| 以前、打ち合わせの予定がずれて2時間くらい時間が出来たので、世田谷の砧(きぬた)公園(でっかい)サイドにある世田谷美術館に寄ってみた。世田谷美術館は昔はしょっちゅう来ていたアジトの一つなのだ。
ちょっと気になる催しがあった。
一通り鑑賞して人間も棄てたもんじゃねーなと思いながら出てくると、連絡があって打ち合わせはまだ時間がずれると言う。で、だだっ広い公園の方へ往くと近所の主婦達が所々集落を作りながら毎日の会議をしていた。
天気は所々雲は出ているが概ね晴れの上天気。
ご近所付き合いも大変だなぁ……
平日の昼に男性一人でこの公園でジッとしてるのはあっし一人。他にいる男性は清掃管理の人か定年を迎えて久しいお爺さんだったり。
丁度お昼時だったので自作のおむずびとお茶で昼食。
FZR:「美味しいですか」
狸穴:「いつも道路端かどこかの事務所が入っているビルの
ホールとかだもんね。たまにはこう言った公園も良
いよ〜遠足に来た感じ」
FZR:「それでは、ごゆっくり……」
狸穴:「応」
食べ終わってのんびりしていると、主婦たちの群れから一組の親子がこちらに向かって会釈しながら接近してきた。
お母さんは26歳くらいの大人しそうな感じの人でお子様はまだ3歳くらいのお嬢さん。
会釈されても知らないのだが……せっかくなので会釈を返す。
この母子が属していた集団は参会した模様。
他の集団はと思い付近をスキャンしてみると、ほとんどの集団が散会を開始中……
母子は真っ直ぐこちらに向かってきます。
母親:「こんにちは、よいお天気ですね」微笑
娘 :「オジサン、こんにちは」
狸穴:「はい、こんにちは。お母さんとお散歩かな」
娘 :「……」無変調
母親:「ちょっとそこで待っていてね」
娘は母の意を了解して植木の葉っぱと枝で遊び始めました。
母親:「お休みですか」
狸穴:「まぁ、そんなところですけど……何でしょう」
母親:「じゃァ、ちょっとお話させてくださいね」
狸穴:「はい……ところでどなたでしたっけ?」
母親:「あ、すみません。わたくし今日は***教会から参
りました@@@と申します」
狸穴:「狸穴と申します。渡世人です」
……やっぱり。
残念ながら昼日中の公園で、こんな美人のお母さんから逆なんかけられるほど世の中甘くなかったのだ。
ちょっと話して聞いてみると宗教の勧誘でした。
他の集団の地元主婦達は、当に彼女達の動きを察知して気がついていたのでした。
間抜けな余所者の狸が彼女達のテリトリーでまんまと狩られた訳だ……それも同じ場所で2度目とは情けない。(過去にも同じ状況であったのだ。忘れておりました)
狸穴:「なんだ〜宗教の人だったんですね」
母親:「はい」
狸穴:「凄い美人が真っ直ぐこちらに来たので、ちょっと不
思議な気分になりました。いつもココですか」
母親:「……ココは2ヶ月に一度くらいかしら」
狸穴:「前にもココで他の方ですけど、同じ風に合いました
よ。その時の方も美人でしたが、あなたの方がもっ
と美人かな〜」
母親:「そんな〜」
狸穴:「いやホント、とても美しいですよ。で、ご本のお話
を……か、光を入れてくれる、でしょ」
母親:「はい……光の方です。狸穴さんは面白い方ですね!」
(視界の範囲内で先程の散会した仲間と思しき者達と視覚通信中。……でももう遅いです)
狸穴:「警戒しなくても良いですよ〜慣れてますから。あと
小一時間空き時間ですし」
母親:「ありがとうございます。ほとんどの方はすぐに立っ
て行ってしまうので……」
狸穴:「でしょうね、何時もご苦労さまです。お嬢さんもこ
ちらに呼んで一緒にそこの木陰に移って座りません
か、話くらい聴きますよ」
母親:「そうですね」
木で遊んでいた娘を呼んで木陰へ。
今は何でもインターネットになって便利になったのか不便になったのか……とか、オートバイの話とか、視聴したことは無いけれど「冬ソナ」の話とかそれに付随して恋愛の話とか……教会の話と混ぜながら30分ほど会話。
時折近くを先程彼女が先程属していた集団の方々が様子を覗いに通過して行きました。
その間、彼女に術を浅く掛けました。
で、光を入れてくれるという段になり、光を入れるには狭い木陰から出ようとするが……出れません。
この影から出られないと言ったのでした。
久々のクリティカルヒットです。わはは。
母親:「……どうしたのかしら。足が進みません」
狸穴:「でしょ、この影の中には光が届かないのです」
母親:「大変……」
母親:「でもこれでは、狸穴さんに光を入れてあげられないわ」
狸穴:「でも危険な感じはしないでしょ」
母親:「はい」
先程会釈してすぐに『美人』と言う言葉と、木陰を丸く示した時にすでに掛かっておいでなのでした。
ホントに危険を感じていたらすぐに解けるレベルの術です。それに影から出ればすぐに全て解けることになっているのでした。
それでも影から出ないでいるのは危険とは感じていない状態なのだ。
お嬢さんは自由に出入りしてます。
で、解いて光を入れてもらって終了。(今回は押し返しませんでした)
次に誰かと会話をしたら、その際にあっしのことはずべて忘れてしまうでしょう。
さよなら〜。
母子 FZRx+狸穴
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