しっかりした剛性のアームや径が大きくなったフォークで支えながら、走れば発生する路面からの入力をしっかり受けて余りある、アルミフレームになったのでした。

狸穴:「でも、走行性能だけではない。と言うのもありなの
    だ」
FZR:「?」
狸穴:「外から大きな力が加わるとアルミは修復が難しい、
    鉄は修復率が高い。コレは大きな違いだ」
FZR:「確かに。以前Vol.155※の、マスターとわた
    くしでトラックの荷台から落ちてきた大きな圧力タ
    ンクを止めた際に、一瞬曲がりましたが戻りました」
狸穴:「たとえあの時に、動き出したアレを止めることに失
    敗し、あの重さを受けて大きく歪んだとしても、フ
    レーム修正と言う方法で直すことができる」
FZR:「アルミでも修復はできるのでは」
狸穴:「確かに出来るが、元の形のままと言う訳には行かな
    かったりする。しかも加工に手間が掛かるので、結
    局はフレーム入れ替えとなる率が高い。FZR25
    0というカテゴリーのオートバイでは、よほど強い
    情が働かない限り……その時が『廃車』となる」
FZR:「マスターは鉄フレームは好きですか」
狸穴:「嫌いじゃない。合った乗り方、てのがある」

 鉄フレームもその組み方や設計いかんによっては、乗りやすい構造なのでした。
  それに、補強を入れる際の溶接等で熱を使った加工も行いやすく、加工後の調整も可能なのだ。

FZR:「そういえば、あのタンクの時にはマスターのフレー
    ムもかなり歪んでました。……大丈夫だったのです
    か」
狸穴:「肘と肩の関節はオーバーロードだったみたい。破壊
    したのは後付けの左ひざ内装の関節緩衝材だ。でも、
    肘と肩は左腕のナノマシンで自己修復、膝も外部か
    らのオペレーションで、はみ出したシリコンを少し
    削って修復済み。神経系には異常なし」
FZR:「わたくしもその後、曲がったフォークやステムと、
    割れたホイールをSRXモノサスの物に入れ替ええ
    ていただいて、コト無きを得ました」
狸穴:「よく頑張ったな」
FZR:「はい」

 判断が遅れていたら、あっしもFZRもぺったんこになっておりました。
  それ以後、積載状態に不安のある乗り物には近づいておりませんし、首都高速や交差下等を走る時には上空にも警戒しております。

 機械の進化も最近ではかなり考え方が変わってきているようで、新しい材料が日々開発されております。
  機械の進化に際しては、よく動物や植物の構造をまねることがあります。
  機械に生物の特性を与えたり。
  以前、こちらでも紹介した、小規模な破損ならば自己修復可能な物質を含んだプラスチックとか、生物の骨のように成長し形を変え、造血機能や折損した際に自己修復機能を持った乗り物があっても良いではないか、と考えている方々もいるそうです。
  DARPA防衛科学局のジョン−メイン博士は、そういうものが造れたらと考えているとか。

『既存の考え方のみで造られた材料では、このような特性は得られない。自然にある物は新しい特性の材料を研究するための方法を示している』とのことです。

FZR:「わたくしたちの寿命も、大きく伸びますわ!」
狸穴:「だな」
FZR:「それに、マスター達に大きな経済的・精神的負担を
    掛けずに済みます」
狸穴:「わはは、そか」
FZR:「そのジョン博士に、早くその技術を完成して頂ける
    よう、お願いしてください」
狸穴:「了解。でも生物に近づくということは、FZRも休
    憩してある程度の時間を眠ったり摂食する必要が発
    生するかも」
FZR:「休憩は必要になります。そうすれば、マスターと一
    緒のお食事もいただけますし、お茶もいただけます
    わ」
狸穴:「んじゃ、FZRの分の食事も用意することになるの
    か……メンテナンスどころじゃないね〜」
FZR:「わたくしたち機械の、今のところの進化目標は『ヒ
    ト型の形態を摂る』と言う者もいるようです」
狸穴:「なるほど。でもそうなると、大きくないと乗れない
    ねぇ」
FZR:「マスターと同じヒューマノイド型ならば、パーツを
    交換しながらわたくしも、ほぼ永久に寿命がありま
    すので、時が果てるまでお付き合いできますわ」
狸穴:「ん〜。ただでさえ『オートバイと喋るヒューマノイ
    ド』とか『ある一定の機能を持った人間やヒューマ
    ノイドと会話するオートバイ』と言われておるが」
FZR:「……そでした。ホントは内緒だったのですね。気を
    つけます」
狸穴:「んだ。知らないヒトが見たら、ビックリする」
FZR:「世界七不思議の一つになってしまいますね」

FZRx+狸穴

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