Vol.528 コロナ 2004-11-02

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 コロナと言えばトヨタの自動車なのである。
 いつもオートバイのことばかり書いておりますので、たまには自動車のことも。

FZR:「マスター、わたくしはそのために2日間、屋根もカ
    バーもない所で雨に打たれておりました」
狸穴:「ん〜、ごめん。颱風だった低気圧の影響下だったも
    んねぇ。土砂降ってた」
FZR:「でも大丈夫です。お借りした傘も差していただけま
    したし、先日耐水処理も受けました」

 FZRはこの二日間、点火系を守るために雨の中で傘を差して都内の道路脇で待機だったのでした。
 普段は、外にいると衛星軌道から狙撃される可能性が上がるので、仕事以外で外泊することなどまず無ない、あっしとFZRの外泊行なのでした。
 FZRが待機する原因となったのは、ある作家さんの家に寄った挙句、ご近所に居住する中尉や一緒に仕事をしたこともあるB氏とも合流し……友達3人と呑んでしまったので、中尉の所に泊めて頂くことになったからでした。

 当初はこの作家さんと、中尉のこわばった身体のストレッチを手伝いに行ったのでした。
 みな身体を大事にしてください。(特に大滑落を2回もやっている>中尉)
 ついでに中尉からFZRのページの文章にはじめて『朱』と言うものを入れて頂いて……文章の書き方のサワリをちょっとだけ教えて頂いたのだ(製造後、始めて文章の書き方を教わりました)。楽しかった。

 常にオートバイなので、久々のお酒は日本酒で美味しゅうございました。
 始めは緑茶で頑張っていたのだが……サカナを食べたら我慢ならなくなったのだ。
 翌朝はすぐに起動しそうもない中尉を置いて、作家さんと近所の銭湯で朝湯三昧。
 前日のお手伝いで、ガタがきたあっしの身体も緩みました。
 で、昼過ぎから近所の美味しいコーヒー屋さんで定評どおりのコーヒーを飲んで、浅間神社と稲荷に寄って……久々に人間だった頃を思い出し、10年振りくらいの幸せな一時を過せました。
 この作家さんが非常に賢い女性だと言うファクターも大きいです。
 なんでこんなに神経が緩んでいるのかを考察すると、中尉の所に泊まったのでオートバイに乗らなかったからなのでした。
 普段あっしがこの地に来る時は、人間だったら生死を賭けるほど激しい環七のすり抜けを経て、着いてからもしばらくは殺気立っていたのだ。
 朝風呂まで入ってはもう……ストレスがないってのは良いですね!
 こんなことは渡世人には数十年に一度くらいしかないのだ。
 んで、FZRはすぐ近くにいるし。
 珍しくも外的環境要因により癒されます。α波増大。
 ささやかな幸せでした。(普通の人はいつもこうなのか??? ヲイ、ここまで気が緩んで良いものか?)

 で、午後からはコロナの今後にかかわる整備スケジュールの策定。
 表題のコロナは雪風★中尉が乗る自動車で、少し年代モノの86年式・形式名ST150です。
 元オーナーのあるメカニカル・デザイナーさんの親御さんが、最初のオーナーとして長年乗り続け、買い換えの際に年式からの査定では次のオーナーが決まらないだろう……プレス機行きかな、という状況を控えていた車なのでした。
 少しFZRと状況が似ております。
 中尉の所に来た時点では走行距離5万3千キロ。
 乗用車としては事故歴もなく、ディーラーでの定期点検も受け、大切に乗られた固体とのこと。
 コロナという車のカタチは日本の道路事情に適合した乗用車で、トヨタという会社もその点を良く知っており、当時は力を入れて造った車なのでした。
 小さいながらもドアは4枚あり、トランクも装備したセダン型で1800ccのエンジン。
 しっかりしております。
 2座席もしくは、ほぼ1座席に乗ることの多かったあっしからすると、大人4人が普通に乗って距離を走れる小さめのコロナという車は、『日本人にしか造れない、濃密な文化を搭載した地味だけど実は凄いクルマ』となるのでした。
 日本の経済も満潮を迎え始め、当時の良い材料とお金を掛けて作られた時代の『普通』の車なのだ。
 普通のものをしっかり造れるということは、本当は凄いことであり評価に値するのだ。

