Vol.409 実験4 2003-08-20

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 ひと月ほど前に用意されていたフロントフォークオイルABSOの実験ナンバー4(FZRでの4回目)の実験を開始。

狸穴:「実験#4にそろそろ入る」
FZR:「ABSOですか」
狸穴:「んだ。前回の#3は、どのくらい使っているかな」
FZR:「すでに10000kmは楽に越えました」
狸穴:「ありゃ……予定よりもちょっと走り過ぎたねぇ」
FZR:「でもなんの問題も無いですが」
狸穴:「フォークオイルは、1年もしくは10000kmで
    交換するのだ」
FZR:「そうでした。で、#4はどのようなオイルなのです
    か」
狸穴:「ん〜以前GSF750で実験して失敗だったモノの
    やり直し、改良仕様なのだ」
FZR:「……大丈夫なのですか」
狸穴:「判らんが、触ってみた感じは化粧品に使えそうなく
    らいサラッとしているが、オイルの伸びと潤滑性は
    高い。たぶん将来市販するRR仕様の上位モデルな
    のかも。一応今はまだ市販はしないらしいが」
FZR:「消泡性はどうですか」
狸穴:「普通のABSOだと、わずかに泡を残して反転時の
    微細な振動を吸収しているみたいだけど、#4はま
    ったく違うベースオイルなので、加圧して細い管を
    移動させても泡は全く出なかった」
FZR:「使用温度の影響はどうでしょうか」
狸穴:「それも適度に冷却&加熱して、それぞれテストして
    みたけど、粘度変化は#3の1/3程度」
FZR:「良い感じですね。更に潤滑性能は飛躍的に上がって
    いるのでしょ」
狸穴:「んだ。メタルやインナーチューブのメッキ面に対し
    ての吸着力も共に安定している」
FZR:「でも、#4の元になったオイルは、GSF750さ
    んの時には失敗だったとか……」
狸穴:「……らしい。でもその時に使用した粒子の細かいオ
    イルを大幅に削減して、更に触媒も変えたそうだ」
FZR:「で、わたくしで実験ですか」
狸穴:「んだ。とりあえず一番距離を多く走るのはFZRだ
    し、今FZRに使っているフォークは、大抵のオー
    トバイのフォークとリンクしている、ごく普通のフ
    ォーク構造だから実験には丁度良いのだ」
FZR:「では交換してみましょう」ドキドキ

 と言うことで交換。
 前回#3を入れた時の量と同じ140mmの油面で投入。
 フォークオイルはccで計量するのではなく、必ず何度かゆっくりストロークさせた上で、泡が消えて落着いてから再度ゆっくり押込んで、全屈状態で油面を計るのでした。
 オイルの上に出来る空気室の容積を決めるためには、メスシリンダーを使ったccではアテにならないのです。

 交換の際に排出された#3の実験ABSOは、それなりに汚れておりましたが、性能的には何等問題無い状態でした。
 元々が非常に安定した状態を最後まで保つように設計されているABSOですから、まだ性能は保持されるとは思いますが、交換して正解なのだ。
 フォークオイルをケチって不安を抱えるよりもイイのだ。
 出て来たオイルは全く水分を含んでおりませんでした。
 昔、純正を入れていた時には基本的に動きも悪く(ABSOと比べてです)、初期性能は3ヶ月も維持出来なかったし、どういう訳か水分が入り易く、1年も経つと出て来た廃油は酸化もしてドブ臭くなっておりました。
 #3の廃油はドブ臭くは無かったです。
 #3の場合180kgを越える車体に合っていた傾向があり、FZRの車重ではちょっと重量的に足りなかった傾向だったので、設定レンジを広くとれず苦労しました。
 #4はRR的な傾向で、使用レンジもかなりワイドに振られているとのこと。
 さてさて、どうなりますか……。
 その他、リアアームのピボットとサスのリンク回りも点検+給脂。
 電装系も点検。

 フォーク・オイルを#4に入れ換えて、すぐにブレーキをフリーにしてハンドルを真上から押込んでみます。
 ちょっと油面が低かった?? 感じ……。
 沈み過ぎ?

