Vol.371 カ〜ニ 2003-03-19

←前回 次回→


 いつもFZRの後輪で頑張っている、甲殻類の蟹に似た形状からカ〜ニと命名されてしまった、brembo社の2ポッドキャスト型ブレーキ・キャリパー。
 FZRのリアアームがTZR250後方排気の物に変更された段階では、ヤマハ純正のキャリパーが手元に無かったので装着される事になった。
 純正品に比べてカ〜ニはパッド面積も小さく、絶対的な初期制動力も落ちる事になるのだが、その内部構造には耐蝕処理されたアルミ製のキャリパー・ピストン(パッドを押している奴)をちゃっかり内包していたのでした。
 それに、値段もパッド付きで13000円と安く、ランニングコストもこれまた安い。

FZR:「わたくしの飼うカ〜ニの事ですね」
狸穴:「んだ。いつも頑張っているから、たまには表題に取
   り上げようかと思ってね」
FZR:「ではわたくしの妄想回路のサブルーチンを使って、
   一時的にカ〜ニも日本語でお話出来るように設定致し
   ます。少しお待ちください」

 そう言えばたまに話に出て来ても、カ〜ニは「豪」とか「轟」と鳴くだけで。いつもFZRが翻訳していたんだっけ……。

FZR:「どうぞ、用意が出来ましたわ」
狸穴:「カ〜ニ?」
カ〜ニ:「へ〜い、直接のお声掛かりですねぇ、狸穴氏。日本
   語をしゃべるのは正式には始めてです」
狸穴:「いつもご苦労様」
カ〜ニ:「狸穴氏はホントに扱いが荒いので苦労しております」
狸穴:「どういう訳かアクシデントが多い所を走っているか
   らねぇ……」
FZR:「カ〜ニ、お行儀良くしてなくちゃだめですよ。マス
   ターに文句ばかり言っては駄目です」
カ〜ニ:「姐さん、ちゃんとマスター狸穴にあっしの事をもっ
   と大切に扱ってくれるように言って頂きたい」
狸穴:「スマンね〜。ここの所ちょっと扱い悪過ぎたかな」
カ〜ニ:「まぁ、あっしはほとんどの場合リアブレーキキャリ
   パーとして使われる身ですから、扱いが荒くなるって
   のは重々承知でやんすが、先日の大雨の日には参りや
   した」
狸穴:「ありゃ、雨だと確かにリアの使用時間は多くなるけ
   ど、そんなに参るほどの事はしてないが……」
カ〜ニ:「リアのアクスルシャフトさんも『水没は堪んないっ』
   て、言ってやしたぜ」
狸穴:「あ、そうか確かに水深の深い所にそっくり水没した
   か」
カ〜ニ:「いくらあっしがカニでも、実際に水に漬かるのはあ
   まりイイ気分じゃこざんせん」
狸穴:「そか、んじゃこれからそうならないように注意する
   よ」
カ〜ニ:「よろしく頼んますよ、旦那。それと先日ご用意頂い
   た新品のパッドに換えて下せぇ、すっかりライニング
   が減っちまって、そろそろバックプレートがディスク
   に当り始めます」
狸穴:「へいへい」

 カ〜ニは自分のパッドが新しく用意されている事を知っているのでした。
 まぁ、交通量の多い渋滞ばかりの都内ですり抜けの機会が多いので良く使っていることは確かなのだが、それほど痛めつけている訳ではないのだ。

狸穴:「ついでにき〜氏のご厚意で、ディスクロータも減っ
   ていない物に換える」
カ〜ニ:「き〜氏はあっしの事を判っていらっしゃる」
狸穴:「ロータの精度が高ければブレーキの効きも正確にな
   るもんね」
カ〜ニ:「へい、そうでやんす」

