Vol.376 猪? 2003-04-04

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 もう少し経つと夏です。
 街行く人の服装も少しずつ軽装になり始めております。

FZR:「本日はどちらへ行くのですか」
狸穴:「今日は、甲州街道方面だ」
FZR:「久方振りですね」
狸穴:「と言っても2ヶ月ぶり位かな」
FZR:「マスターが前に生息していたエリアですよね」
狸穴:「だな。国道20号線の環八までは車の流れも判って
    いるので、走り易いのだ」
FZR:「ですね、マスターの走り方が他のエリアとは全く違
    いますので、判りますわ」

 R20、R246あたりの交通の流れのリズムは身体に染みついているので、よく判っているのだ。
 これと言って考えなくても身体がオートマチックに反応して一番安全と思われるすり抜け時の進入コース選択や、直上を走る高速道路からの合流の間合いをみるのは楽なのでした。
 今住んでいる6号線よりも、交差する道路や交通量は多くてもR20の方が全然走り易く感じます。
 6号線と違い、横からフラフラと安全確認しないで出て来る自動車も少ないし、このあたりのドライバーはオートバイがどの位の速度で走っているのかを理解している率が高いのでした。
 対して、6号線のドライバーはオートバイの移動速度を一瞬で見切るスキルを獲得しているドライバーは少ないです。
 夜間ともなると、ファミリーレストランの駐車場から本線に合流する際に、直前に安全確認すらしないでポンと出て来る軽自動車の女性ドライバーの多いこと……。
 年に3回くらいは飛び出しした軽に、大型トラックがブチ当たり、ご昇天しているのを見掛けます。
 まるで自殺のようです。
 彼等には大型トラックすら確認出来ないのでした……。
 なので、道路の左側に寄って走ると危険なので、中心寄りを走ります。
 R20だと車線数も多いし、この手の練度の低いドライバーは比較的少ないので走り易いのでした。
 でも注意だ。

 で、ある所の交差点の赤信号で停まっていると、視界右側から歩行者信号が赤にもかかわらず、小形の猪のように突進して来る小柄な女子大生風体の人間が一名……。
 交差する自動車用の信号が青に変りました。
 別車線をすり抜けして来た250ccのスクーターが信号が青なので急発進すると、クリティカル・ヒット!!
 ……猪は飛んで行きました。

FZR:「マスター、事故ですね」
狸穴:「やっちゃったねぇ……」
FZR:「どうしますか」
狸穴:「う〜、予定では時間無いけど、事故だし全部見てた
    しね……」
FZR:「このまま車道に放置って訳にも行きませんよね」
狸穴:「だな、なんとかするか」

 ということで、事故処理なのでした。
 放置しておけば後続の車に踏まれるし、二次事故三次事故も誘発するだろうから交通の流れを確保しながら現状維持に勤め……面倒です。
 すぐ横にいたメルセデスのおじさんに、そのままそこで停まって現場を確保しておいてくれるかとお願いしたら、快諾してくれました。
 ハザードを焚いて三角停止表示機材を出して、発煙筒を焚いてくれるとの事。
 ドライバーの任意とはいえ、帰宅を急ぐのにありがたいですね〜
 とりあえずFZRを舗道に停車させて、跳ねられたお姉ちゃんの所へ。
 跳ねたスクーターの兄ちゃんも路肩にスクーターを止めてボ〜としてます。

兄ちゃん:「当ったっす」
狸  穴:「当ったねぇ。とりあえず交通整理だ」
兄ちゃん:「見えなかったです」
狸  穴:「任意保険は?」
兄ちゃん:「入ってないっす」

 兄ちゃんは後続の車列の交通整理。
 流れ始めた車列からは好奇な視線。
 たまに指差して笑ってやがる……。
 お姉ちゃんはボーっとして、スカート捲れたまま薄いグリーンのパンツ丸出しで仰臥しているので、とりあえずはヘソまで出ているスカートを戻します。
 目立った流血や失禁はない模様。
 左足の膝と太もも、臀部にヒットの跡……折れてないと良いなぁ。
 右膝と右掌と鼻先と唇は、跳ばされた時に付いた擦過傷。
 前歯が折れていないか確認のために唇をめくってみると、気がついたようです。

