Vol.435 ステップ 2003-12-04

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 FZRのステップは以前から壊れていたのでした。
 左側は可倒式の戻しバネが折れて、ステップが上がったまま自力で降りない。
 右側は以前箱根の山道で調子こいて擦った際に、先20ミリほどが折れてしまった。
 普段はステップの根元しか踏んでいないので先の方は折れていても関係無いが、見た目上は転倒したみたいでちょっとカッコ悪かった。
 が自分に対するいましめのためにそのままにしておいたのだ。(その後は擦っておりません)
 でも、左右のステップ上に張りつけられているゴムも減って来て、そろそろ交換する時期に達してたり……それだけFZRはこんなヒューマノイドのあっしに仕えて来たのだ。
 ちょっと報いてやらねば……と思い、しばらく前に某オークションで程度の良さそうな中古品を落札。
 ホントは新品パーツを買おうと思っていたのだが、なんだかステップだけ新しいってのもちょっと変だし。
 キレイに保たれている当時モノ(オリジナル)が良かった。
 どこかの星域の領有権を主張しているほど裕福じゃないし、このくらいが丁度良いのだ。
 社外のバックステップと言う選択もあったのですが、デフォルトのステプ位置は何をするにも絶妙な位置にあり、FZRの重心位置からもこれ以上の配置は無いのでした。

FZR:「わたくしのステップですね」
狸穴:「んだ。ほとんど傷んではいないし中古でイイだろ」
FZR:「はい。充分です」
狸穴:「ゴムも今のよりは全然減っていないし、シフトペダ
    ルやブレーキペダルの受け軸面も荒れていない」
FZR:「……高かったですか」
狸穴:「大丈夫、出品者は京都の親切なオートバイ屋さんで、
    安く出してくれた」
FZR:「バネも折れていないし、減っていないですね〜」
狸穴:「ちょっと早めだが、普段から頑張ってくれているF
    ZRへのクリスマスのプレゼントだ」
FZR:「ありがとうございます。いつ交換するのですか」
狸穴:「せっかくだから、すぐに交換するか。飾っておいて
    も役に立たないし」
FZR:「はい」

 と言うことで、サッサと交換することになったのでした。
 このステップを交換する際、毎度厄介なのは、ステップを裏側からステップホルダーに締結しているボルトはロックタイトをネジ山に多目に塗られているので、固くて抜け難いのでした。
 ステップは踏まれたり擦りつけられたり操作されたりの振動で簡単に緩んじゃ困るし、普段から頻繁に脱着するパーツでもないので、取付ボルトをしっかり固着させているってのは判るけど。
 ホルダーごとソックリ外して、ボルトを火で適当に熱してネジ山に塗られているロックタイトを緩ませてから抜きにかかります。
 冷えたままだと、たまにボルトの六角穴が傷むのでした。
 火で暖める所はボルトの頭。
 ステップホルダーに熱が行かないように少し注意しながら……ちょっとだけ暖めます。
 ロックタイトが熱で緩めば、比較的簡単にボルトは抜けるのでした。
 この部分のロックタイトは、リアスプロケットのハブに捩じ込まれているスプロケットを支持している6本のスタットボルトにも、同じロックタイトで固定されております。
 抜く時にはチョイ苦労なのだ。
 暖めれば厄介なことはないのだが、冷えた状態で無理矢理回すと、凄く硬い硬度のボルトでも捻じれて切れることだってあるのでした。
 作業をする方は火の管理と火傷に気をつけて……

FZR:「抜けましたか」
狸穴:「片方はね。周りに色々と部品がついていて熱が逃げ
    るの早いから、ちょと作業スピードが要るかも」
FZR:「お手数掛けます」
狸穴:「ステップホルダーも90000km走ってかなり汚
    れているし……そのうち前後左右ともホルダーをブ
    ラストして、アルマイトで仕上げておくか……」
FZR:「そうなるとキレイに見えますね」
狸穴:「んじゃ、次回外す時にこんなに苦労しないでも外れ
    るように、ちょっと柔らかめのロックタイトで留め
    ておこう」
FZR:「ロックタイトは種類があるのですか」
狸穴:「大別して3種類あるよ。強固・並・脱落防止程度か
    な」
FZR:「便利ですね」
狸穴:「でも、便利だからと言ってどこにでも塗りまくれば
    イイって訳じゃない」
FZR:「必要な所だけですか」
狸穴:「んだ。高熱の来る所は溶けちまうからダメだ」
FZR:「コンロッドの大端部とか、排気ポート脇のスタット
    ボルトとかはダメですね」
狸穴:「んだ」
FZR:「その辺は特にトルク管理を要求する所です」
狸穴:「そこだけじゃないけどね。全部のネジ部はトルク管
    理がされていないと駄目なのだ」
FZR:「大変ですね」
狸穴:「分解可能な構造のキャリパーを合せているボルトと
    か、4輪などではブレーキディスクの取付ボルトも
    毎回新品を要求する車種もある」
FZR:「お金掛かりますね……」
狸穴:「そう言うボルトは高いからなぁ」