 と言う事で、リア・ホイールを外してカ〜ニを清掃しながらパッドとロータの交換。
 ところがリア・アクスルシャフトを抜こうとしても全然動かない……。
 そういえばリアのアクスルシャフト、ちょっと傷が入っていたんだっけ……そこから錆びが出て径が大きくなったかな?
 やむなくリア・アクスルシャフトを軽く叩いてみると、少しづつ抜けて来ました。
 原因はカ〜ニの乗っているサポートの位置を決めているアルミ製のカラーの内径精度が少しキツかっただけのようです。コレもちょっと拡げて終了〜。
 3MA用のリア・アクスルシャフトの表面を一度灯油で洗いながら、軽く紙やすりでサラって表面を点検。
 問題はありませんでした。
 この手のパーツはホンダさんの部品の方が表面処理(メッキ)がしっかりしていて、良い部品を使っている。
 一方、シール類は先日の水没時の水圧にも耐えて問題無し。
 ホイールベアリングもハブのベアリングも動きは全く問題無し。
 さすがグリシン、水分にも強いです。

 カ〜ニも前回のパッド交換の際にO/Hしてあるのでキャリパー・ピストンの縁に付いたブレーキ・ダストを清掃して、ABSOフレンドを少量キャリパー・ピストンに塗布して指で数回奥に押込んで、新品のカーボン・ロレイヌ製のパッド(今回は先日罰金を払ったので、予算の関係上エコノミー版に戻った)を入れ換え車体に戻して作業は終了〜。
 左右のキャリパー・ピストンの出具合と戻り具合の差は無し。
 リアのタイヤも釘等は食らっていないので問題無し。
 リア・タイヤを換えてから9000km走ったけれど、溝も7分山残っている。

FZR:「大切に使っておりますわ」
狸穴:「FZRはタイヤ減らないね〜、ホイールをサイズア
   ップする以前の《秋水號》は4000kmくらいしか
   保たなかったってさ(編註:リアは2500kmでした)
FZR:「早いんですね」
狸穴:「今の秋水は早々減るタイヤを使ってないし、充分持つ
   だろう」
FZR:「そうですね」
カ〜ニ:「狸穴氏、久々に清掃点検&パッド交換をありがとう
   ございやした」
狸穴:「良かったね〜ディスクも新しくなって」
カ〜ニ:「先程まで付いていたディスク・ロータには、可哀想
   な事を致しやした……」
狸穴:「今度は大切に使おう」
カ〜ニ:「へい」

 減速の際にはフロントに荷重を移行させるため、一瞬早くリア・ブレーキで姿勢を制御しながらフロントブレーキで減速を掛けます。
 リア・ブレーキは危険回避の多いあっしにとっては、ある意味フロント・ブレーキよりも重要でタッチ等の精度を要求するのでした。
 走行の際に危険度が上がれば上がるほどリア・ブレーキの使用機会は増えます。
 それだけ強い負荷が掛かるのでした。
 小さなボディーのカ〜ニはFZRのリア・アームの先ッポで、必死で応えているのでした。
 カ〜ニの装着前にキャリパーの開きをノギスで計測してみたが、開きは無し。
 まだ交換する必要はなさそうです。
 brembo社のキャスト・キャリパーは実のところ大変精度も高く、耐久性も高いのでした。
 さすが名家の出です。
 元々、イタリアの鋳物技術は世界一高く、そのためbrembo社の場合は他国車両の純正品としても採用されていたりします。
 あっしの所にいる944も、turbo車だけはデフォルトでbrembo製です。
 15年前のモノですが、今の交通の流れでも何等問題はありません。
 また、ブレーキに憑物の耐フェード性等も放熱が上手いようで、サーキットで激しく使っても問題が発生した事は一度もありませんでした。
 ロータも赤熱したり凄いですけど……。

 減速するための部品なので、このあたりは重要なのでした。
 ただし、オートバイの場合は車体の強度を考えると、車種によっては効き過ぎてフレームに負担を与える場合もありますのでご注意を。
 逆に重量車の場合はパッド面積が足りないので、効きが弱いと感じられるかも。
 また、キャリパー・サポートも取付構造や材質を考えないと、モノによってはパッド交換3回くらいで曲ってしまったり、取り付け穴が荒れて拡がっている物もございますのでご注意を……どこの製品とは言いませんけど。

カ〜ニ:「んじゃまた、皆様〜」

マミアナ+FZRx+カ〜ニ

←前回 次回→

FZR250 トップ NS400R TOP


Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.