| FZR:「マスター、去年の暮れ辺りからなんだか変ですね。
マスターのセンターが若干右側にオフセットされて
ますが」
狸穴:「そか? 普段と大して変らんが。FZRのカン違い
じゃないの?」
FZR:「そうですか? 最近変ったわたくしの新しいアンダ
ーブラケットの精度でマスターを計測しますと。確
かに右にズレておりますわ」
狸穴:「そか……バレてたか」
FZR:「……改造に失敗でもしたのですか」
狸穴:「違うのだ、今使っている身体もそろそろ古くなって
来て、ガタが出て来ているので、去年の暮れ辺りか
ら寒さも手伝い、左胸内部がずーっと痛むのだ。普
段は痛覚は遮断してあるから感じないけど、身体の
方は勝手に反応しているらしい」
FZR:「それって、病気と言う事ですか」
狸穴:「さて……どうだか、違うんじゃないかなぁ」
FZR:「マスターのヒューマノイドな左胸部の中には、確か
#1循環ポンプが入ってましたよね」
狸穴:「んだ。#2は足の裏にあるが」
FZR:「その#1ポンプの不調では?」
狸穴:「そうかも……旧式のデカイ奴だし交換パーツも無い
からなぁ。付けた時にはデカイ方が回転数が少なく
済み寿命が長いと聞いていたのだが、経年変化には
適わないと言う事かな」
FZR:「地球産の材料になりますが、わたくしのオイルポン
プと同じ物を造られてはいかがですか」
狸穴:「そうだなぁ、今度止ったらそうするよ」
FZR:「交換パーツの出ない古い機体ですのでお大事に」
狸穴:「FZRに古いと言われてもなぁ……ちょっと悲しい
気がする」
それでも少し暖かくなってきて、楽にはなって来たのだ。
元々寒さには弱い構造らしく、暑くなれば負担も減ってすぐに直るでしょう。
13億7千万年だし、ある程度古いのはFZRの言うとおりなのだが今回の冬は少し長く厳しかったようです。
まぁ、バックアップ用に#2のポンプが付いてるし〜、こう言うことは年齢データと同じく忘れて居るのが一番幸せなのだ。
せいぜいFZRの御荷物にならないようにしなくては……。
FZR:「マスターがしっかりしていないと、わたくしが一番
困るのでした」
ははは……。
FZR:「そう言えば、久々にわたくしは空荷で走っております
わ」
狸穴:「そうだねぇ、久しぶりに空荷だ。ココのところ良く何
かを運んだもんね〜」
FZR:「これでマスターの重量があと5kgほど軽いと理想
的ですわ」
狸穴:「こりゃ失礼。冬季はヒューマノイドでも少し重くな
るのだ」
FZR:「鎧も着てますし」
狸穴:「んだ。でもそろそろ桜が咲いて暖かくなれば、自然
と軽くなるよ」
FZR:「桜ですか。今年もわたくしの桜は咲いているかしら」
狸穴:「頑張って咲いてくれるとイイね〜」
都内の某所に小さな桜ですが、FZRが自分専用として懇意にしている桜の樹があるのでした。
去年の春は多少忙しかったからその前を通過しただけで、停まって花見までは出来ないでいたのでした。
FZR:「今年はちゃんと見に行きましょうね」
狸穴:「弁当でもこさえて、花見するか」
FZR:「はい」
狸穴:「お金も掛からんし、ありがたい」
FZR:「マスター、最近お仕事が減っているようですが、お
金のことばかり考えないでくださいね」
狸穴:「へい」
FZR:「お金の事ばかり考えていると、お身体にもお仕事にも
支障を来しますわ」
狸穴:「……そうだった。俺の仕事は金勘定ばかっりしていた
ら、ろくな事にならんのだったっけ」
FZR:「最近、予算がどちらさまも厳しいですものね」
狸穴:「こりゃ目から鱗だ……いろいろと忘れていたよ」
FZR:「では気分転換に、今年はわたくしとあの桜をフィルム
で撮影してください」
狸穴:「……そう言えば最近デジばかりで、フィルムは使って
なかったっけ」
FZR:「お仕事ではないのですが、わたくしからの撮影依頼で
す」
狸穴:「いつもFZRには世話になってるしな、んじゃ久しぶ
りにフィルム使うか!!」
フィルムを使う、というだけでちょっとドキドキしているのでした。
たまにはこう言う事があってもイイのだ。
あ……アシスタントはどうしようか?
テメェのオートバイに助けられて、なにやってんだか。
マミアナ+FZRx
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