| 新潟・甲府と走ることになった。
寒いのである。
でもお仕事じゃ致し方ない。
日程的にもつまっているのだが、頑張るしかないのでした。
新潟の方は2年に1度くらいのペースで行っているお仕事。
食器の撮影なのでした。以前は大量に撮影したが……
主な機材はすでに送り出してあるので、シートフイルムと若干の機材を積んで行きます。
食器なのでテーブル・フォト。
実際には天板しか使わないので、撮影に耐えるテーブルは要らないのですが、撮影に合う染料を使ったテーブル・クロスはたくさん(実際に使うのは2枚位かな……)送り込みました。
コレも映材で自前なのだ……シワがあってはみっともないのでアイロンも。小さな鏡もたくさん使います。
あっしのお仕事も大変でしょ〜。
でも撮影点数は8点しかないのだ、御時勢デスねぇ……不況なのだ。
まぁ、仕事の話をココでしてもしょうがないか。
FZRだとちょっと距離あるかなぁ。
普段だと現地のアシスタントさんが付いてくれるのだが、今回は予算の都合上ダメとのこと。
で、移動もFZR、機材は宅配便になったのでした。
8点だったら、アジトにモノを送りつけてくれた方がありがたかった……かも。
FZR:「マスターのご自宅のテーブルは、大変なことになっ
てますが」
狸穴:「わはは。現状じゃ作業・工作台とか物置台だな。実
際にFZRのパーツをハンダつけしたりしてるしね」
FZR:「本来は食卓ですし、もう少しアジトはキレイに保た
れた方が良いと思いますわ」
狸穴:「へいへい」
山梨の方は、FXR改(まだ名称はない)の打ち合わせ&図面の確認。
造形優先なので、ほとんどフレームを造り換える。
デザインを保ったまま、FXR改が『普通に走る』ようにするために、色々やらねばならない設計行程があるのでした。
激しく仕様が変るのでデザインと設計の葛藤です。(映画仕様なのだ……)
丸ごと一台オートバイを造るよりも大変。
FXR改も《弐號》も、普通の『形』の乗物ではないので、それらを普通に走るようにするためには、ネックの荷重計算やキャスターとトレールの設計に及ぶ部分が大変なのだ。
変更するパーツは全部で大体180点。
FXR改は、ある意味では公道を普通に走れるオリジナルのオートバイなのだ。
でも、予算の件もあるので何台もたくさん試作して実験して……と言う訳にも行かないのでした。
相場としては……400〜500と言ったところかなぁ。
一応このテの作業だと予算の上限は設けられておりませんが、強く意識はします。
間違えた場合は自腹なのだ。
フレームに関しては番号が打刻されているので、どこかで間違えたらその車両は使えなくなるので薄氷を踏む思いです。
《秋水》も《GX》もご同様でしたが、まだ修整が利く範囲だった。
(ある面ではさらに制約が大きいので見せない箇所では、我慢と新仕組みを要する厄介な部分はありましたっけ)
FZR:「わたくしは?」
狸穴:「FZRの場合は……始める前からフレームの図面と
かパーツのデータは揃っていたし、排気量や重量も
それ程大きくないから助かった」
FZR:「わたくしのエンジン様は、それ程大きな力を出しま
せんものね」
狸穴:「それに多少間違っていても乗るのは俺だし、後から
修整はいくらでも効くのだ。難しかったのは、ラジ
アル・タイヤに変わった脚回りかな」
FZR:「タイヤとフレームの特性に前後の脚を合わせたので
すよね」
狸穴:「んだ。そのままホイールとタイヤだけをポンと換え
ても、危険で乗り難くなっただけだったと思うよ」
FZR:「車体のバランスが大きく変ると大変ですモノね」
狸穴:「そそ。何かが変れば『普通に走る』ということは大
変なのだ」
タイヤのサイズとか構造が変るということは、支持荷重設定やダンパーの作動タイミングとか、支点や作用点が全部変わってしまうので、¥事程次第に大変な影響があるのでした。
左右で曲り方が違うと辛いし、深くバンクしたらハイサイドが起きたら危ないのだ。
酷いものはブレーキ掛けたら跳ねたとか……
どのような状況でも、バランス良く安定させるのは結構大変なのでした。
ついでにスイングアーム自体の剛性も上がっているから、タイヤから車体に発せられる入力は強くなるのでした。
それを程良く逃がしながら受けとめて伝えたり。
色々〜やったのだ。
元のFZR250の設計がしっかりしていたから出来たのですが。
日本のオートバイは、ある程度パーツの変更を受け入れるように造られているけれど、ドカ等だと大変かなぁ。
FZR:「で、コレから新潟ですね」
狸穴:「んだ。1泊の仕事だ」
FZR:「風邪、大丈夫ですか」
狸穴:「熱は下がったが、まだちょっと風邪は残ってるかな
ぁ」
FZR:「では早目に出発して、暖かい昼のうちにゆっくり行
きましょう」
