| もう感じとしては冬が来たのである。
寒さに全く耐性のないあっしにとっては毎年のことだが、一大事な時期を迎えるのでした。
で、先日ちょっとアナウンスしたグローブを買って来たのでした。
5年ほど前からずっと気にはなっていたのだが、縁が薄く、中々買えないでいたグローブ屋さんに先日初めて意を決して行ったのだ。
そのグローブ屋さんは知ってる人は知ってるらしい。
オートバイ専門のグローブだけを造って売る、と言う潔い商売。
商品構成もしっかりしていて、夏用もあれば3シーズン用も各種ある。
デザインは統一されている。
様々なジャンルのグローブで構成されている訳じゃないので、浮かれているグローブはありません。
無理矢理例えれば、あっしの知っている範囲では、元は馬具屋さんで今は鞄が広まっているエルメスさんから、ブランドイメージを引き抜いたような感じ。
専門店が本来あるべき感じです。
接して頂いたスタッフさんもとても真面目な方で、簡潔明瞭なアナウンスをしてくれます。
過剰なセールスはなく安心して接することのできる気さくな方でした。
『普通の事を普通にできる』という、(今では貴重な)コトを実践しているショップなのだ。
偉そうなところは微塵もありませんでした。
気の入っている商品性能で、充分勝負できることを会社自体が大切にしているのだ。
季節商品の冬季用グローブをwebで見てからお店にお邪魔したのでした。
実は同時期にそのお店の近所(世田谷区碑文谷)で一件撮影していたりしたので、せっかく近所でお仕事しているんだから、打ち合わせや撮影が済んでから、時間があれば寄ってみるつもりで楽しみにしていたのだ。
買うならば本格的に寒くなる前の、今しかない。
あっしが今使っている冬用グローブは大切に使っていたのだが、3年も経つとかなり傷んでおり、また当初からあまり暖かだった例がなかった。7℃を下まわると辛いのだ。
結局き〜氏からお借りしているハンドルカバーのお世話になり、中は夏用グローブを使うことになったり……
ただ、この古いグローブの良いところは、素材が革ではないので、危険なくらい強力な撥水材を思いきり塗しても構わないと言う後天的な防水性だけはあるので、今回新しく買う革の物と併用して、天気や移動距離や時間等の状況に合わせてこの二つを使い分けてゆく予定。
基本的にグローブは濡らさない方が良いのだ。
寒さに弱いと色々大変です。
で、買ったのはJRP社という所のNPWというモデル。
http://www.jrp.co.jp/
耐寒性能を最優先しているので、操作性は少し犠牲になっているけど、暖かいと言うアリガタイ物なのでした。
お店の人に訊くと、手指の細かい作業等の操作性は落ちるが防寒は確保されている、とのこと。
とても真面目で正直(過ぎる)な対応でした。
NPWだと高速道路を長時間走っても耐えられるとか。
あっしの手で、そんな事が可能なのだろうか?
そんな耐寒能力を持ったグローブはかつて一つだけ経験があるが、それは極地用の−40℃までいけるスノーモービル用で、確かに寒さは防いでくれていたが……固くて何の操作も出来なかった。
スノモ用だからその辺は諦めたが、ウィンカー操作をするのに一々ハンドルバーから手を離さねばならなかったり、クラッチレバーを握ろうと思っても握力をほとんどそのグローブが吸収してしまい、えらく疲れた。
レバーを掴もうと思っても……革が固くて手が上手く開けないのだ。
今度のNPWは大丈夫なのだろうか……で、試着モデルが用意されていたので手を入れてみる。
内装の感触がとても良いです。
でもデザインはかなりゴツい感じ……手指を握れるか、ためしてみたら違和感なく握れました。
シェルの革パーツをよ〜く視てみると、なんだか物凄い勢いで厚みの違った複雑な形状のパーツが組み合わされて構成されている。生物の筋部品みたいです(ホントにオートバイ用なのだろうか……)。
地球型標準ヒューマノイドの手の動きは物凄く複雑で、その動きを少しでも妨げずに防寒するとなると、こういった複雑な部材の厚みの変化とか、切出された革材形状の複雑さや高度な縫製の入れ方が必要。
……こんなグローブ、初めて見たぞ。
あのスノモ用とは大違いだ……
中で指を動かしてみると、防寒優先なので確かに厚み感はある。
軽快に指を操作できるかといえばそうではないのだが、充分実用に耐える程度の動作は確保されている。
コレなら少し使ってシェル(外装)が馴染んで来れば、操作性の問題も解消する感じ。
うちの使用状況だと、約三ヶ月も使い込めば充分にアタリが出るかな……
現物なので細かな所を見てゆくと、どこにもツッコミどころが無〜い。
