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しばらく前からメーターをいじっていて思ったのだが、速度とか回転数、これらには数字が割り当てられている。
誰でも同じ基準で状況を理解するために、誰かが思いついた数字。
メートル法で表記されていたり、マイルな表示だったり、でも時間軸は皆同じ。
このメーター、役に立たせるには意識して目と脳を使って理解しないとといけません。
元々人間の神経系は歩く速度程度までしか100%反応しないので、とても無駄な動きなのだ。
速度を認識したり回転数を認識するのに、実際にメーターは必要なのだろうか?
あれば便利、程度に考えていた方が良い?
でも、人間もオートバイにしばらく乗っていると適応して来る。
速度に対する認識は、各人の持って生まれたクロック周波数や練度により全く違うのである。
安全な速度も各人やオートバイによってマチマチ。
タイガーカブ200ccで高速道路を80km/hで走行するのと、R1’04で80km/hで走るのとでは全く状況が違うのだ。
で、ある日突然。
ある種のウイルスにより、全人類が速度計と速度規制の交通標識の認識が出来なくなったと、以下仮定〜。
自分が運転している状況を理解するためには、空間認識の内の移動感覚がメインになります。
速度が上がり過ぎたと認識すれば、本能的に大抵の場合はケガしたくないので速度を落して安全を探しながら走るようになります。
回りの交通も同様なので、普段より路上の流れは下がっている筈。
流れに合わないものは、早い時期にたくさん死んで行きました。
加害者になった者は千葉県市原の交通刑務所で生体処分もしくは強制労働中です。
ところがその頃の刑務作業は、幅広い分野から優秀な者も集まり、業績によりギャラも多くもらえるので外部からも人材が集まり、将来においては地球規模の巨大な基幹産業を担うこととなります。
「働く」ということの示す半分は、刑務作業に従事して稼ぐと言う社会構造にもなりました。
ウイルス発生以前まで、どこかの誰かが安全だと思われる法定速度を決めて標識で表示し、その速度より少し越えている程度の速度計の数値を安全な状況、と信じて走っていたのでした。
今の「普通」はかなり危険な状況だったり……
公道ですから、同空間にR1もいればモトコンポもいる、ダンプもいればトレーラーもいるしチゼータもスマートも新型プリウスも同じ路上を走ります。
運動能力も形態も全く違う乗物が、これまた全く思想も運転能力も違う人間という不確定要素を積んで、同じ空間を走っているのでした。
お互いに当らないように気をつけるので、車間距離を大きくとり、路上駐車することも無く、少しゆっくり走るようになりました。
速度を自分で決められない者のうちの何割かは、早期に他車から加えられる危険を回避するため、乗物には乗らなくなりました。
路上が大変危険な場所である事を理解したのでした。
人口減少を伴い社会構造も激変します。
通勤という形が特殊な事象となりSOHOが進み、そのうちに大量の人間が一ヶ所に集まる仕事場という所は形骸化して行きました。
少子高齢化が20年くらい進むと全体の人口も減り、交通量はかつての1/20になり路上は空きました。
コレでやっと日本の道路は普通に走れるようになったのだ……
働ける人間の数が急激に減り、会社や国も会社員とか公務員という形態を人口減少により維持出来なくなったのだ。
皆スポット契約のフリーランスで何等かの専門家です。
足りない部分は外国人に頼ります。
警察官も不足するので、海外よりプロの警察官チームを招致で治安の好転です。
生産される物も必要とされる物を優先することになり、生産現場から直で流通が始まり、その情報はネットで得られるようになったので(今でもそうか)、実体を持った人間がやって来る営業という職種は異端とされ必要なくなりました。
人数は減ったが多数いた営業職は思考職に変りました。
FZRも周囲を警戒しながら、空いた道路をゆっくり走ってます。
FZR:「マスター、最近は道路が空いてますね」
狸穴:「だな。始めの頃は速度が判らなくて妙な感じだったけ