狸穴:「応〜」
ということで関越自動車道を北上。
北関東にさし掛かる藤岡あたりからは、暖かいと言われる昼でも寒かったです。
東京の冬の昼間な感じです。
今回の日曜日には選挙があるので、あまり遊びにでる車も少ないらしく、道は空いてました。
あっしは不在者投票でした。
途中、赤城高原SAのPにて持参したおにぎりを頂く。
一応、減量中なので高熱量な外食は可能な限り控えます。
気のせいかお肌も落着き、身体が楽になって来た。
普段は食堂で豚汁定食……今日は天気も良いので外です。
FZR:「美味しいですか」
狸穴:「美味いよ〜」
FZR:「今日の具は何ですか」
狸穴:「アジを焼いたモノなのだ。それと芝漬け」
FZR:「あとでわたくしにも、給油して下さいね」
狸穴:「あ、そろそろリザーブに入るな」
FZR:「はい」
FZRにもガソリンを入れて、再スタート。早目に到着しておかないと寒くなります。
明日の撮影時に、手持ちじゃないけれど疲労で手元が震えていると困るので、速度は上げられません。
途中またSAに寄ってガソリンと最後のおにぎりをチャージしました。
で、新潟県の三条燕に到着。
担当者への挨拶と、明日の撮影に使う食器と撮影機材の最終確認をして今日はお終い。
そこからまた少し走って、撮影地は新潟駅の方なので新潟駅前のアジトにチェックインです。
FZRを駐車場に入れて、ざっと拭きます。
さすがにココまで来るのは小さなFZRだと辛かった……FJR1300だったら楽だったなぁ。
次の日は電源が取れる部屋の一角にて、とっとと撮影を済ませて、機材を耐衝撃トランクにパッキングして運送会社に電話して終了。
でも、また夜になってしまったので、山梨行きは明日に延ばします。
途中雨が降るかも知れないし。
宿に追加で1泊。
その分の予算は自分持ち……でもクライアントさんのご厚意で出してくれました。
仕事で疲れたので、すぐに寝ました。
翌朝6時に目が覚めたので、そのまま出発。
FZRは無事にPにて待機しておりました。
高速道路を長距離走って来ていたので、調子は良いです。
たまにこうしてある一定の時間高速道路を走ると、オートバイの調子は良くなります。
燃焼がうまく行っているので、普段よりクランクが軽い感じ。
FZR:「おはようございます。マスター」
狸穴:「へい。良く休めたようで」
FZR:「たまに高速道路を走って頂けると、排気バルブ回り
のカーボンも取れますので、良い感じです」
狸穴:「そりゃ良かった。で、今日はこれから山梨だ」
FZR:「はい」
一気に藤岡まで戻って、今度は長野道に入ります。
真っ直ぐ行ってしまうと都内まで戻ってしまうのだ。
で、下仁田インターで降りました。
高速道路だと速度が乗っているので……檄寒いです。体感温度−25℃って感じ。
指が痛いです。
新しいグローブを持って来れば良かった……
でも、新潟からだと下仁田まで近いのだな。
このあたりはかつては山間(やまあい)の宿場町でした。
佐久までの間は結構な峠道。
FZRでこんなにたくさん峠道を走るのは初めてかな?
狸穴:「道は空いてるねぇ」
FZR:「はい。でも曲がる所もたくさんありますね」
狸穴:「楽しいかも」
ちょっと遊んでみます。
時々大きなバスが車線を割って走って来ますので、ちょっと注意。
前後のタイヤの流れ方は、スロットルと外脚の動きで制御出来るので安定してます。
FZRの出力じゃパワーオーバーステアに持ち込み難いですけど、過度に滑らずギャップも上手く吸収しているので、振られるようなこともないです。
基本的には都内の走り方と同じで、出した速度は落さない。無駄に速度を上げなければ、大抵のコーナーは2パターンくらいの曲率しか無いので、先が見えなくても焦ることも無いのだ。スイスイ〜(でも本当はこの重量のままで、500ccくらいの出力欲しいですが……)
佐久から今度は南下です。
途中臼田という所を過ぎたあたりで、蕎麦をいただきました。
トラックがいる所のご飯屋さんは美味しいのだが、量が多いのだ……残念ながら今回はどこかの駅前の蕎麦店。
美味しく頂けました。
すぐに出発。
海ノ口温泉発見〜。
でも悠長に風呂入っていると雨が降って来そうなので、通過です。
止む無し。
先を急ぎます。
ちょっと木枯らし紋次郎(故・笹沢左保氏の小説のキャラです)な感じ〜。
あっしが尊敬するヒーローなのだ。
そう言えば上州無宿の紋次郎さんも、この辺を歩いていたんだっけ……
FZR:「マスターのヒーローですものね」
狸穴:「へい」
そろそろ中速コーナーにも飽きて来ました。
FZRのタイヤも、縁の方が適度に当たってます。
前後のサスも良い感じ。
このくらいの速度が一番乗りやすいかも。
そう言えば……この辺って、スピードの取り締まりはしているのだろうか?
