| ひと月ほど前に用意されていたフロントフォークオイルABSOの実験ナンバー4(FZRでの4回目)の実験を開始。
狸穴:「実験#4にそろそろ入る」
FZR:「ABSOですか」
狸穴:「んだ。前回の#3は、どのくらい使っているかな」
FZR:「すでに10000kmは楽に越えました」
狸穴:「ありゃ……予定よりもちょっと走り過ぎたねぇ」
FZR:「でもなんの問題も無いですが」
狸穴:「フォークオイルは、1年もしくは10000kmで
交換するのだ」
FZR:「そうでした。で、#4はどのようなオイルなのです
か」
狸穴:「ん〜以前GSF750で実験して失敗だったモノの
やり直し、改良仕様なのだ」
FZR:「……大丈夫なのですか」
狸穴:「判らんが、触ってみた感じは化粧品に使えそうなく
らいサラッとしているが、オイルの伸びと潤滑性は
高い。たぶん将来市販するRR仕様の上位モデルな
のかも。一応今はまだ市販はしないらしいが」
FZR:「消泡性はどうですか」
狸穴:「普通のABSOだと、わずかに泡を残して反転時の
微細な振動を吸収しているみたいだけど、#4はま
ったく違うベースオイルなので、加圧して細い管を
移動させても泡は全く出なかった」
FZR:「使用温度の影響はどうでしょうか」
狸穴:「それも適度に冷却&加熱して、それぞれテストして
みたけど、粘度変化は#3の1/3程度」
FZR:「良い感じですね。更に潤滑性能は飛躍的に上がって
いるのでしょ」
狸穴:「んだ。メタルやインナーチューブのメッキ面に対し
ての吸着力も共に安定している」
FZR:「でも、#4の元になったオイルは、GSF750さ
んの時には失敗だったとか……」
狸穴:「……らしい。でもその時に使用した粒子の細かいオ
イルを大幅に削減して、更に触媒も変えたそうだ」
FZR:「で、わたくしで実験ですか」
狸穴:「んだ。とりあえず一番距離を多く走るのはFZRだ
し、今FZRに使っているフォークは、大抵のオー
トバイのフォークとリンクしている、ごく普通のフ
ォーク構造だから実験には丁度良いのだ」
FZR:「では交換してみましょう」ドキドキ
と言うことで交換。
前回#3を入れた時の量と同じ140mmの油面で投入。
フォークオイルはccで計量するのではなく、必ず何度かゆっくりストロークさせた上で、泡が消えて落着いてから再度ゆっくり押込んで、全屈状態で油面を計るのでした。
オイルの上に出来る空気室の容積を決めるためには、メスシリンダーを使ったccではアテにならないのです。
交換の際に排出された#3の実験ABSOは、それなりに汚れておりましたが、性能的には何等問題無い状態でした。
元々が非常に安定した状態を最後まで保つように設計されているABSOですから、まだ性能は保持されるとは思いますが、交換して正解なのだ。
フォークオイルをケチって不安を抱えるよりもイイのだ。
出て来たオイルは全く水分を含んでおりませんでした。
昔、純正を入れていた時には基本的に動きも悪く(ABSOと比べてです)、初期性能は3ヶ月も維持出来なかったし、どういう訳か水分が入り易く、1年も経つと出て来た廃油は酸化もしてドブ臭くなっておりました。
#3の廃油はドブ臭くは無かったです。
#3の場合180kgを越える車体に合っていた傾向があり、FZRの車重ではちょっと重量的に足りなかった傾向だったので、設定レンジを広くとれず苦労しました。
#4はRR的な傾向で、使用レンジもかなりワイドに振られているとのこと。
さてさて、どうなりますか……。
その他、リアアームのピボットとサスのリンク回りも点検+給脂。
電装系も点検。
フォーク・オイルを#4に入れ換えて、すぐにブレーキをフリーにしてハンドルを真上から押込んでみます。
ちょっと油面が低かった?? 感じ……。
沈み過ぎ?
