Vol.496 ショック 2004-07-15

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 予定では去年のウチに済んでいたはずのリアショックの分解整備が、やっと出来るようになったのだ。

狸穴:「ず〜っとお待たせしていたリアショックの分解整備
    なのだ」
FZR:「やっとですね」
狸穴:「FZRはいつも忙しかったからね……なかなかO/
    Hできなかったのだ」
FZR:「前回整備されてから3万キロも経ちましたわ」
狸穴:「だなぁ。今回はバネレートの変更と共に、ちょっと
    設定も変えるし」
FZR:「オイルはどうするのですか」
狸穴:「ショックのオイルは新型のABSO RSの実験版」
FZR:「どのように変るのですか」
狸穴:「前回入れた物よりも守備範囲が広く熱にも強いから、
    気温の高低にも左右されない」
FZR:「それって、現在普通にわたくしのお店で扱っている
    ABSO RSと変らないのでは」
狸穴:「そうなのだ。ほとんど同じと言って良いかも」
FZR:「どんな風に違うのでですか」
狸穴:「潤滑性能がちょっと強く効いていて、消泡性能がち
    ょっと上がった状態」
FZR:「基本的には皆様のとほとんど変らないのですね」
狸穴:「だね。でも、この効果が良いと出るか悪いと出るか
    は使ってみないと判らないから実験なのだ」
FZR:「実験と言うパートはあるのですね」
狸穴:「んだ。動き過ぎても、ショック動作の芯が捉え難く
    セッティングの際に困る部分もあるのだ」
FZR:「そうですね。ショックの吸収が効き過ぎて、何を踏
    んでいるかすら伝えないと言うのも不安要素となる
    可能性もありますから、ショックのセッティングは
    難しいですね」
狸穴:「そうなのだ、適度な反応も必要」

 何から何まで吸収してしまっては本当にタイヤのグリップ限界に近づいているのに気がつかなかったり、流れている量をコントロールしようとしても判らなかったりで困ることもあるのでした。
 それが伝わる限界点を保ちながら、ワイドレンジ化への限界に挑戦するのでした。
 まぁ、跳ねるほど動きの悪いショックじゃないことは確かなのだが、逆の方面でも問題があったりでショックの設定に”?”が多く出るのも駄目なのでした。
 コレが駄目なら皆様のお使いいただいているRSが正解だし、良かった場合はRSのバージョンをまた一つ上げることが出来るのだ。
 使うショックはFZRxなので、OHLINSなのですが、この部分の動きに関してはデフォルトのショックのリビルドの際や、クワンタム社やWP社やペンスキーやその他リプレイスショックを問わず、筒体とピストンを使う構造である以上は同じ傾向が出るのでした。
 またこのデータは、他のABSO(4輪も含む)にも部分的に反映されたりします。
 要は、絶えず路面にタイヤを安定して押し付けながら大小のショックを吸収し、かつ乗り心地を確保しながらも必要なデータはライダーに伝える、と言うえらく矛盾しながらも細かいコトを探る実験なのでした。
 ついでにFZR以外でもこの実験には参加している車輌がおります。
 FZRでは速度的に対応できない領域があるので、より激しいコーナリングラインを使う999や、ZRX1300にも参加して頂いております。今後04/R1やビューエルやCBR−600RRやGSX−R1000にも実験参加を要請依頼中。
 このようにして開発は進むのでした。
 タイヤもたくさん種類があったり、車重やエンジン特性や最高速度に幅があったり、路面もオフロードから公道からサーキットまでかなり広範囲です。ショックメーカーもたくさんです。
 全部カバーできなきゃABSO RSである意味が無いのだ。

 で、暫時FZRはOHLINSを使う前に使っていた、デフォルトの半抜けなサスを装着。リンク機構の給脂状態も清掃して点検。
 一応シャフトの傷や錆びを点検して漏れも無いコトを確認し、清掃もかねてバネを一旦外してショックをストロークさせて確認した上で、@FRIENDも塗布しました。
 デフォショックのバネをスプリングコンプレッサーを使って外すと、隙間に噛んでいた小石や砂がたくさん出てきました……

