Vol.482 隙間 2004-05-28

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 オートバイの各部には、所々決まったクリアランスがあります。
 ブレーキキャリパー本体とキャリパーピストンの間とか、ピストンリングの合口隙間とか、カムシャフトとリフタ−の間とか。
 この隙間は必要があってあるのでした。

FZR:「わたくしのエンジンの隙間もたくさんありますわ」
狸穴:「そうだねぇ……最近ちょっと大きくなってきたとか」
FZR:「少しは大きくなりはじめておりますが……でもまだ
    許容範囲ですわ」
狸穴:「そか。まだ動いているもんな」
FZR:「はい。でも何で隙間は大きくなってしまうのでしょ
    うか」
狸穴:「使えば減るのだ」
FZR:「働き過ぎかしら……」

 他にはピストンとシリンダーの所のクリアランスとか、クランクシャフトにはケース側のメタルとコンロッド側のメタルのクリアランス、カムも軸受けとの間に隙間があります。
 適当な隙間がないと、動く箇所は動かなくなってしまうのでした。
 ホイールの軸受けベアリングの中にもクリアランスはあります。
 少なすぎると抵抗になるし、大きすぎてもガタとなり抵抗になります。

 その隙間を利用して埋めながら滑らせるのがオイルやグリスでした。
 エンジンの中の状況だけでも色々な意味や機能の隙間があります。
 ミッションはベアリング軸受けですので転がり軸受け用の潤滑ですが、クランクシャフトやピストンシリンダー間は滑り潤滑です。
 クランクシャフトやカムシャフトやミッション・シャフトは、芯が出ているコトを要求され、それを受けるケース側もそれらを収めながら稼働させるのに必要な隙間を作れるような位置関係と精度を要求されます。

 熱が発生すれば各部品は熱膨張し、この隙間(クリアランス)を使って許容します。
 これらの隙間には当然オイルを流しながら、潤滑・清掃・排熱等々します。
 なのでオイルを馬鹿に出来ないのでした。
 時代が新しくなり性能が良くなればなるほど出力も平行して上がり、オイルに要求されるスペックは高くなる一方なのでした。

 で、単に熱による歪み分をカム軸面を基準にして軽く再面研で浚うだけだった、こきち氏からお預かりしたFZR250Rのヘッドとシリンダーがなんと……FZRの所に来ることになってしまいました。
 なので腰下もついでに頂けるとか……。
 予算の関係もあり、偶然他に程度の良いエンジンコンプリートが見つかったとか。
 #2シリンダーのスリーブは長期放置の末に水分が発生し、錆びにやられているからブロックを手配せねば……

 あ、あっしがこきちさんに『クレ〜クレ〜』と言ったわけではございません。

 で、仕様はどうしたら良いのか……。
 現エンジンと同じ仕様にするのか……?(物凄く大変だし、当時と違いお金は無いので却下)
 リビルドが済んだばかりの、中身は新品な第一予備エンジンの処遇はどうなるのか。
 何なら……現搭載のエンジンも合わせて、エンジン三丁掛けでFZR774x 並列12気筒48バルブ/6カム/3ミッション仕様!!(ちょっとデブった)
 Oh!! ……no〜
 ってな事態にFZRxは……なってしまいます。
 軽量化を達成するために、各エンジンコンプリートは相互にホットボンド樹脂で固めて……フレームは無し。

FZR:「……マスター。お楽しみのところ申し訳ございませ
    んが」
狸穴:「……へい」
FZR:「わたくしはそんなにたくさんのエンジンを必要とし
    ておりません。嫁にも行きませんから、嫁入り道具
    も必要ないかと」
狸穴:「ヘイ」
FZR:「それに現エンジンも、いたって元気ですわ」
狸穴:「んじゃ、予備1、2のエンジンは通常空間ではなく
    虚数空間で稼働させるか」
FZR:「どうなさるのですか」
狸穴:「助かる半分、困ったねェ……どこかからマジェ12
    5とかSRX250エンジンレスでも連れて来て、
    OFF脚組んで無理矢理積んでみるか」
FZR:「……」

 現エンジンも普通に街を移動するだけならば問題無く元気だし、今回のエンジン様はクランクシャフトの芯出しとパッキン類の全交換が済んだら、CPOを塗って防錆処理だけして、すぐに組んでいずれ出番がくるまで収納場所を確保しよう。
 CPOは赤く錆びた所にも浸透して、黒錆びに改質したりアルミの肌が粉を吹く錆びも、ある程度の時間と塗り続けていれば、痛んだ表面を保護・改質してくれるのでした。

 いつの間にかFZRも《秋水號》同様に、複数予備エンジン持ちになってしまいました……。
 まぁ、生鮮食料品でもないし置いておいても良いのだ。
 3LN1からは高回転時の耐久性能を得るため、コンロッドが2ミリ長くなりピストンも薄くなって計量化が進み熱伝導も良く、更にはクランクからピストン裏面に対してのオイルシャワーによる冷却チャンネルも追加装備されているのだ。
 カムもタイミングが変更されて速くなっており、オーバーラップも3HXまでよりも大きかったはず。
 なので、キャブと乙女回路は新たに設定しなおさねばならなくなるが、設定する前に今の速い側のプログラムで対応できれば、そのままでも良いわけだし。
 燃料高騰の折、このエンジンを超低温燃焼型環境優先実験エンジン仕様に仕立てても良いか……(ホントはビッグシングルで使いたかった技術なのだが……えらいことになりそうです。各国の黒服のおじさんたちも来そうです)
 排気温度は現状の半分で、都内移動の燃費が45km/Lだとイイなぁ。
 燃焼温度が低いと一部排出物質の削減も大変かな。

 でもこうなると……あっしはFZRxにあと20万キロ近く乗らねばならんのだろうか。
 元々FZRのエンジン様は頑丈だもんね。

狸穴:「いずれにせよ、エンジンが複数あるということは悪
    いことではないのだ。現用エンジンが元気なのです
    ぐに積み替えなくても済むし、その間に色々仕込め
    る」
FZR:「……贅沢をし過ぎな気がしますわ」
狸穴:「んじゃ、いつか余ったエンジンのためにオメガフレ
    ームとフロント周りのハブステアを造ってちゃんと
    動く2WD機構も考えるか」
FZR:「ですね。そちらの車体はマスターのお好きなように
    ……」

 本日はちょっと想定外のことが起き、FZRと揉めてしまいました。
 ……FZRにも色々と主張があるのかも。(たぶん外装関係かな……)

FZRx+狸穴

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