| このお題も、何度目の使用か判らないが……とにかく毎日良く走っているので、またオイル交換なのだ。
と言うことで、現在入っているmotorex 5W−40 を5000km使用した。
普通のオイルでは3000kmを目安に交換しているが、ほぼ街乗りだけのFZR250でmotorexを使う分には5000kmは余裕で性能を保っているのだ。
今までのベストは、性能的にはShell Advanceのオイルだったがコストパフォーマンスと言う項目を第一項目に置くと、4Lで6,000円のmotorexが一番になるのでした。
FZR250のエンジンは中のギアの歯数も細かく、オイルが剪断(せんだん)される回数も多く、エンジン自体がまた高回転。部品点数も潤滑を要する箇所の数も、1000ccの4気筒エンジンと大差ありません。
オイルにとっては細かく刻まれて泡立ちやすく、かなり過酷な状況なのでした。
FZR250のエンジンは更に粘度の低いオイルを要求します。
距離も走っているのでリングがヘタリ始めていることもあり、燃焼室で加圧されたガスが少しクランクケースの中に入って来たりして、オイルにとってはとても過酷な状況なのでした。
380話で実験していたオイルは約3000kmは保ちましたが、それ以降急激に性能を保持出来なくなりエンジントラブルを発生しました。
実験車両なのでFZRは大変なのでした。
FZR:「あのオイルは入れた当初は物凄く高性能でしたが、
2700kmを走ったあたりから急激に油膜の維持が
難しくなり、R246で最高負荷を掛けられた時は苦
しかったですわ」
狸穴:「ギアのは面は無事だったが、一部軸受部分はやられた
もんね」
FZR:「16個あるバルブのリフターの一部は壊れました」
狸穴:「摺動部の潤滑だし、デフォルト値よりクリアランス
を少しキツ目にしていたので軽く焼き付いていたっけ」
FZR:「3個ほどやられましたわ」
狸穴:「油圧が回転上昇に一時的に追いつかず、かかり切ら
なかったのかもね」
FZR:「色々な条件が重なりましたわ」
今度のオイルはその改良版です。
実験名は、TCO#2。(写真)
前回の#1は添加成分まで含めて100%鉱物系。
#2はベースオイルを化学合成油として、添加剤の触媒も新たに作られた、まったく違う新型なのだ。
こうして実験をすることによって、新しいオイルが出来るのでした。
そのためにFZRはあるのだ。
FZR:「ますたー、大丈夫なんですか」
狸穴:「オイルを揉んでみた感じでは物凄く良い。今まで色
々なオイルを使う前にこうして手指で揉んでみるのだ
が、良い感じがした」
FZR:「そうですか。でも前回のこともあるので心配です」
狸穴:「実は、今回はFZRよリも先にGSF750改やF
ZS1000やホンダの何台かのエンジンや、tur
bo付きの高性能な自動車エンジンで実験は始まって
いるのだ」
FZR:「その結果は……?」
狸穴:「全〜部良い。どのエンジンにも何の問題も発生して
いない」
FZR:「……保険としてEGAは入れるのですよね」
狸穴:「すでにこのオイル自体にEGAの機能が入っている
ので、その必要はない」
と言うことで実験開始〜。
実の処、前回トラブった際にピストンリングくらいは交換しようかと思って用意してあるのだが、どうせ実験するならば前回より過酷な状況を揃え、オイルのヘタリが早期に来るようにピストンリングはヘタったまま実験することにしました。
これから夏だし颱風も来るし、オイルとしては相当過酷な状況です。
この状況下でTCO#2オイルが保てば本物だ。
こうして更に何度かこのテの実験を、様々なテスト車両で実験して初めて世に送り出すことが出来るようになるのでした。
機材を使った耐久実験では、すでに高い性能を記録しています。
実際に走るエンジンに入れての実験の一部を、FZRでも担当することになったのでした。
Motorexをエンジンから全量出して、フィルターも換えます。
で、TCO#2の投入〜。どくどく。
2L入れてから一度エンジンを掛け、1分ほどアイドリング〜2000rpmくらいでオイルを回してエンジン停止。停止後3分ほど待ち、点検窓にて油量を確認。
油量は点検窓のレベルの下限を少し越えたあたりで合わせます。(あっしの癖です)
狸穴:「新しいオイルの第一印象はどうだ?」
FZR:「油膜はmotorexより薄い感じですが、強固な
感じです。摺動抵抗は極端に低い感じです。センター
チェーンに掛かるカムの抵抗もかなり少ないです」
狸穴:「スロットルに対しての反応も少し速くなったねぇ」
FZR:「油掻きリングに掛かる抵抗がかなり低くなっており
ますので、フリクションロスも低いようですわ」
狸穴:「後は走り出してからの感覚的な内容と、排熱量の確
認だな」
と、言うことで今日は非接触型の温度計測装置をもって走ります。
あっしもテストモードです。
世の中にはオメガとかまだ広くは知られていない、ものすごい性能を持ったオイルがあるのだ。
TCOもその内の一つになってくれるかなぁ……。
走り始めると、TCO#1同様にすぐに潤滑性能と低フリクションであることが感じられます。
2stのGEO効果と似ています。
