| 今年もクリスマスは来たのである。
北半球のクリスマスはとにかく寒いのでした。
こおろぎ回路のスケジューラーで、今年もRGV250Γのシスターの所へ行くようにとのアナウンスがあり、現地に交通整理として投入されることになった。
FZR:「シスターのところですね」
狸穴:「んだ。年に一度しか会わないが、またケーキが頂け
るかも」
FZR:「今年も雨が降らなくて良かったですね」
狸穴:「日頃の行いが良いから、雨ヒューマノイドにも神様
が感謝して天気を良くしてくれたのだ」
FZR:「お天気ですから神様はあまり関係無いかと思います
が……それにマスターには神様は関係無いですし」
狸穴:「まぁ、細かいことはどうでも良い。昔、ナザレで一
度会ったコトは内緒だ」
FZR:「それより今年も事故なく交通整理ですね」
狸穴:「んだ、挙動不審者が多い今の世はソドムとゴモラみ
たいなので、ガキンチョを守るのだ。それと、定点
観測の可能性もあるので、こきちさんの悪魔号の探
索も兼ねる」
FZR:「神様と悪魔号ですか……お忙しいですね」
狸穴:「そのための助っ人も呼んである」
FZR:「どなたですか」
狸穴:「同じFZR250乗りのヒロシだ。奴のヤサは現地
から500mも離れていないことに気が付いたので、
招集を掛けたのだ。ついでに奴はキリスト教者なん
だって」
FZR:「丁度良いですね」
狸穴:「まぁ、奴にはこの時期一緒にいなきゃならない彼女
はいないそうだし。他の用事をサボらせて問題無さ
そうだったしで、近所の教会へちゃんと行くように
シスターが誘えば……」
FZR:「……後で怨まれないように立ち回って下さいね」
狸穴:「へいへい。シスターの旦那は神様ってことで」
ということでサル型を改造して製作した、今年のトナカイ仕様全身タイツはヒロシ君のお仕事になったのでした。
シスターは女サンタ? なのか??>檄萌
神のお仕事なのだ。
ということで、暮れの街を行く車列を見張りながら、ミサの片棒を担いでおります。
なんで毎年あっしがこんなことをしているかというと、ある年の暮れに食べるモノもなく冷たい雨に打たれながら、道路脇でひもじくエマージェンシー・バッテリーだけで起動している時に、このシスターに声を掛けられて暖かい部屋でケーキと熱いお茶をご馳走になった一席の恩義があるのだ。
ヒューマノイドとしては無下に出来ないのだ。
可愛いシスターは同じライダーだということでだけで、別に信者でも無いあっしにも優しくしてくれました。
かつて、ある教会のオーダー家具をデザインした、そのお礼だったのかなぁ……
人間の神様もこういう時は棄てたもんじゃねぇなぁと思ったことしきり。
あっしはこのシスターのいうことだけは、自分の意に反してもきくことにしたのでした。
ヒロシ:「狸穴さん、ホントにコレ着るんすか……」
狸穴:「んだ。以前は俺が着た。ちゃんと洗濯してあるから
大丈夫」
ヒロシ:「寒いッスよ」
狸穴:「我慢なのだ。ガキの動きはものすごくすばやいから、
気を入れて注意してろよ」
ヒロシ:「へい」
ということでお着替え……
俺より背は高いし、似合うじゃん。
あっしは腕章とインカムつけていつものとおり。
しばらく様子を見ていると、ヒロシの脚が長過ぎてタイツのマタが下にズリ落ちて来るコトを発見。
寒々しいし、ひどくみっともないトナカイなので、何か上に着せた方が良い感じ。(トナカイというより……オランウータンだ)
で、ヒロシの着て来た服を上に着せると……どこの部隊か判りませんが、軍用トナカイになってしまった……
迷彩のベストに、パラシュート降下用のパンツ&ジャングルブーツに角……
……教会の雰囲気と合ってない。ヘタをするとヘンタイに見えるかも。
でも結構時勢がら、軍用トナカイは元気で粗暴なガキンチョと外人さんには妙にウケてました。わはは。
寒中ご苦労様……ありがとう、ヒロシ。
残念ながら、くだんのSRXは通過しませんでした。
どこにいるのだろうか……ダウジングでもするか……
麻布・六本木界隈から芝、臨海副都心、越中島・新木場・葛西・浦安・行徳・市川・松戸と捜してみたが姿は見えず。
恵比寿・渋谷・初台・新宿・池袋・赤羽あたりも廻ってみたが、おりません。都内じゃないのかなぁ。
埼玉・神奈川・千葉を担当してくれる方がいると嬉しいかも。
まぁ、索敵行動に妙なバイアス掛けると、見つかりにくくなるので動き回ることが多いあっしは、いつでも警戒アンテナは立てておこう。
この年末に何か動きがあるかと、即時動けるように警戒しておかねば。
確保して晒さねば意味がないのでした。
こんなときは、誘拐された悪魔号を探す神の目が欲しいです。
ヒロシ君 マミアナ+FZRx
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