FZR:「ゴミ、たくさん出来てましたねェ……」
狸穴:「これはFZRが前に使っていたショックなのだ」
FZR:「あらら……」
狸穴:「唯一調整できるバネのイニシャルナンバーは、普段
    俺一人しか乗らないから最弱の1だ」
FZR:「はい」

 久々のデフォショックで走ってみます。

FZR:「マスター、ハンドル押さえつけてますか?」
狸穴:「いや、荷重は掛けてないよ」
FZR:「イニシャルは際弱なのですが、曲がる時にはもう少
    し多くリアにトラクションを掛けてください」
狸穴:「へい」
FZR:「フロントは、先日O/Hが済んだばかりなので全く
    問題は無いのですが、この古いリアショックだと、
    しっかりトラクションを掛けてないとリアタイヤが
    跳ねてまっすぐ走れませんわ」
狸穴:「サスのパーツが揃うまで、しばらくは我慢なのだ」
FZR:「タイヤの空気圧も合ってません」
狸穴:「だなぁ……やはりデフォサスだと対応レンジ狭いね」
FZR:「わたくしの乗り心地はいかがですか」
狸穴:「疲れる」

 OHLINSとABSOに慣れて、あっしたちは贅沢になっていたのでした。
 タイヤも太くラジアル化されており、アームも鉄材から3MAのアルミ材に変ってるのでデフォショックは反応も遅くなり、対応していないようです。
 封入されているオイルも1988年産そのままで劣化しているし、コストを考えた上で造られた純正サスなので、致し方ないのだ。
 普通に真っ直ぐ走っていてもリアだけタイヤが跳ねてます。
 コントロール不能になるということは無いのですが、曲がる際にもそれなりに色々とこまかい操作が増えました。
 大きなショックがダイレクトに響いてくるので、アスファルトが荒れている所ではリアブレーキの操作がシビアです。
 ……落ち着きの無いFZRになってしまった。わはは。
 バネは硬めでショックが細かく効いておらず、それがリア回りの振動として発生し、車体全体に波及しているのでした。
 ある速度域ではミラーがぶれてる。

狸穴:「間に合うと言えば間に合ってはいるけれど、以前は
    こんな感じだったのだな……」
FZR:「そうでしたね。少しづつ思い出しましたわ」
狸穴:「OHLINSやその他リプレイスサスは、よく『高
    すぎる』と言われているけれど、こうしてみると値
    段以上の価値はあったな」
FZR:「どうもそのようですね。わたくしもマスターの要求
    ラインを少し外しておりますし、多分リアタイヤが
    常に跳ねているのでタイヤの消耗が倍くらい?」
狸穴:「この状態で荷物積みたくないねぇ」
FZR:「はい。積載時は荷崩れしないようにしっかり固定し
    てください」
狸穴:「きちんと使用状況に合わせて調整された、リプレイ
    スサスを使った経験の無い人は全く判らないのだ」
FZR:「コスト以上の結果が出ていたのですね……オートバ
    イ側の意見としても車体に未処理の振動が波及する
    のは辛い部分ですわ」
狸穴:「2倍疲れるということは人車共に言えることだねェ」
FZR:「はい。スピード感も倍感じております。わたくしと
    してはOHLINS等をお薦めいたしますわ」

 何があってもフロントがピタッと安定していても、リアはトラクションを掛けてもある程度路面の荒れた場所や、橋の継ぎ目を行く時など跳ねてアウトに出ようとするので、行く先が微妙にずれその補正に労力が掛かります。
 微妙に踏みたいラインが踏めないのでした。
 スピード感は増えたしラインを補正する回数も増えたので、安全マージンを確保する対策として移動速度を落とす……と言う結果になりました。

 いずれデフォサスもABSO RSuwを使って調整してみるかなぁ。
 普通のOHLINS近くまで性能を上げられるかなぁ……でも難しいかな。
 それだけでも大きく違いそうですね〜

FZRx+狸穴

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