| エンジンにはエンジンオイルが必要とされております。
2st、4st、ロータリーを問わずどんなエンジンでもエンジンオイルは必要とされるのでした。
このエンジンオイルは様々な材料で作られており、用途によりそれぞれ機能が違ったり、製品としてもたくさんの種類が普通に市場で売られております。
日本国では一般的に、車輌メーカーの純正オイルもしくは純正指定オイルが吉ということになっております。
純正オイルはエンジンを開発する時にも用いられ、エンジンは機械的に各々のメーカーの純正オイルで充分動くように開発されております。
大抵の場合、オートバイ・メーカーが指定するこの純正オイルでほとんど間に合います。
一応エンジンに対してはオイルの基準となっております。
海外ではこの純正オイルという考え方はあまり普及しておらず、日本での純正オイルも普通のオイルとして社外品のオイルと一様に評価されます。
純正であると言っても、たまたま石油の元売会社に車輌メーカーからの指定で生産されたオイルというだけの認識。
お客さんは数ある製品の中からオイルを選ぶ時には、自分の経済状態や価値基準に従い色々と悩むわけでした。
でも大抵の場合は、オートバイの要求するオイルとは少し違った考え方を評価していたり……風評とか缶のデザインとか、誰かから聞いた社名もしくは製品名だった……等色々です。
基油の性能とか添加成分の含有量とか、その種類や調合順序とかは調べても厳重に秘匿されているので知りようがありません。
また、成分分析の結果その材料を知ったとしても、作用に関しては物凄く難解で、配合比率や配合方法とその順番に到っては、最新の技術をもってしても解析不能。
製造メーカーしか知り得ないのでした。
却って、間違ったデータが大量に出て来て混乱します。
FZR:「マスターの所に来てから、使用実験ということでわ
たくしも色々なオイルをためしてきましたわ」
狸穴:「合うものもあったり、合わないものもあったり、色
々やったねぇ」
FZR:「はい。始めはカストロール・ブランドの@シントロ
ンをお使いでした」
狸穴:「そうだった。もちろん純正オイルも色々な種類があ
ったし、ホンダさんの純正オイルも使ってみたり
……HD純正の#50なんていうオイルも入れたっ
け」
FZR:「#50は固すぎでしたわ。冷間時はセルを回すのも
重たかったですし、クラッチも繋がらなくなってし
まいました。回転も上がりませんでしたわ」
狸穴:「オイルが固過ぎて、湿式クラッチの隙間からいつま
でたっても切れなかったのだ。ついでに添加成分に
湿式クラッチに合わないものまで入っていたり。熱
が上がっていないのに油膜が弱くてオーバーヒート
したり……」
FZR:「ココでは上手く馴染まなかったオイルのことは書き
ませんでしたね。今まで全部で30種類くらいため
して……粘度は10w−40が平均だったかしら」
狸穴:「各社のオイルの組成とか傾向をココで多く書くと、
データが大きすぎて混乱するからね。多分FZRで
は30製品くらいはためしているはず。合わないも
のは入れてすぐに出したり。一応は予め危険とされ
ている添加成分が入っているものは使わなかったけ
ど、大抵のオイルや添加剤はためしたような気がす
る」
FZR:「入れて5kmくらいしか走らなかったモノもござい
ました」
狸穴:「ドコとは言えないけど……アレとアレは添加剤とし
ては酷かったねぇ……後処理が大変だった」
FZR250のエンジンは排気量も小さく、最高回転数も高く、また各パーツのサイズも小さく……でも大きなエンジンと同じ部品構成だったりします。
熱の発生点の状況は大きなエンジンよりも回転数が高い分、厳しいのでオイルの良否に関しては一番敏感で正確な試験体なのでした。
実験では暖気しないで、いきなり入れたてのオイルで全開なんてこともやってます。
アイドリングしなくなったり、機械音が大きくなったり逆に静かになり過ぎたり、スロットル開けても全然回らなくなったり、大きな負荷を与えていなくてもオーバーヒートしたり……。
性能的に劣ったオイルを入れると、FZR250のエンジンはすぐに反応します。
ある意味、この様式のエンジンはオイルの性能判定に使えるのでした。
そしてIL4/250なエンジンで良データのオイルは、それ以外の大きな排気量のオイルを選ぶ際には大抵の日本製オートバイに合致します。(粘度や使用時間はエンジンにより変りますけど)
日本製はメーカが違っても、各パーツの工作精度や要求クリアランスとか素材の造りが近いのでしょう。
オイル以外にも市販の添加剤も幾つかためしたり、あげく試薬を色々とかき集めて合成して、触媒を作ったりして添加剤を自分で作ってみたり……FZRのエンジンは数々の激しい実験に耐えて来ているのだ。