FZR:「柔らか過ぎません?」
狸穴:「だなぁ」
ちょっとだけ発進とブレーキテストをしてみました。
狸穴:「滑りがかなり良いので油面を少し上げた方がイイか……」
FZR:「バネの張力と合わせて感じてみると、今回のオイルは
ちょっと柔らかい方にセッティングされているような
感じですね」
狸穴:「20ミリ上げてみる」
サッサと油面を20ミリ上昇〜(上げ過ぎかなぁ)
フォークキャップにオイルを出し入れする穴がついているので、この作業はとても楽になりました>き〜氏感謝。
バネに対してのイニシャルは変更せず。
ハンドルをちょっと押込んで試る。
狸穴:「をを、良い感じ」
FZR:「あとは普通に走ってみてからですね」
狸穴:「んだ」
と言うことで、#4は初期の動きはちょっと柔らかい感じ。
泡を抜く時に、フォークをゆっくりとストロークさせていた時に感じたのは、潤滑性能が高いと言うことと、泡が発生しないこと。
製作者のDr,Kによると、#4は一番ダメだった素材の配合比率を変えただけで、全く違う結果が出たとのこと。
でも、添加成分の配合比率を変更するとこのベースオイルの性格が変わったらしい。
いつもながらオイルと言う奴は、エラク豹変してくれます。(配合比率の変更はちょっとの変化じゃないのでした)
と言うことで、いろいろ走ってみます。
FZR:「マスター、このオイル、いつもどおりストロークの
中ほどから硬くなり始めるのですが、最後の部分の
硬くなり方が#3よりもちょっと緩やかな感じです」
狸穴:「だねぇ……でも後輪が上がるほどの急ブレーキを掛
けても底突きしていない。その状況でもある程度は
方向を変えられる」
FZR:「初期の動きは軽くて、最後の踏ん張りがジワッ〜と
言う感じですね……車体には優しいかも。ブレーキ
もフロントタイヤの滑りが少なくなったので、良く
効いてます」
狸穴:「乗り手にも優しい感じだよ。でもブレーキはタイミ
ングが変って来てる……」
FZR:「この動き方だとステアが重く感じられたり、コーナ
リング途中からアンダーステアが出ませんか」
狸穴:「出そうな感じだねぇ……」
FZR:「直線は大変良い感じですが、大丈夫でしょうか」
狸穴:「ンじゃ、ためしてみるか」
と言うことで、ちょっと70km/h程度で軽くトラクションを掛けて、踏面がリアタイヤの減りに届く20mm前くらいのコーナーで、様子を見てみる。
このコーナーの立ち上がり部分には、短い間隔でコブが2個ある。
ストロークの長いオフ車ならば気にならないが、オン車ではサスが合っていないと少しだけ厄介なコーナーなのでした。
知らないとちょっと上半身が振られます。
狸穴:「入るよ」
FZR:「はい」
狸穴:「あれ……1個目のコブは判ったが、2個目のコブ無
くなった?」
FZR:「道路工事はされておりませんので、あったかと思い
ますが」
狸穴:「揺り返し来なかったねぇ……」
FZR:「ラインもコブの内側気味を通過する所を踏みました
が」
狸穴:「不思議なオイルだ」
FZR:「もう一度戻って、今度は速度を50km/hに下げ
て走ってみましょう」
狸穴:「了解」
今度は2個とも判りました。
でも、コブで車体が振られることもなく……。
軽いFZRの車重だとあのコブは良く判るはずなんだけど。
FZR:「何も起きませんね。でも#4のオイルは、#1のオ
イルとちょっと似た感じの動きです」
狸穴:「だな。初期の動きは#1+#2、ストローク点の深
い所は#4オリジナルな感じかな」
FZR:「ではまた戻って、90km/hで通過してみましょ
う」
狸穴:「オイ……FZR、大丈夫?」
FZR:「ちょっと酔ったかも」
…………。
ウチのFZRは大丈夫だろうか。
あそこを90km/hはちょっと危ないかなぁ。
