Vol.520 TCOV・油温 2004-09-09

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 金属で出来ているエンジンでは、稼動中はシリンダー内で混合気が燃焼しているので発熱します。
 TCOUでは、この熱をいかに素早くオイルで伝え外部へ放出するかを課題としましたが、さらに今回はエンジンが動けば当然発生する機械発熱を、高い潤滑性能によりどこまで抑えられるかという課題のほか色々ありますがこれらを解決した、より高回転高出力下での高い性能を持ったTCOVが完成しました。

 現在FZRはエンジンを積み替えてからヤマハ純正の10w−40を入れております。
 至ってベーシックなオイルですが、10000rpm程度までは十分良い性能を確保しております。
 でも、ちょっと硬いかな……若干のフリクションをスロットル開度の量として感じます。
 前のエンジンでTCOVになる寸前のTCOU(なにげにバージョンアップを重ねております)を入れていたから感じる量の差かな……

FZR:「少しだけ排気量が下がりましたが、基本的にはリビ
    ルドしたデフォルトエンジンですから、新品とさほ
    ど変わらないエンジンの状態だと思います。でもち
    ょっとクランクの回りが重いですね」
狸穴:「エンジンブレーキも普通にトンと感じるねぇ」

 で、これから始める比較のために同じ純正オイルをもう一度新しく入れ換えて、その後アイドリングで油温を、ラジエターファンが頻繁に上がるまでみます。
 アイドリングと言っても3000rpm固定です。
 走行冷却風が入ってこないのですぐに熱くはなります。
 当初は後輪出力をダイノマシンで測って比較しようとしたのですが、どうにもこのメーターでは同じ計測をしても毎回違う結果が出るので、ならばアイドリングから暖気させて最高どこまで油温が上がるかを比べたほうが、オイル自体の熱に対しての比較ができると思ったのでした。
 出力に関しては、実際に走らせてタイムを計測した方がハッキリします。
 その他のデータはほぼ毎日同じコースで乗っている自身のオートバイなので、走行フィーリングの変化で判ります。
 数値化した方がページでは、判りやすいかも知れませんが、数字はあまり当てにならないと判断。

FZR:「ちょっとオイルがもったいない気がしますわ」
狸穴:「純正新品でオイルとフィルターの交換なのだ。テス
    トとはいえ、たしかにもったいないねぇ」
FZR:「でも、こうしないと正確な使用データは取れません
    ものね」
狸穴:「だな、両方とも新品オイルだ。本来ならばエンジン
    単体を計測ベンチに乗せて、近似した室内条件下で
    吸入混合気や気温&湿度&気圧などを揃えて、ほぼ
    同時に各気筒ごとにセンサー付けて測れればイイの
    だが、そんな場所も予算もないもんね」
FZR:「はい。でもエンジンオイルの温度の上昇をみること
    は、わたくしたちのエンジンの状態を測る結果とし
    ては、一番端的で判りやすい方法かと思いますわ」
狸穴:「オイルの温度を測っていれば機械発熱や燃焼発熱の
    状態も見れるしね。ほかは音や振動を感じていれば、
    コレもデータになる」
FZR:「この方法でしたら皆様でも出来ますね」
狸穴:「んだ。簡単だ」

 ということで、無風でハナ曇の安定した気候のときに実験しました。

 まずは普通に純正10W−40と純正フィルターを交換。
 先日エンジン換装後に入れて2000kmほど使っていたオイルは、ミッションのタッチが、少し渋くなり始めており出てきたオイルはほぼ黒に近いこげ茶色。
 しばらく眠っていたエンジン内部を充分にフラッシングしてくれたのだ。
 FZR250系の3LN1までは、フィルター交換の際にEXパイプを外さないとならないのが面倒です。
 交換後に一回、10分ほど走ってオイルをエンジンに馴染ませます。
 2時間ほど放置して冷却。
 んで、計測開始〜
 開始時油温は35度。
 開始後7分で水温84℃/油温88℃。
 20分後にはファンが回りっ放しになりました。油温122℃。
 となりました。3000rpmでも油温の上昇は結構早いのですねぇ……渋滞にじっとはまっているとつらい訳だ。
 出てきたオイルを少量サンプリング、あとで採取したオイルを80℃まで上げてから色々と内緒のテストをします。
 今度は実際に走って、加速を計りに行きます。
 近所にある、街灯からある街灯までの加速でメーター読みで、何キロ出てその時のギアポジションと回転数を数回にわたり記録。

 んで、TCOVを投入。
 フィルターも交換。
 10分ほど走ってオイルをならします。
 初めてTCOVを投入後、馴染ませるために走っている途中から、エンジンブレーキが減少+機械音減少+スロットルのツキが良いです。をを〜!
 で、戻ってきて先程と同じように油温が35度になるまで放置。
 TCOVだと温度降下時間が半分くらいで済みました。(え?)
 風も気温もほぼ同じ。
 で、計測開始〜
 開始時油温35℃。
 開始後7分で水温90℃/油温73℃
 13分後にはファンが回ったり止まったりになりました。油温107℃
 結構違うものですねぇ……油温は下がって水温は早く上がるが、ファンは時々止まる程度です。

 FZR250のエンジンでは、結構差が出ました。
 TCOVは冷えるのも早かったし油温の上昇限度も低かった。
 水温の上昇は早かった。
 55度以上でのエンジンの機械音は静かでした。
 また走らせてみると高回転域での延びがとんでもなく良くなっております。
 純正オイルだと14000rpmから上のレッド17000rpmまで回転上昇が重く感じるのですが、それがかなり解消されておりました。
 ひゅ〜んとバルブがサージングが起きるところまで回ってしまう傾向がありなので、気をつけねば。
 下の回転域もトルクが少し厚くなってます。
 壊れることを考えずにマップを描いてバルブパーツと排気管を製作すれば、24000rpmくらいまで回るかも……? そんなに高い回転は要らないですけどね。
 市販車のままのFZRでは、このTCOUやTCOVでレッドゾーンを越えて回るようになる状況は、油膜が耐えても機械的な限界点が来てしまいます。
 それよりも普通の回転数で使ったときに、このオイルがエンジンを護る能力とパワーアップが期待できて、燃費が良くなるオイルの部分を楽しみにしています。

 夏はこんな感じで冬はどうなるかなぁ。
 フリクション・ロスを抑えてあるので、夏と変わらないセッティングで行けそうです。

FZRx+狸穴

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