| FZRを必要とする用事があったので、まだ安定していないエンジン様でちょっと都内往復の工程を乗ってみました。
と言っても、アイドリング付近が極端に薄すぎただけで、3000rpmも回れば薄いなりにもナントカ走れました。
エンジン様の一部もまだナラシなので、6000rpm/スロットル半分を上限としております。
第一印象としての、このエンジン様は異音もせず使用回転域で固有の震動を発するようなことも無く、まだ全然新しい感じで『良い』でした。
……だがしばらく走っているとやはり……元エンジンからポン付けしたキャブが全〜然合ってない。
当然であります。
エンジンの仕様が全く違うのだ。(と、言っても元エンジンに比べれば3LN1のノーマル小改なんだけど、実はデフォのデータってほとんど持ってないのだ)
FZR:「マスター、スローが全く合ってませんねぇ」
狸穴:「アイドリングしないねぇ」
FZR:「排気量は落ちたのに……たくさんガソリン要るよう
ですわ、ちょっと濃い目の箇所があったり逆に物凄
く薄い所があったりで、トルクカーブが滅茶苦茶で
すわ」
狸穴:「圧縮上がってオーバーラップ増えたから、排気量が
下がっても濃い混合気を要求するのだ。それにcu
t awayの角度がまた合っていなかったり、ニ
ードルのサイズも合っていないみたいだねぇ……」
FZR:「なんか水温が普段と違う勢いで上がってますけど……」
狸穴:「スローの領域では燃料冷却の逆やってるからなぁ……
頑張って自分で冷やしてくれ」
FZR:「サーモスタット全開で時々ファンも回します。信号
停止の際には間合いを読みながらクールダウンして
赤信号の待合ではエンジンも停止してください」
狸穴:「へ〜い」
カムプロフィールや燃焼室形状を変えていないのに……激薄状態で走っているのでした。
とりあえず、風を当てることに専念して走ります。
すり抜けもやむなし。(FZRの発する音が変ったので、すり抜けしずらいです)
ただ、混合比は激薄なれど、3000rpm以上のコントロールは確保していたり。
吸気脈動の周波数が上がって振幅が小さくなる3000rpm以上は元エンジンの要求混合比とそれほど掛け離れていないのでした。
まあ、キャブのベンチュリー口径が3LN1エンジンの要求する27・5φより小さいので、通過する流速も高くなっていたりだし、その上ジェットが小さきゃ混合気は薄くもなるのだ。
要求ベンチュリー径の超大雑把な荒い計算方法は、FZRだと……
0.0625L×18000rpmの結果を√(ルート)して4発だから係数0.82を掛けます。(回転数は回転上限やピークパワー発生回転を入れたりします)27.50363612324……φなので3LN1の純正キャブはバタフライバルブの断面面積を考慮して28φなようです。
22000rpmまで上げるなら30.4φのベンチュリー径を要求することに也です。
地球の空気は性質的に音速を超えたがらないのでこうなるのだ。
ホントに大体の計算ですので、目安ですよ〜。真に受けないでね。
真面目に計算する場合はもっと色々な要素を数値化して長〜い式にブチ込みます。
ベンチュリー部の径を大きくしすぎると、中低速域で扱い難くなってそれを補正するのに加速ポンプとか厄介な補器が必要になります。その他EXUPや排気管容積や管長やその曲がり方とかの気流の流れも影響してきますけど。
このままではデトネを起こしそうなので、途中でパイロットスクリュウを4気筒とも1回転程濃い状態にシフト。
……しかしこんな事では焼け石に水です。あまり変りません。
新エンジンはいろいろ要求が違うのでした。
今後もEXパイプは変える予定は無いが、効率を得ながら静かにするために消音機を容量のデカい物に換えたりするので、高回転域でスロットル全開等を考えるとベンチュリー径を拡張してその状態にジェッティングも合わせておいた方が良いのかなぁ……
実際に今の状態でなんとかエンジンが掛かるくらいの薄さなのだから、この新エンジンが元エンジンよりも構造的に更に高回転型であるコトを考えると、今のうちにある程度は合わせておいたほうが良いのだ。
FZRでは久々にやる、メーカーの作ったままのエンジンのセッティングを合わせるのは別の意味で大変でした。
いろんな実験するよりも先に土台になる、機関に適合した状態に基本セッティングを合わせないと……
排気ポート付近のEXパイプが……! 少し赤熱しております。わはは。焼きつきそう。(調子こいて普通に走りながら渋滞にはまっていたら焼きつきます)
ケースには時々油温を測るプローブをまだ付けていないので、あまり正確じゃないけれど、クランクケースを非接触式温度計で測ってみるとセルモーターの近辺で124℃……高いです。このときの水温計の位置は約2/3。
ちょっと恐いのでケースの温度を見るのは……止めました。
水温がレッド手前の針1本までになったら、すぐに安全な場所を見つけて停止して30分休憩。
この状態はラジエターを大きくするとか、大容量のオイルクーラーを増設するとかいう外部冷却の強化とは全く違った次元の状態なのだ。
完全にセッティングが狂っているのでした。
ある意味では、ここまで薄い混合気でも掛かってしまうこのエンジン様は当たりなのだ。
この状態は『壊れてしまう状態』で無理矢理合わせて起動することの方が普通じゃないのでした。
『新エンジン様ごめんなさい』という感じ。
このように負担を掛ければ、それは破壊というカタチで自分に還ってくるのだ。
無理に動いていただく以上、乗り手もそれ以上の対価を払わねばなりません。
走行中、スロットルを戻すたびにカブらせない程度に、わずかにチョークを引いたりします。
まぁ、気休めですけど……
耐えたのはFZR250Rのエンジンが頑丈なのだ……って逝ってる場合じゃないのでした。
現在投入しているオイルも純正エフェロFXだが、多分130℃超えているこの油温だと……500kmは持たないかなぁ。(破壊までやった事は無いですけど、オイルの構造は熱に弱いのです)
冷却能力の高いTCOUをなぜ使わないかというと、ナラシと言うこともありますが普通のオイルで一度パワーチェックして、その後に実験TCO某に入替えてどれだけトルクカーブが変るか見てみたいと思ったのでした。
そのためには、まずこのエンジンで適性と見られる環境を作らねばならないのだ。
常に先端を追い求めるのも大事なのですが、こう言った地味な基礎実験もしないと。
実験しながらオイルを売っている以上、ある部分では皆様と同じ条件に近い方がデータの信憑性が高まるのでした。(今までのもそれほど掛け離れた物じゃないですけど)
今回の新エンジン様は皆様のと同じく、排気量も250ccで鍛造ピストンや狭角バルブなんてやってないもんね。
FZR:「マスター熱いです。またオーバーヒートですわ」
狸穴:「へいへい……休憩ね」
気温も34度だし、用事を済ますのに時間は掛かるがやむをえんのだ。
ということで新エンジンの調教開始です。
約30分毎に30分休憩なのでした。
今日の移動はまるで尺取虫みたいです。
現在ABSOでO/H中のリアショックも、8耐が終わったら再調整しなきゃ……今回はバネレートを9.6から8.1キロに変えたのでした。
FZRx+狸穴 |