Vol.424 TCO#2 その2 2003-10-11

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 4サイクル用の実験エンジンオイル。
 投入してからすでに5000km走行中。
 エンジンオイルとしての一番過酷な時期である、渋滞する都内の夏も何ら調子を崩すことなく乗り越えている。
 普段はヘッドの機械的なトラブルも抱えているので、exupでリミット(12000〜14000rpm)を掛けて、あまり回らないようにしています。しかし、排気管の状態を保つため限定された状況(トランポが5km以内にいる等)で、たまには上の方(19500rpm)まで回しておりますが、TCO#2は高回転域でも問題無くついて来ております。
(エンジンに異状が無けりゃ、リミットも要らないのだが……)
 TCO#2の粘度は7w−45で、ベースオイルは100%化学合成油。
 このオイルに交換する直前には、motorexの5w−40を使用。
 比較としてはさらに前に入れていたShell Advanceと、motorexのちょっとShellよりな感じの特性。
 ただし、デフォルトのクラッチプレッシャースプリングを使用中(ハウジング&ボスは段付き無し)と言う条件で、オイルの暖機が完全に済んだ高温下では、その双方ともTCO#2は違う特性で、8000rpm以上/スロットル全開で起きたクラッチの滑りも無〜い。(motorexだと入れて500kmでは起きたのだ)
 TCO#2で一度様子を見るために、シリンダーを抜いて見た時のエンジン内の状況は、油掻きリングより下のシリンダー面で形成される油膜が結構厚かった。
 乱暴な方法だが、シリンダーにトーチで軽く熱を加えて、ピストンを上下させても油膜の形成具合は変らず。
 熱にも強いらしい。(良い子は真似しないで下さい〜〜ダミーヘッドを噛ませないで熱を加えるとシリンダーブロックは熱で歪みます。水抜いてるし)
 油掻きリングの下の部分の油膜がしっかりしているということは、FZRのピストンリングから下へ、燃焼中の高圧なガスがクランクケース内に抜けていないということになる。
 そのためかどうかは判らないが、水温が上がってもクランクケースの温度は以前より下がっており、ブローバイの出口を白い布で漉してレーシングしても、以前よりブローバイガスの量は少なく、ほぼ布には何もつかなかった。(機会があればブローバイをもう一ヶ所増やしたい所もありますが、いつも忘れる……)
 ミッションのタッチも走行3000kmを越えてからも大きな劣化は無し。
 一時期渋滞ばかり走っていて、6000rpm以上に上げなかった期間があり、4500kmを越えたあたりからちょっとシフト・タッチがソリッドになって来たかなぁ、な程度。
 ピストンスカートも、油膜の上に乗っているので、シリンダー内壁に直に触れることはなく、始動冷間時もガサツな感じはない。
 暖機が済んだ状態で再起動を掛ける時もこの感じは変らず。
 クランクシャフトの軸受けの音を聞いても、妙な振動は無し。
 総走行距離からいって、そろそろガタが出ている筈のミッションシャフト軸受けベアリングの動きも引っ掛ることなく問題無し。
 さすがに新品投入時とは感覚は変りましたが、良く出来たオイルです。
 油掻きリング下(ピストンスカート部)に形成されている油膜がしっかりしているということは、オイルを汚す原因の一つである未燃焼ガスのケースへの侵入を抑えているのかなぁ。
 油掻きリングに対するフリクションには、なっていないんですよねぇ……オイル上がりも起きていないし、妙だなぁ。
 ピストンスカートが油膜に浮いている感じ。
 オイルは高分子なのでよく判りません。誰か教えれ〜。

FZR:「このオイル、不思議です。ある程度暖機が済んでか
    ら一度7000rpmくらいの油圧を掛けてしまう
    と、後はマスターがダラダラ3000rpm/4速
    くらいで渋滞を走り続けても水温は上がって来ます
    が、状況は変りません」
狸穴:「だなぁ。ついでに燃費がかなり好転しているし、高
    回転域を維持していてもフリクションロスがどこか
    に行った」
FZR:「普通は高回転になればなるほど、ロスは比例して大
    きくなる筈なのですが、あまり感じませんね」
狸穴:「クランクやミッションのサイズが半分位になったよ
    うな感じだねぇ。免許の点数とエンジンの機械的な
    トラブルが無ければ、高速道も楽しいそうだなぁ」
FZR:「ダメですよ。抑えて下さい」
狸穴:「へい」

 ピストンスピードの遅い低・中回転域では圧縮が上がり、高回転域では適正値に戻っているような感じです。
 なんだか有機生命体の血流/血圧みたいな感じ。
 FZRは有機生命体じゃないし〜
 TCO#2に何が起きているのだろうか?
 最近気温が下がり始め、さらにその傾向は大きくなって来ております。
 始動時にあった固さもありません。
 コレを造ったDr.Kのコメントは『2st用としてあるwooと近い燃焼室補完状況を想定しながら、TCO#1とは違ったアプローチで耐久性や高回転向きな構造を持たせたりした』とか。
 全く同じ内容のオイルを、最近のターボ付き4輪車や空冷や水冷や油冷の大排気量オートバイでためしているのですが、この状況はさらに激しく出ているそうです。
 すでにデフォルトよりも高くなっている圧縮圧力のFZRxだと、ちょっと高回転域では圧縮が高過ぎるのと、排気管容積が足りていないのにさらに足りなくなっているかも知れないとのこと。
 カムプロフィール自体はデフォルトのままなので、燃焼室形状を少し変えてしまったFZRxだと、カムは理想的ではなかったのも事実……
 デフォルトの圧縮圧力のエンジンならば大きな効果が出たかな。
 ということで、《弐號》とFZRの次期エンジンは急遽圧縮圧力を変更して、予定よりもかなり下げました。
 その方がエンジン自体ノックもし難くなり、色々な面で便利でタフになってくれるのだ。
 TCO#2を入れてすぐに、キャブの燃調も変更した。
 低中回転域を薄くして、高域はほんのちょっと濃い目に。
 #1〜#4まで全部同じ数値で調整です。
 中〜高域間は、濃い目にし過ぎると途中で回転の繋がりが悪く小さな谷が発生しますので、谷が出ない程度の濃い目。(exパイプ容積がネックで、季節で若干変更する必要があるのですが)
 キャブはコレだけやっても気温や気圧ですぐ狂うけど、加速ポンプの変更が無いタイプのFCRよりは狂い難いかな……。(最近、加速ポンプの吐出量を任意に外から変えられるFCRが出たの?)
 ……楽に設定を変えられるインジェクション、欲しいなぁ。

FZR:(マスター、お金と知恵が……)
狸穴:「考えるだけならタダなのだ」

 まぁ、この実験は今までの実験と違い、市販のオイルに戻す際には、色々と元に戻さねばならなくなる部分が多いというオマケも憑きましたが。(ちょっと特殊過ぎ、この程度のことに堪えられないと粋方面には行けないのだ)
 この状態でも大きな力を受ける軸受け部分や、高熱になるシリンダーをカバーしているのだ。(でないと壊れて動けません〜)
 ということでTCO#2はオイルとしての基本5要素を満たしている、良いオイルなのだ。
 良いことだけ書いても仕方ないので悪い所も……
 材料代が高いのである。
 この点が気になる人もいれば、気にならない人もいる訳だ。
 FZRだと2Lしか使わないが、空冷の911だと20L必要になる。
 お酒と同じで一度美味いモノを呑んじゃうと中々……オートバイに乗るにはお金が掛るのか。

マミアナ+FZRx

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