FZR:「柔らか過ぎません?」
狸穴:「だなぁ」

ちょっとだけ発進とブレーキテストをしてみました。

狸穴:「滑りがかなり良いので油面を少し上げた方がイイか……」
FZR:「バネの張力と合わせて感じてみると、今回のオイルは
    ちょっと柔らかい方にセッティングされているような
    感じですね」
狸穴:「20ミリ上げてみる」

 サッサと油面を20ミリ上昇〜(上げ過ぎかなぁ)
 フォークキャップにオイルを出し入れする穴がついているので、この作業はとても楽になりました>き〜氏感謝。
 バネに対してのイニシャルは変更せず。
 ハンドルをちょっと押込んで試る。

狸穴:「をを、良い感じ」
FZR:「あとは普通に走ってみてからですね」
狸穴:「んだ」

 と言うことで、#4は初期の動きはちょっと柔らかい感じ。
 泡を抜く時に、フォークをゆっくりとストロークさせていた時に感じたのは、潤滑性能が高いと言うことと、泡が発生しないこと。
 製作者のDr,Kによると、#4は一番ダメだった素材の配合比率を変えただけで、全く違う結果が出たとのこと。
 でも、添加成分の配合比率を変更するとこのベースオイルの性格が変わったらしい。
 いつもながらオイルと言う奴は、エラク豹変してくれます。(配合比率の変更はちょっとの変化じゃないのでした)
 と言うことで、いろいろ走ってみます。

FZR:「マスター、このオイル、いつもどおりストロークの
    中ほどから硬くなり始めるのですが、最後の部分の
    硬くなり方が#3よりもちょっと緩やかな感じです」
狸穴:「だねぇ……でも後輪が上がるほどの急ブレーキを掛
    けても底突きしていない。その状況でもある程度は
    方向を変えられる」
FZR:「初期の動きは軽くて、最後の踏ん張りがジワッ〜と
    言う感じですね……車体には優しいかも。ブレーキ
    もフロントタイヤの滑りが少なくなったので、良く
    効いてます」
狸穴:「乗り手にも優しい感じだよ。でもブレーキはタイミ
    ングが変って来てる……」
FZR:「この動き方だとステアが重く感じられたり、コーナ
    リング途中からアンダーステアが出ませんか」
狸穴:「出そうな感じだねぇ……」
FZR:「直線は大変良い感じですが、大丈夫でしょうか」
狸穴:「ンじゃ、ためしてみるか」

 と言うことで、ちょっと70km/h程度で軽くトラクションを掛けて、踏面がリアタイヤの減りに届く20mm前くらいのコーナーで、様子を見てみる。
 このコーナーの立ち上がり部分には、短い間隔でコブが2個ある。
 ストロークの長いオフ車ならば気にならないが、オン車ではサスが合っていないと少しだけ厄介なコーナーなのでした。
 知らないとちょっと上半身が振られます。

狸穴:「入るよ」
FZR:「はい」
狸穴:「あれ……1個目のコブは判ったが、2個目のコブ無
    くなった?」
FZR:「道路工事はされておりませんので、あったかと思い
    ますが」
狸穴:「揺り返し来なかったねぇ……」
FZR:「ラインもコブの内側気味を通過する所を踏みました
    が」
狸穴:「不思議なオイルだ」
FZR:「もう一度戻って、今度は速度を50km/hに下げ
    て走ってみましょう」
狸穴:「了解」

 今度は2個とも判りました。
 でも、コブで車体が振られることもなく……。
 軽いFZRの車重だとあのコブは良く判るはずなんだけど。

FZR:「何も起きませんね。でも#4のオイルは、#1のオ
    イルとちょっと似た感じの動きです」
狸穴:「だな。初期の動きは#1+#2、ストローク点の深
    い所は#4オリジナルな感じかな」
FZR:「ではまた戻って、90km/hで通過してみましょ
    う」
狸穴:「オイ……FZR、大丈夫?」
FZR:「ちょっと酔ったかも」