防寒を中心にプロテクト能力や耐候性を可能な限り追求し、操作性の確保や長時間装着の蒸れ対策もなされているらしい。
手を入れた時から感じたのは、指の関節の動きに合わせて内装が上手く逃げている。
指血管を圧迫されないので、血流が止まるようなことも無い。
血流が確保されて断熱が効いていれば、末端でも体温は保持できる筈だ……とか色々考えてみる。
競技用とか薄物のグローブは、ある程度良いモノを使った経験があるので少しは判断材料は持っているけど、防寒をメインに置いた高性能なグローブのデータは、ほとんど無いに近いのでした。
このNPWと呼ばれるグローブは、シェル部の革のナラシが済めば、操作性もあまり我慢することがなさそうで良い感じです。
少し馴染ませて使込んでからが本領発揮なのだ。
良質の革は目のつまったナイロンと違い、使っている内に手に合わせて伸びたり縮んだりして馴染んで来るのだ。布や化繊は伸びません。
一度馴染めばグローブとしては問題無しです。
そのあたりは靴と同じなのだ。(製靴も色々調べてみると、そのノウハウ内容は凄いです)
このグローブを創った職人さんも散々考えて苦労したんだろうな〜って感じでした。
こりゃ、昨今の中国での大量生産じゃ造れない。
さらにありがたいことに、この会社のグローブは壊れた時にも状況が許す限り、修理に応じてくれるとのこと。
馴染んだ頃にはボロボロになって、また新しい物を初めからナラシ始めるということを繰り返さなくて済むのだ。
内装だけとかパーツの交換もできるらしい。
お店にはそのグローブの中身の内装も展示されていた。
素材を選んで通気性や強度・蝕感・耐久性等を確保し、かなりしっかりした内装材でした。
コレなら本当にハンドルカバーを付けないで頑張れるかも〜!
永い間オートバイに乗って来たけれど、こんなグローブにでっ喰わすとは思っていませんでした。
FZR:「良かったですね〜マスター」
狸穴:「ハンドルカバーのお世話にならなくても済むかもね
〜FZR」
FZR:(新しいグローブさん、ありがとうございます〜)
狸穴:「んじゃ、FZRのレバーやペダルの位置もそろそろ
冬の位置に変更だ」
FZR:「は〜い」
5年も我慢せずに、すぐにためしてみれば良かったかも……
高価と言う印象を感じていた価格も、モノの造りをよく見れば高くはないです。
厳寒下でも手の感覚を確保できるということは安全なのだ。
季節も変わるので、夏の間使っていた汗と塵埃にまみれた夏用グローブ2双と、ツーリング用の革1双と旧冬用1双をヘルメットの内装共々洗濯してみた。
石鹸を40℃くらいの湯煎で融かしながら造った、かなり薄い洗浄液に3分ほど浸してから、力を入れずに手揉み洗い。
あっしの場合は水洗が一番楽な普通の石鹸が使い易いです。
夏用のグローブからは真っ黒な汚れが出るわ出るわ……排気ガスと汗により激しく汚れていたのだ。
パッと見にはそんなに汚れている風には見えなかったのだが、モノが黒だったので判らなかっただけでした。
洗浄液が一発で真っ黒です。(色落ちじゃなく)
3回ほど洗浄液を新しくしながら洗って行くと、やっと汚れが取れました。
で、20℃くらいの水に着けたまま水中でしっかり水洗します。
水面の外には出さないのだ。
揉む時も力は入れません。
1双30分くらいの時間は掛ります。
全部洗い終わって陰干しです。
陽に当てたり、熱を使って乾燥させてはいけないらしい。
クリーニング屋さんが言うには、素人の場合は風通しの良い所で自然乾燥が良いそうです。
流水で水洗をしっかりやって完全乾燥すれば、菌が繁殖して臭くなったり傷んだりすることも無いそうです。この辺は靴のメンテナンスと同じですね〜。
で、乾ききる寸前に極薄でミンクオイルの塗布。
手に擦り込んだミンクオイルをグローブの革に移します。
一度填めて手の形を覚えさせ、そのまま完全乾燥へ……
乾きの早い夏用はほぼ1日で仕上がり、とてもキレイになりました。
全然足りてないかも……と思っていたミンクオイルも、程良く革に染込んでました。
柔らかいです。
コレでまた暖かくなれば使えるのだ。
買い換えずに済みました。
保管はグローブの入口に少し新聞紙を挟んで、平たい段ボールの箱に半紙を敷いてグローブが重ならないように並べ、水回りからなるべく離れた高い所に置いて終了〜。
箱の内側に一欠けの炭をテープでとめておきます。
週に1度は中の様子を見ます。(コレが楽しいのだ)
カビが発生していたら、胞子を飛ばさないように箱は棄てて、また洗濯です。
箱は靴の元箱でも良いです。
洗濯機使用は傷だらけになるのでダメだそうです。
マミアナ+FZRx
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