全く気にしておりませんでした。
でも大丈夫かな。流れに乗っているだけだし。
途中、隼とCB1300の後ろに憑いて走る。
大きなオートバイに引っ張って頂けると楽でやんす。
しばらくすると、先日来たばかりの清里に出た。
なんだ……ここに出たのか。
鞄の中のパソコンで地図を開けて見ると、確かに清里。
そう言えば先日ココまで来たが、この近所は全く走らなかったので気がつきませんでした。
大気の匂いは清里だ。
新潟からもうココまで着いた。
そういえば途中二回ほど給油したっけ……
休憩を取るため、〒局の近くのお茶屋さんで一服。
コーナーばかり走って来たので、そろそろ身体が痛いです。
FZR:「お疲れですか」
狸穴:「何回曲がったかなぁ」
FZR:「たくさん曲りました。わたくしもちょっと疲れまし
た」
狸穴:「アルミのアンダーブラケット効いてたねぇ〜。時間
もあるし40分ほど休憩するか」
FZR:「はい。そう言えば、今週この辺でFZRな方達の集
まりがあるのですよね」
狸穴:「今日だったかも……どこかですれ違うかな」
FZR:「イイですね」
休憩してると日が傾きだしたので、須玉まで降りて中央高速に乗り、FXRの所に着きました。
これから打ち合わせです。
FZR:「やっと到着ですね」
狸穴:「たくさん走ったねぇ。小一時間掛かるからFZRは
お休み下さい」
FXRの打ち合わせです。
パーツ代の粗見積りを見てみると、想定していたよりも結構掛かる……
若干計画の修正を要します。
今回削った所は、後からでも変更可能な所に留めた。
でもオーダーにある最初のイメージだけは踏襲。
オーナーが乗っているうちに、あれこれと希望が出て来る余白は残しておいた方が良いかな……パーツを換えて外観変更を楽しむ要素の強い種類のオートバイだから、初めから完成させ過ぎるとその楽しみが残らないのだ。
走行に支障を来す部分じゃないし。
自分で出来る部分も残しておくのだ。
サードパーティーの会社がたくさんあり、パーツには不自由しないので、ハーレーは着せ替えMCにもなるのだ。
今回ウチを特に必要としたのは、基本的な構造に関する部分。
ハーレーの事は大体判るので、打ち合わせもさサッと終わりました。
いずれにしても凄い金額です……
ご来店されていたお客さんが、1200のショベルのローライダー(無改造)の購入で思案していたので、ちょっとだけ背中を押してあげました。
押してくれ……という目をしていたのだ。
あっしも、オリジナルの状態を最高の状態でキレイに保っている、古いハーレーは好きです。
後は独自の理由により転がるだけなのだ〜ガンバレ!
このやうにしてハーレーは、大改造したものとか、無改造のものとか2台3台と増えて行くのでした……
バイカーな人は求めるものが激しいので、1台では全部を賄いきれないのだ。
FZR:「あの……日も暮れてそろそろ寒くなって来ましたが」
狸穴:「ありゃ……そう言えばココの標高は高かったっけ。
冬には−6℃になるらしい」
FZR:「では、マスターだとそうちょくちょくココには来れ
ませんね」
狸穴:「んだ。だから今日打ち合わせをしておいたのだ」
FZR:「では帰りましょう」
狸穴:「了解」
帰りは都内のラボに撮影済みのフイルムを放り込んで、戻って参りました。
たくさん走ったので疲れたが、ブレーキダストにまみれたFZRの前後ホイールを軽く拭き上げて終了。
ほどなく雨が降って来ました。
雨ヒューマノイドと雨オートバイが走ったのに、雨に降られなくて良かった。
風邪はすっかりぶり返してしまいましたが。
佐久で汲んで来た水でご飯を炊いてお茶を淹れたら、(゚д゚)ウマーかったです。
若干荒れた部分もありましたが、舗装されており日本の道路は整備されていて良いですね!
昔は砂利道だったのだ。
ありがたや。
マミアナ+FZRx
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