 ネジの精度はその国やメーカーの工業製品生産レベルの基礎なのだ。
 最近多く見られるコピー・オートバイも、外観はよく似ているけどバラしてみると真っ直ぐ入っていないネジ穴があったりするらしい……
 ショックアブソーバー自体も、全然車体を安定させてくれない精度の甘いモノだったり、取付位置を決めるアイエンドが若干ズレて溶着されていたり。
 エライことです。
 走っていて急に訳の判らない動き方をしてハイサイド起きたり、部品が脱落したり……シリンダーやヘッドを締結している太いボルトが折れて、熱変形でヘッドが反って浮き上がってしまったり……
 焼きついて止まったとか以前の問題です。
 そのようなことがない日本のネジの精度は、物凄く高いのでした。
 ネジも理由があって、ピッチとかネジ径とか長さや深さ使用本数が決まっているのでした。

FZR:「でもマスター、わたくしの車体の中で1本だけ抜け
    ているボルトがありますが……」
狸穴:「前スプロケットカバーのチェーンを跨いでいる箇所
    だろ」
FZR:「はい」
狸穴:「そこはイイのだ。以前チェーンのメンテが全くされて
    いないFZR250のお客さんのチェーンが破断して、
    前スプロケットのチェーンルームで絡まった時に、そ
    このボルトが入っていたためにクランクケースを大き
    く叩き割った、ということがあったのだ」
FZR:「ボルトが入っていなければ、そうならなかったのです
    か」
狸穴:「そりゃ、そうなったことがないからどうなるか判ら
    ないが……そこにはそれほど大きな力は掛らないか
    ら、無くても大丈夫だと思って外してあるのだ」
FZR:「なんだかちょっと間抜けな感じがしませんか」
狸穴:「気になる?」
FZR:「……ちょっと」
狸穴:「んじゃ……そのうちカッコ良さそうな蓋でもつける
    か」
FZR:「はい」
狸穴:「その前に、ステップ復元せな」

 復元しました。
 で、新しいステップでちょっと走ってみます。
 ゴムが厚くなった分、ペダルの位置を変え……まぁこの程度ならこのままでも慣れるかなぁ。
 ヒューマノイドの脚は順応力が勝負なのだ。
 各ペダルの動きもガタが減り、位置が決まって良い感じです。
 ついでに、クランクケースから出ているシフトシャフトを受けている部分にも給脂。
 ヤマハ車のこの部分を定期的に清掃・潤滑すると、シフトのタッチが結構良くなったりするのでした。
 メンテナンスなのだ。
 以前コレをやったお客さんから「……ミッション、バラしただろう〜正直に言ってみ」とか言われたり。
 面白いですね、妄想し過ぎだよ。
 実際にミッションやクラッチハウジングをバラしてそれなりのことをして、オイルを選んで組み戻すとも〜っと凄いことになりますが。
 さすがに新車から間もないオートバイを、そこまでやっても良いと言ってくれたお客さんは、年に3人くらいしかおりませんでした。
 エンジン出力をいじって乗り難くするよりも、こっちの方がウケました。

FZR:「マスター、わたくしのミッションは」
狸穴:「FZRのミッションは、再生する時に軸受のベアリ
    ングと減って錆びて壊れていた2速とその次の3速
    だけ。減速比は部品代が高くなるからそのまま。で
    も今はこの比率が一番良かったと認識」
FZR:「ですか」
狸穴:「たまにスロットルを大きく開けると2、3速は良く
    延びるだろ」
FZR:「ですね、ヒィ〜ンって言ってます」
狸穴:「ギアってのは大抵は丸いんだよ、平たいのや偏心し
    ているのもあるけど」
FZR:「……ギザギザしてますが」
狸穴:「歯はギザギザしていても中は丸いのだ」
FZR:「なるほど……ですね」
狸穴:「力は当ればロスになるけど、丸っと流せば良く伝わ
    るのだ。当たって良い角度は180度の時だけ」
FZR:「難しいですね……ケースの大きさとかの都合にもよ
    りますわ。受ける力という要素もあります」
狸穴:「だから、良いエンジンオイルが必要になるので難し
    いのだ。体術の受けと流しにちょっと似てるかなぁ、
    なるべく受けない方が良いのだが」
FZR:「ふ〜ん」(現在2%しか作業領域を与えられていな
    いので難しく感じます)
狸穴:「FZRのギアは薄くて丈夫な細かい歯がついていて、
    ひゅ〜んと鳴っている。時間を掛けて想像して下さ
    い〜」
FZR:「はい」

 歯面の形や必要ラッシュの精度や焼きの入り方も要素です。
 狙ったものなのかどうかは判りませんが、FZRの一次側のラッシュ量とミッション・ギアのラッシュ量を振動数としてみると、コレがまた減り難い具合になっていたり、良く出来ている……今の新車もそうなのかなぁ……だとイイなぁ。
 日本のオートバイのミッションは良く出来ているのだ。
 ただ、シフトタッチとかの問題はあるけど……コストとそこは後天的には難しい。
 工作精度や仕組みや材料を、技術やコストと言う分母の上で精度を限界まで上げても追付かない部分があるので、エンジン・オイルを選ぶのでした。
 FZRのギアはタフで良いモノを使っているのだ。(暖機も禄にしないで乱暴に扱う奴もいるけどね)
 ちょっと判り難い書き方になってしまいました。
 文章力が全然無くて済みません。(鳴

マミアナ+FZRx

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