女性:「おじさん、誰?」
狸穴:「狸穴と申します」
女性:「私どうしたの?」
狸穴:「事故った」
女性:「……痛タ」
狸穴:「まだ動いちゃ駄目です。力抜いて〜、足触るからね
    右側から」

 泣いております。
 靴を引っ張ってみます。

狸穴:「判る?」
女性:「はい」
狸穴:「んじゃ左」
女性:「判るけど動かすと凄く痛ぇよ!!」
狸穴:「少しスネが腫れて来てるし、骨が折れてるかも」
女性:「痛タ……〜!! ヤメレ」
狸穴:「救急車呼ぶからそのまま動かないように。臓器が大
    量出血していると厄介だから、立上がったり動いた
    りしない方が良いです」

 内出血の方が恐いのだ。
 救急車だな。
 ということで救急車と警察を要請。
 その他の身体の各部を点検。
 はたいてみた感じじゃ肋骨も折れて無いみたい。
 他は折れたりしていない感じ……。
 車道の真中じゃ危険なので、お姉ちゃんにはまだ動ける両手であっしの首にぶら下がってもらい、抱えて路肩に低い姿勢のままゆっくり曳航。
 小さいけど、重いです。
 寒いというので、メルセデスのおじさんがトランクからクッションと毛布を持って来てくれた。
 ……折れたな。
 お姉ちゃんのブチ撒けた所持品を集めて来た。

ベンツ:「全部見てたけど、お姉ちゃんも信号無視してて悪
     かったぞ」
女 性:「済みません」エ〜ン。
ベンツ:「当ったのは俺じゃないよ。向うで交通整理してい
     るスクーターのお兄さんだ」

 5分もすると警察が来た、すぐに救急車も到着。
 人身事故だと到着が速いです。
 本職による事故処理の開始です。

巡査:「で、当ったのはあたなでしょ。こっち来て」

 とあっしを引っ張ります。

狸穴:「外れです。あっちの兄ちゃんが当事者であっしは見
    てただけ」
巡査:「あっそう、んじゃあんたはここで待ってて」
狸穴:「へい」

 巡査は苦虫を噛んだ顔して、兄ちゃんの方へ行ってしまいました。

FZR:「お姉さん大丈夫でしたか」
狸穴:「骨折かも」
FZR:「頭は直接打っていないようでしたけど」
狸穴:「意識はかなり戻っているみたいだけど、当ったこと
    は覚えていないらしい」
FZR:「250ccのスクーターのゼロ発進加速って強いん
    ですね」
狸穴:「だな。姉ちゃんの方も赤信号を無視していたから過
    失はある」
FZR:「……気を付けましょうね」
狸穴:「だな。思いきり信号無視してたもんな……この時期
    だと新しく引っ越して来たばかりだったのかも」
FZR:「ですね。4月ですから新入学生かも知れませんね」
狸穴:「世の中は普段より少し焦っている時期なのだ。気を
    つけよう〜」
FZR:「はい」

 兄ちゃんのスクーターも前回りが少し壊れておりました。
 連絡先を訊かれてお終い。
 メルセデスのおじさんとあっしから少しづつ話を聴いてから巡査は、

巡査:「この時期は特に接触事故が多いからお気を付けて。ご協力ありがとうございました。あんた達は逝って良し!!」とのこと。

 救急隊もお姉ちゃんを担架に積んで何処かの病院へ搬送。ピポ〜。
 たぶん足は折れているだろうとの事でした。
 この時期から6月位までは要注意なのだ。
 皆様もお気を付けて〜。

メルセデスのおじさん 姉ちゃん 兄ちゃん 巡査
マミアナ+FZRx

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