ど、馴れてみると安全速度をリニアに自分で決めるっ
てのもイイかも」
FZR:「道路の大きさと、乗物の速度が地域や状況ごとに合っ
てますね」
狸穴:「不思議だね〜」
FZR:「今まで速度計や速度標識を信頼し過ぎ、頼り過ぎて
いたのですわ」
200年も経つと道路地図も無駄が減り、大きく変様して無駄な都市構造は無くなりました。
大都市では人口が減った分テナントが減り、使われなくなった大型の建物はPとしても使えるようになったり、移動先でのPにも困ることはありません。
オートバイ用のPも、好きな所にたくさん出来て楽に駐機出来ます。
路肩や舗道で路駐している乗物は無くなりました。
FZRも内燃機関エンジンから開放され、ほぼ給油もメンテナンスも要らない外径300φの低出力のイオノクラフト・エンジンに換装されておりました。
たまに青白い光と蒸気を大気開放して安定して走っております。
速度を危険な感覚としてある程度正確に判断出来なければ、乗物は危険なのである。
一々メーターを使わないと安全マージンが理解出来ないライダーは危険なのでした。
ある程度、正確に危険を感じられない者は乗ってはいけないのだ。
一時期どこかの人間が作った過保護の極致だった『新交通システム』は、初めの頃は便利だったが結局、乗物の増加を促しさらに激しい渋滞を引き起こし、一台の乗物が流れを狂わせるとシステムに過大な負荷が掛りたびたび起るシステムダウンによるトラブル・メンテナンス期間の死亡件数は激甚災害級の大規模な事態となったりしたのでした。
維持費も掛り税率は3〜5倍に跳ね上がりました。
その後放置され、交通標識も無く速度計も無い道路はとても恐ろしい場所という認識を人間に認識させたことにより、無駄が減り道路も空いて安全を得られることになったのでした。
狸穴:「……こんなのはどうか?」
FZR:「マスターでは対応出来なくて、刑務作業内容にも合
致せず早期に分解再生処分になる方に入ると思いま
すが……」
狸穴:「そか……んじゃ、イヤだな〜。だったら今と同じく
速度標識の数字に甘えて走らせてもらった方がイイ
なぁ」
FZR:「それでは、上達しませんわ」
狸穴:「……難しいな」
FZR:「わたくしも今の車体形式で良いです」
狸穴:「そか。でもいずれ何等かの形で世の中変わるかもね」
FZR:「そういえばそろそろ大地震さんがいらっしゃるとか
……」(皆様、備えてます?)
狸穴:「4枚の地殻プレートが集まる近所の日本にいる以上、
地震は何時来ても不思議じゃないのだ」
FZR:「今の渋滞具合だと、救急車とか消防車は災害時に活
動出来ませんね」
狸穴:「だなぁ……せめて舗道を今の倍の面積で造れたら、
一般車両の救急車回避軌道用地として使えそうだね」
FZR:「確かに日本の舗道は狭いですね。金星の道路事情は
どうだったのですか」
狸穴:「金星では、コレと決まった道路という概念は無い。
都市も道路も全部地下にあって、各階層は2mmの
虚数空間で仕切られていて、移動階層には何の障害
物も無いただ金星全体に及ぶ平坦な面があるだけな
のだ。その所々にある穴から用事のある所に出入り
していた」
FZR:「便利そうですね」
狸穴:「太陽に近いし地表の大気は400℃だし、強酸だか
ら長時間表層には出られないのだ。その面は同時に
使える移動物体の台数が大体決まっていていつでも
空いている」
FZR:「ふ〜ん。わたくしでもやっていけそうです」
狸穴:「残念ながらFZRは今のままじゃダメだ……金星で
は大気組成が違うためにガソリンは無いのだ。姿が
オートバイだと珍しがられて人気者になれるかも」
FZR:「では、エンジンを換えましょう〜」
狸穴:「んじゃ、向うに着いたらミンガの処女って何屋か不
明な店をやっているウォディール伯爵から、認識チ
ップとエンジンをわけてもらおう」
FZR:「……お知り合いですか」
狸穴:「まぁ、ね。奴も俺と同じ金星の近所のワームホール
からある日突然現れたらしいよ」
なんだか訳の判らん文章になってしまった。皆様失礼〜。
たまにはこんなことも考えるのでした。
マミアナ+FZRx |