#話を3年程前から遡ると、
 中尉がコロナ君を入手後にすぐにウチに乗ってきた。
 自動車とはこんなものなのか……とのこと。
 グニャグニャしていてテキパキと反応しないらしい。
 ちょっと乗ってみると……乗り味はたしかにクラッシックなイメージです。
 で、地面に近いところから順に、タイヤ⇒ショックアブソーバーと順当にヘタっておりました。

狸穴:「コロナ君、シャーシもエンジンもまだしっかりして
    いるのに」
コロナ:「フレーム等は全然問題無いですが、脚元から……」
狸穴:「足元は経時変化で少し怪しいが、心臓と脳は滅茶苦
    茶しっかりしているお爺さんみたいだなぁ」
コロナ:「……」

 タイヤを確認すると逝ってました。
 ショックアブソーバーも抜けてます。
 で、《秋水號》にコストが掛かるので、コロナにはお金を掛けるつもりはない。と初めから言われていたので、その時にできることと言えばタイヤのローテーションくらい。
 ローテーションをすると少しはマシになりました。

狸穴:「ローテーションで、ちょっとシャキッとしたかな……」
中尉:「タイヤを換えないとダメですね」
狸穴:「ゴムは時間が経てば酸化により、脆く張力が減り劣
    化する」

 中尉とコロナ君はその日は静かに帰ってゆきました。
 これから中尉の苛烈な要求に応えて行かねばならんのだ……頑張れコロナ君〜
 しばらくしてコロナは4本のタイヤを新品に換えてもらいました。
 しかし、ショックアブソーバーのヘタりはタイヤが頑張る分、さらに酷くなりました。
 タイヤは新しいがショックアブソーバーが……な状態。

 その間、数回に及ぶ種子島や九州内之浦でのロケット発射観覧のたびに、多くの乗員と荷物を乗せ、コロナは東京〜種子島の高速全開往復に仕えたり、無数に曲がる必要のある都内の道路を走り、温泉までの峠道もやたらと多くこなし、幾人かの引越しの際にもその機能を全力で発揮します。
 日本車の耐える『働き者』としての役目を果たしていたのだ。
 その頑張りに報いてもらえることもあり、種子島へ行くときにはエンジンオイルやATFを換えてもらったり。
 実験としてのEGA−W(自動車用)をエンジンオイルに添加したり。

 あっしが始めて見たときには塗装がカサカサだったボディーも、こきちさんの所でプロによる磨き処理を受け、古いながらも車体は妙にピカピカです。
 たまに会うたびに、少しづつ良くなっておりました。
 トヨタが造ったこのカテゴリーの車は実に良くタフに出来ており、その後の各社への影響もしたり。
 地味な自動車ですが、地味ゆえにしっかりしている信頼のおける乗用車なのでした。

#そして話を今に戻し。
 先々月、コロナの話をしてると。

中尉:「タイヤの一部だけ山がほとんど無くなり、もうダメ
    になりました」

 とのこと。
 タイヤを実際に見てみると予想通りに内側トレッドがエグれておりました。
 FF車の宿命です。
 タイヤ交換となりました。
 タイヤを換えるのならばついでに、ホイール・アラインメント調整をやるべきだと進言。
 ホイール・アラインメントとは簡単に説明すると、自動車の4つのタイヤの取り付けを微調整することで、コレをやるのと、やらないのとでは大きく運転が変ります。
 車輪の位置関係が設計どおりになっていないと、タイヤは早く減るし、真っ直ぐ走らないし、運転していて酷く疲れます。コーナリングの際のアプローチも巧く精度を出せません。
 オートバイと比べるとタイヤの数が多いため、オートバイよりも車輪位置精度の影響は強く出ることになります。