あっしの方は排ガスを吸いすぎて一時的に声が出なくなったり。わはは。
添加剤製作は散々ためしたあげく、やればやるほど上手く行かなくなって……その頃、使っていたABSOの円陣家至高さんと知り合いました。
オイルの専門家です。
そこでEGAと出会う。
EGAはオイルの性能を傾向を変えず飛躍的に伸ばす添加剤なので、使用オイルを決めている方にはもっとも効果的です。
んで、EGAで満足していれば良かったのに……2stにはWOOなんてエンジンオイルがあったから、WOOを横目で見ながらしつこく『添加剤ではなくて4st用のエンジンオイルを造ってくれ〜』なんて散々な無理難題のワガママをしつこく言って……ついにはTCOUなんて凄いエンジンオイルが出来たり。
当初、TCOUは販売用ではなく、仲間内でレースやハードなツーリングで楽しむエンジン・オイルという位置つけだったのでした。
販売しても法外に高い価格(数万円/Lオーダー)になってしまい現実的ではなかったし、一部の素材は今よりももっと揃え難い状況があったらしいです。
なので市販に到るまでは、精神的な葛藤とか激しい機械的な実験があったのでした。
幾多の実験の結果、添加成分の絶妙なコントロールで天井知らずに性能が伸びるオイルです。
一朝一夕にそのバージョンを刻んできた訳ではないのだ。
表題の『油膜』はエンジンにとっては一番重要なオイルの性能です。
この油膜の状態によって、設計時に想定された最大性能が出せるかどうかが決まります。
エンジン製作に関しても、パーツを作る際に工作精度と言う部分がからんできますが、これらの精度をど〜んなに向上させても機械的には揃えられる限界点があるわけで、その精度以上の部分を受け持つのがオイルの仕事です。
油膜のせん断強度や厚みや流動性や極圧性は、最終的にエンジンの生存に関わる部分なのでした。
FZRxに乗る以上、『あっしには関わりのねェこって……ごめんなすって』と言うわけにいかない油膜なのでした。
理想的な油膜はフリクションが無く流動性に富み、排熱に強く、水分にも強く、せん断に強く、緩衝性能等も保持していること。
軽く動いてタフであることが要求されます。
オイルの作動状況は矛盾する部分の塊です。
これらを基油(ベースオイル)や、各種添加剤や、その触媒の配合比率を最大限に理想的な形とし、材料を厳選したあげくに出来たTCOUの強力な油膜なのでした。
性能が上がり、良く回るようになれば、今度はレブリミッターの効かない車種では機械的に限界を超えて回ろうとする時(シフトダウウン時や後輪が浮いた時など)もあるので、変速時などの操作技術は当然ライダーにも高度なものを要求します。
負荷的にはオイルは全然もつのですが、機械がもたないのでした。
頻繁にエンジンをオーバーレブさせるような人には扱いきれないほどの性能を持っています。
その反面、低・中回転域も有効に使えるようになるので、回転全域を有効に使って走る人には、より効果的です。
最新の高出力エンジンとその辺は同じ傾向です。
ライダーも乗り方が変りますので、合わせて進化してください。
機械の限界を超えて回すだけが能じゃないのだ。
限界を守れないのは……ヘタかも。
FZR:「特に高回転域でのシフトミスは、わたくしたちにと
っては壊滅的な状況を招き寄せますわ」
狸穴:「その瞬間は耐えても、数時間後になんでもないとき
に壊れたりするもんね」
FZR:「エンジンには機械的なレッドゾーンというものがあ
ります。それを超えて回された場合どのようなオイ
ルを使って頂いても、機械的に解決されていない場
合はもちませんわ」
狸穴:「FZRxの場合は、そのあたりコンロッドやピスト
ンのピン位置のオフセットやピストン自体の形状と、
材質を変えて対応したっけ……」
FZR:「はい。どのようなエンジンをお使いの方でも限界点
の設定を機械的に変更されていない場合は、超えな
い方がよろしいかと思いますわ」
狸穴:「それよりも、低中回転域が充分使えるようになった
ことの方が有効だった」
FZR:「ですわ。マスターが普段お使いになる回転数は、7
000rpm以内ですものね」
狸穴:「出来れば回転全域を全て使って走れればなおよいの
だけど、普段は7000rpm以内で交通の流れ的
には充分なのだ。高速道路で7000rpm〜16
000rpm、200km/hを超え続ける必要も
無いし、18000rpmを超える時はあまり無い
かも。本能に任せて走るより、賢く走った方が得る
ものが多いもんな」
FZR:「はい。わたくしはストレス発散の対象マシンではご
ざいませんので、よく御理解を頂ける賢い方が好き
ですわ」
FZRx+狸穴
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