 …………。
 ウチのFZRは大丈夫だろうか。
 あそこを90km/hはちょっと危ないかなぁ。
 いつもは出しても80km/hなのだ。

狸穴:「ンじゃ、入るよ」
FZR:「はい」

 ちょっとハイサイドを警戒したのでビビった。通過しました。
 1個目のコブも判りませんでした。
 前タイヤは跳ねておりません。
 リアのOHLINSの方がネを上げ始めてます。
 この速度ではリアがついて来れないか……これ以上車速を上げるとなるとリアはバネの変更だなぁ。
 その前にライダーのスキルを上げないと……。
 アンダーステアも無く、ニュートラルステアでした。

FZR:「マスター、ちょとだけ判りました。このオイルはG
    が掛かった方が安定しますわ」
狸穴:「だねぇ。カートリッジ式用のREVの動きと近いか
    な……」
FZR:「わたくしはまだカートリッジ式をためしたことはご
    ざいませんが、#3よりも加・減衰の反転反応を早
    く処理してます」
狸穴:「オイル自体の慣性質量が軽いのかな……流動抵抗は
    どうなっているのだろうか???」
FZR:「マスターの大好きな『不思議』ですね」
狸穴:「んだ。でもあの状況でラインの変更を加えたら、フ
    レームの捻じれ剛性がこれ以上、車速を上げるとつい
    て来れない」
FZR:「ですね、わたくしのフレーム限界よりもフォークの
    動きが勝っています。耐Gでのたわみの戻りがキツ
    いです」
狸穴:「600cc以上のホイールベースが短めで、スイン
    グアームを長めに採った、キャスター角25度くら
    いのアルミフレーム向きだね」
FZR:「残念ながらそのようです。わたくしにあわせるには、
    やはり油面をあと10mm下げた方が良さそうです
    わ」
狸穴:「#4には悪いが、ちょっと性能を落して使わないと
    車体が保たないか」
FZR:「コーナリングのGを得るための出力的にも、わたく
    しでは足りませんし、その方が安全かと思います」

 遂にFZRでは間に合わないオイルにでっ喰わしてしまいました。
 う〜ん、どうしよう。
 でも、普通に真っ直ぐ走っている時の乗り心地も大変良いのだ。
 #3以上に細かな振動は吸収しているし。
 コレがいずれ将来のABSO−RRの基準に採用されるのかなぁ……。
 最近の過激なタイヤのこともあるし、公道用としては#4は市販しない方が吉かも。

「良過ぎる」と言う事も、いろいろあるのでした。
 R6とかでこの傾向の−REVオイルを使って公道で攻めまくられては、なんらかの外的要因により転倒した際の速度によって、その攻撃性とリスクがデカ過ぎます。
 慣れて来たら、気が強くなり速度が乗り過ぎるのでした。
 でも欲しい人は欲しいだろうし……参ったなぁ。

FZR:「マスター、この#4は別の性能の意味で、重量車に
    も使えますよ。V−maxさんやHD等の大きなア
    メリカンさんにも、とても合いそうですわ」
狸穴:「そか、加・減衰反応をもう少しマイルドにしておけ
    ば、#4の基本性能で重量車とかストロークを多く
    使う軽量なモトクロスや、モタードにも合うねぇ」
FZR:「ですわ。長距離を走る普通の正立タイプのフォーク
    のツアラーとか、ほとんどの重量車に合うはずです。
    もちろんそうなればわたくしと近い車体や、更に軽
    いSDRさんにも合うと思いますわ。レンジの広さ
    はありますから#4の存在は間違いではなかったか
    と思います」
狸穴:「そう言えば、最近ABSO−REVRSも密かに
    マイナーチェンジしたらしい。03以降のR6とか、
    CBR600RRのカートリッジ式のフォークに対
    応したとか」
FZR:「わたくしのページで扱うモノはいつも少しづつです
    が、常にアップデイトされているのでした」
狸穴:「勉強してるねぇ、FZR」
FZR:「はい。実験させられるのはわたくしだったりします
    ので、Dr,Kに、いつもお願いしておりますわ」
狸穴:「頑張って下さい〜」

マミアナ+FZRx

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