排気量の小さいFZRでは特にその効果がはっきりと判ります。
でも今回のTCO#2は、大きな排気量のR−1とかに使ってもすぐに判るかも。
まだクラッチの滑りは起りません。
エンジン回転の上下動が当社比1.3倍の反応速度と言う感じ。
もう少し距離を走って馴染み始めれば、更に少し上がるかな。
普段と同じ加速量で走っているのだが、スロットルの開度は若干少ないです。
燃費にも影響するかも。
本来は、こんなに走ってるエンジンではなく、もっと各部のクリアランスが設計値に近い若いエンジンの、機械的な精度の限界を越えるためにこのオイルはあるのだろうが……FZRに使ってしまうと延命措置みたいです。わはは。
タコメータの横の水温計を見ると、走り始めて10分経つが普段より針1本分くらい低い値を示しております。
対してスネに感じるエンジン排熱は、いつもより高い感じ。
非接触型の温度計でクランクケースを測ってみると、90°でした。
オイルを入れ換える前は80°くらいだった。
オイル自体の熱伝導が良いので、クランクケースから直に排熱しているようです。
オイルパンの面積の大きい1000ccクラスのオートバイだと、この効果はもっと大きいのかな……。
パンで排熱している量が多いと言うことは、夏場の1000ccクラスのオートバイの、あの低温火傷になるくらい熱いエンジン排熱から少しは開放されるかな。
250ccと違い1000ccだと、夏場はダルマストーブを抱いて走っているような状態になるのでした。
出力が高ければ高いほどその傾向は激しくなります。
なので、1000cc以上のスーパースポーツと呼ばれるオートバイに乗るライダーは、下半身を夏でも革装備で守ったりしなければならなかったりするのでした……(ご苦労様です)。
しばらく走って、出力的にもロスが少ない分、力は上がっているような感じです。
後輪出力を測ってみたい〜。
狸穴:「ちょっとだけ速くなったねぇ」
FZR:「普通に街場を走っているわたくしよりも、排気量の
大きなネイキッドの400ccくらいでしたら負けな
いくらいでしょうか」
狸穴:「やってみないと判らないけど、多分勝てるんじゃな
いか?」
Exupの設定も少し変更しなければならないような感じです。
多分、ピストンが上下に移動する際の抵抗が減ったために、シリンダーの発生する負圧(吸入ブースト圧)が上がって、そのために同じ回転数でも多く混合気を吸入出来るようになったので燃焼効率も良くなっているのかも。
機械的にシリンダーベース面をオフして圧縮を上げていないのだから、高回転域で問題が発生するようなことも無さそうです。
ふと気がついたのだが、エンジン振動も減っている。
狸穴:「エンジンの振動、静かになったねぇ」
FZR:「ですね。わたくしのエンジンは元々振動源が少ない
構造なのですが、更に減っていますわ。先程渋滞にはま
りましたが、水温は普通に上がりますがシリンダーが苦
しんだりミッションが渋くなるようなことはございませ
んでした」
狸穴:「アイドリング回転は安定しており、熱により上下する
ことも無い」
FZR:「この状況に合わせて、吸気の効率が上がっている分の
排気側もexupの設定を全体的に開放方向に合せる
と、もっと楽になりそうです」
狸穴:「最終的には、消音器の容量不足が問題になるな……」
FZR:「ますたー、デフォルトよりも静かで効率の良い消音器
はまだですか」
狸穴:「……ごめん、ここの所お金が掛かることが少しあった
ので、FZRの分を全部使ってしまったからもう少し
まっていてくれ」
FZR:「はい。14000rpmを越える高回転域で問題にな
る程度ですので、待っておりますわ」
と言いながらも、最近の上限回転である18000rpmまで回して見たが、排気の圧力が上がっているので以前よりも音は大きくなったものの、圧出式に無理矢理排気しているのでした。
このあたりは容量が小さいと言えどもさすが、メーカー製の消音器です。良く出来ています。
今回、FZRでやっているオイルは粘度としては8W−45くらいだそうだが、250単気筒のXR系オフ車や、モタード系や中〜大型スクータが要求する10W−50とか、超高出力な大排気量車やビッグシングルに向けた10W−60等があると良いかなぁ。
FZR:「マスター、2stにはすでにWOOやGEOが用意
されております。わたくし達4stにもそう言うモノ
があっったら幸せですわ」
狸穴:「そか……んじゃ円陣家至高のDr.Kにお願いして
みるか……」
FZR:「はい。せっかくオイルを造れる能力がある会社のな
ですから、オメガさんのようなオイルを少しでも安価
で造って頂ければと思いますわ」
狸穴:「だな。でも、その前にこのオイルの耐久性がどのく
らいまであるのか、FZRのエンジンで実験〜」
と言うことで、走行距離80000kmを越えているエンジンで、渋滞&すり抜け&発進停止の続く都内の過酷な夏の期間、5000km先を目指してバグ出しをすることになったのでした。
コレに耐えればTCO#2、良いオイルです。
心配なのは、価格かな……。
マミアナ+FZRx
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