 多分コロナは生産後、一回もホイール・アラインメント調整を受けたことは無いでしょう。
 大抵の車もそのへんの扱いは同じで、大きな事故や改造を経験しない限り、ホイール・アラインメント調整を受けずに一生を終える車は多いのでした。
 人間で言えば、不調だったが医者に掛からずに寿命を終えた、というのに近いかも。
 新車でも固体によっては、調整が大きくズレている場合があるくらいです。
 皆さまも、もしお車をお持ちでしたら次のタイヤ交換の際に調整してみてはいかがでしょうか。
 多少作業に時間は掛かりますが、結果は全然違いますよ〜


 このようにして、コロナは調整されるのでした。
 今回は世田谷の環八沿いにあるオートテックさんにて調整を受けました。
 アラインメントやタイヤ交換をする部署のメカニックさんの、仕事に対する意識はプロでした。
 作業価格もセール最終日で、1万円強くらい。安い方です。
(高い修理工場だと8万円取られたこともありました)
 このお店は、かなり良いです。
 合うまで何回も頑張ってくれます。
 あっしも今までに何回か色々な場所でサービスを受けたり、自分で作業したりした経験があったので、確認をするために憑いて来たのでした。
 整備の練度は高いです。

 結果は帰り道の中尉の運転ですぐに出ました。
 真っ直ぐ走ります。
 曲がる時も探りながら曲がらなくて済みました。
 ヘタリ始めているショックアブソーバーも、脚回りからの入力が調整されたことで、低速度域ではまだ残っている減衰力を効かせることができ、路面の凹凸を拾ってそのお釣でバタつくこともない。
 良い乗り心地になりました。
 中尉、運転上手くなったみたい。

コロナ:「メカさんが細かく合わせてくれたホイールアライン
    メントは、凄く効くであります!」
狸穴:「だろ。新車より凄い状態。大事にされてるねぇ」
コロナ:「生産されてこのかた、初めて全部のタイヤがバラン
    スよく地面を踏んでおります」
狸穴:「わはは。あとはショックアブソーバーだ」
コロナ:「そこが直れば何の問題もなくなります」
狸穴:「まぁ、タイヤ4本新品でアラインメントもとったし、
    ショックアブソーバーは何か考えておくよ」

 コレのABSOは既に用意しているのだが、ショックアブソーバーも内装パーツやオイル交換ができる形にして、タフにしておかねば……
 バネに合わせて設定は、攻める方向とは逆に、フワフワしないナメシたような乗り心地と高速での直進安定をサポートするカタチかな。
 目標はJAGUARなのだ。(嘘です。無理です。でもちょっと気にしてます)

 帰路、途中で将来的に自分で都内を走り回るようになるであろう、今はペーパードライバーの作家さんへ運転交代。
 自宅周辺の道路を走ります。
 普段スロットルを踏んだりブレーキを踏む生活をしていないので、ペダル操作は蹴っ飛ばし的操作です。
 対して、ステアリング操作は遅れがち……もっと普段から乗るようになれば、5000kmを走る頃には慣れるでしょう。
 後退車庫入れは……たのしかったです。

 この作家さんはコロナ君のもう一人のオーナーでもあったのでした。
 中古のコロナは、自動車としての基礎的な部分や大きさや仕様を全て満たしており、そのために様々なドライバーを受け入れる素地が出来ているのでした。
 流行とか特異性から自動車を切り離して考えると、『優良な自動車』とは、こういうカタチなのかも知れませんね!
 乗ってみると技術を使えば結構峠で速いし、非常に大人しく走ろうと思えばそれもできる。
 基礎構造がしっかりしているので誰でも乗れる守備範囲が広いです。
 メンテナンスをしていれば長〜く乗れるのだ。
 ひときわ地味なクルマだから、判って貰い難いんだよね>コロナ

中尉+コロナ君 FZRx+狸穴

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