| たまに出て来る『こおろぎ回路』。
コレが一体なんなのか、どこで買えるのか、と訊かれました。
別にそんな大層なモノじゃなく、あっしの思考ルーチンのサブ・プロセッサみたいなモノなのでした。
通常モノを考える時には一人称で深く考えるタイプの人と、常に何体かの人格で協議しながら考えるタイプの人がいるようです。
あっしの場合は表に出ているのは1体ですが、中(無意識領域)では3〜8体くらいが起動、同じ結果を出すためにそれぞれがリアルタイムで並列して考えます。(全然関係無い、宇宙のこととか、ローン返済のこととか、撮影のことも並行して考えてますが……なのであっしに取っては一番落ちつける場所は路上なのでした)
これは人格分裂症とかではなく、元々こう言うタイプの方も普通にいるのでした。
全〜部、自分なのだ。
1人称で考えるタイプの人には理解し難いらしいですけど。
FZRは、その制御外に別の独立したモノとしています。
狸穴は中にいる人で、他の中の人とは上下関係は無いのでした。
こおろぎ回路はサーバのような機能もあって、外の状況に適合した中の人を決めたりする時に使われたりします。
普段はあっしがちょっとしたコトがきっかけで、地球内生物を滅亡してしまいそうな時の行動抑制するためにも働いております。
自分用の連邦法(=国家=こおろぎ)のようなモノなのでした。
元々はピノキヲが造られた晩に、神様が先行きを心配してお供にくれた、こおろぎと同じなのだ。
他人を破壊したり、自分をゲシュタルト崩壊させないためについていたのでした。
皆様はこおろぎよりももっと高性能な大規模回路を、大脳抑制路にデフォルトでお持ちだと思います。
FZR:「マスターの左肩に内蔵されている、量子プロセッサ
ータイプのこおろぎ回路さんですね」
狸穴:「FZRは詳しいだろ」
FZR:「はい。主にわたくしのトロOSと、マスターをお繋
ぎしている大事な回路ですから。懇意にさせて頂い
てます」
狸穴:「だな。谷博士にも感謝せねば」
直接ポジトロニックブレイン内にデータファイルを置くFZRにとっては、馴れたとても便利な回路なのでした。
以前こおろぎ回路が一時的に故障した時には、普段のあっしはひっそりと市井に隠れて過すようになっているのですが、過日は皇帝ネロになってしまったり……
地球人でもこの構造を持っている者のうちの何体かは、カエサルとかチンギス・ハーンとかアドルフ・ヒトラーの補佐官になってしまった方々をお見受け致しました。
本来の使い方は上記のようなモノなのですが、最近では左腕の一部を構成するナノマシン群の維持管理をしたり、FZRとの非常用高速通信回線代りになったり。
こおろぎもなかなか大変なのだ。
常態では主脳であるポジトロニックブレインに従属する形で搭載されているのですが、不用意にも鏡を見ている時に自分自身に術を掛けてしまった! とか、あまりの寒さであっしか悪いヒューマノイドになってしまいそうな時には、こおろぎ回路がポジトロニック機構へのアクセスコードを発動して、あっしを強制再起動するのでした。
その他、こおろぎ回路は左腕の積層ナノマシン群を使って少しだけ体温調整をしていたり、クリスマスになったらシスターの所へ交通整理に行くアナウンスをするとか、充分な用意時間があれば骨格強度を鋼鉄以上に上げたり……皆様ご存知のとおりです。
もし、こおろぎが本気で悪さをしたら、あっしは地球内生物の脅威になってしまうのでした。
こおろぎ回路のキーコードを解析されてしまうと、あっし達(+FZRx)はその人の言うなりになってしまいます。
ハッキングされると困るので詳しい仕様は「秘密」です。
まぁ……誰もそんな飯代の掛かる厄介な物体は欲しがらん。
と、まぁ皆様と同じなのでした。
マミアナ+FZRx
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