Vol.513 ピストン 2004-08-26

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FZR:「マスター、先ほどから内側を削っているその新品の
    ピストンは、何に使うのですか」
狸穴:「コレか……純正オーバーサイズのピストンが出なく
    なってしまったSRX250のピストンなのだ。デ
    トネ等の対策として、突起部で異常な熱が発生しな
    いように切削面をならしたり」
FZR:「わたくしのより大きいですね」
狸穴:「だな。排気量は同じでも単気筒と4気筒の差だ。コ
    レを入れると270ccくらいになるけど、オーバ
    ーサイズが供給されない以上同じシリンダーを使う
    にはこれしか方法は無いのだ」
FZR:「翠雨さんのSRXと同じですね」
狸穴:「だね。アレを作った時のデータで今回のこのピスト
    ンが出来たのだ」
FZR:「全部、1個づつバランスを取り直すのですか」
狸穴:「んだ。FZRが先日まで使っていた旧エンジンとこ
    の部分は同じ処理だ。ピストンは物凄いスピードで
    シリンダー内を往復するから、その状況に合わせて
    ちゃんと動的なバランスが取れていないと、故障や
    早期寿命の元になるのだ」
FZR:「加工の量はそれぞれピストンの固体によって違うよ
    うですね」
狸穴:「んだ。ほんの些細な量だけど合わせるのだ。そのう
    ちバラしてこのへんを調べるけど、やはりコレをや
    ったFZRの旧エンジンも、たぶん4発とも均等に
    減っているはず」
FZR:「全回転域で振動が出ることも無く、そんな感じでし
    た。今のはわずかに振動する回転域があります」

 ヘッド側の燃焼室形状を変えたりする訳ではないので、最大限の出来る範囲で良い結果が出るように燃焼室を形成するもう一つの面であるピストンヘッドを加工成形し、タンブルフローやスワールが発生しやすいようにしているのでした。
 そのついでにバランスも取った。
 今回の燃焼室はカムや点火の特性も考えて、中間域で最大の効果が得られるように。

 SRX250は他の大きなSRXよりはよく回るけれど、FZRのような超高回転エンジンではないのだ。
 これらをサーキットで使うと言っても、パワーバンドはある程度確保されていた方が走りやすいしタイムも出る。
 なので、キャブもデフォルトの物を再設定すれば充分使えたり。FCRだって使えるのだ。
 こうしておけばエンジンは頑張ってくれるのだ。
 あとはこれらが装着される腰下の状況が良ければ問題なし。
 でも……クランクに偏芯やベアリングのヘタリがあると、スラップ音くらい出るかも。
 今回は4個のピストン分なので、オマケでピストンピンのアタリも馴染ませておきます。
 それぞれのピストンに一番あったピストンピンを選択です。
 コレで小端部での振動も最小限に収められるかなぁ……
 今回は腰下は一切拝見しないので、出来る限りのことはやっておくのでした。
 デフォルトの時から比べて圧縮も変わりますし、シリンダー内での気流の流れも大きく変わりますので燃焼傾向も変わるでしょう。
 実験に参加いただいた翠雨さんのセカンドマシン、SRX250には感謝なのだ。
 お陰で良いピストンとシリンダーが出来ました。
 みんなはコレでサーキットを走るそうです。
 揃いのチビSRXフォースなのだ。
 デフォルトのSRX250は今ひとつ元気が足りなくてパンチに欠けるけれど、このボアアップキットでセッティングすると、チビSRXが一転して強力なパワーマシンになるのでした。
 http://www.team-srx.jp/~kokichi/
 で、売ってます。
 BBSもあるので、そこですでに使っている方々に使用感やノーマルとの比較を訊いてみることも可能かも。

 クロスハッチもレーススペックで付けたし、ピストンクリアランスもエンジン的に正解なところを探りました。なのでオイルは《TCOU BB》もしくは《モンスター》を推奨いたしますが、それほど負荷を掛け続けることは無いという場合は、純正のエフェロプレミアムで充分対応です。
 シリンダー:ピストンの消耗を気にする方や、更に全体での馬力が要る方の場合はコレに加えて《EGS Limited》を使用してください。コレで万全。
(註:キャブのセッティングは、各自の排気管の状態に合わせて自分でやるしかないです。)
 SRX250な方々はどうぞ〜

 このキットに組替えるとちょっと遅かったSRX250も、一気筒辺りの排気量が大きいことと車体が軽いことで、発信時やノンスナッチな中間加速ではFZR250よりも速い加速をするのだ。
 そのまま一番小さなSRXとして乗っていても良いのですが、短気筒の250ccエンジンは基本を勉強するには一番扱いやすいのでした。
 コレを×4すれば1000ccなので将来的に4気筒1000ccをやるときに、熱や効率のデータは少しは役に立つのでした。

FZR:「今のわたくしの切札エンジン様は……」
狸穴:「ココまではやっていないけれどリングだけは新品か
    な」
FZR:「大丈夫なのですか」
狸穴:「大丈夫だよ。メーカが一応ズレを考えて用意した部
    品の組み合わせで、かつ妙な音も出ていない」
FZR:「これからこのエンジンを4個積んで走るのですか」
狸穴:「んだ」
FZR:「積めるかしら」
狸穴:「大丈夫、コレでFZRはしばらく1330ccだ」
FZR:「積んでいる量だけですけどね」

 わはは

 今日もFZRは荷を積んで甲斐甲斐しくも働くのでした……

FZR:「あの〜、わたくしは荷車じゃないんですけど」
狸穴:「……すっかり荷車になり下がってるねぇ」

FZRx+狸穴

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