いつもは出しても80km/hなのだ。
狸穴:「ンじゃ、入るよ」
FZR:「はい」
ちょっとハイサイドを警戒したのでビビった。通過しました。
1個目のコブも判りませんでした。
前タイヤは跳ねておりません。
リアのOHLINSの方がネを上げ始めてます。
この速度ではリアがついて来れないか……これ以上車速を上げるとなるとリアはバネの変更だなぁ。
その前にライダーのスキルを上げないと……。
アンダーステアも無く、ニュートラルステアでした。
FZR:「マスター、ちょとだけ判りました。このオイルはG
が掛かった方が安定しますわ」
狸穴:「だねぇ。カートリッジ式用のREVの動きと近いか
な……」
FZR:「わたくしはまだカートリッジ式をためしたことはご
ざいませんが、#3よりも加・減衰の反転反応を早
く処理してます」
狸穴:「オイル自体の慣性質量が軽いのかな……流動抵抗は
どうなっているのだろうか???」
FZR:「マスターの大好きな『不思議』ですね」
狸穴:「んだ。でもあの状況でラインの変更を加えたら、フ
レームの捻じれ剛性がこれ以上、車速を上げるとつい
て来れない」
FZR:「ですね、わたくしのフレーム限界よりもフォークの
動きが勝っています。耐Gでのたわみの戻りがキツ
いです」
狸穴:「600cc以上のホイールベースが短めで、スイン
グアームを長めに採った、キャスター角25度くら
いのアルミフレーム向きだね」
FZR:「残念ながらそのようです。わたくしにあわせるには、
やはり油面をあと10mm下げた方が良さそうです
わ」
狸穴:「#4には悪いが、ちょっと性能を落して使わないと
車体が保たないか」
FZR:「コーナリングのGを得るための出力的にも、わたく
しでは足りませんし、その方が安全かと思います」
遂にFZRでは間に合わないオイルにでっ喰わしてしまいました。
う〜ん、どうしよう。
でも、普通に真っ直ぐ走っている時の乗り心地も大変良いのだ。
#3以上に細かな振動は吸収しているし。
コレがいずれ将来のABSO−RRの基準に採用されるのかなぁ……。
最近の過激なタイヤのこともあるし、公道用としては#4は市販しない方が吉かも。
「良過ぎる」と言う事も、いろいろあるのでした。
R6とかでこの傾向の−REVオイルを使って公道で攻めまくられては、なんらかの外的要因により転倒した際の速度によって、その攻撃性とリスクがデカ過ぎます。
慣れて来たら、気が強くなり速度が乗り過ぎるのでした。
でも欲しい人は欲しいだろうし……参ったなぁ。
FZR:「マスター、この#4は別の性能の意味で、重量車に
も使えますよ。V−maxさんやHD等の大きなア
メリカンさんにも、とても合いそうですわ」
狸穴:「そか、加・減衰反応をもう少しマイルドにしておけ
ば、#4の基本性能で重量車とかストロークを多く
使う軽量なモトクロスや、モタードにも合うねぇ」
FZR:「ですわ。長距離を走る普通の正立タイプのフォーク
のツアラーとか、ほとんどの重量車に合うはずです。
もちろんそうなればわたくしと近い車体や、更に軽
いSDRさんにも合うと思いますわ。レンジの広さ
はありますから#4の存在は間違いではなかったか
と思います」
狸穴:「そう言えば、最近ABSO−REVとRSも密かに
マイナーチェンジしたらしい。03以降のR6とか、
CBR600RRのカートリッジ式のフォークに対
応したとか」
FZR:「わたくしのページで扱うモノはいつも少しづつです
が、常にアップデイトされているのでした」
狸穴:「勉強してるねぇ、FZR」
FZR:「はい。実験させられるのはわたくしだったりします
ので、Dr,Kに、いつもお願いしておりますわ」
狸穴:「頑張って下さい〜」
マミアナ+FZRx |