Vol.361 密造パン 2003-02-08

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 腹が減ったので何か食べなければならない。
 残念な事にあっしは、現在擬態するのに地球人型の形態を採用しているので、燃料摂取方法を食べるという行為に依存しなければならない。
 以前は、130万年に一度だけ太陽に接近して、放射されるある種の光子を糧としていたり、何かが念じる力や音を熱源変換していたりしたのだが……。
 と、言う事で表題通りにどうせ喰うなら一番好きなものを、とパンを製造する事にしたのだ。
 買って来たパンはあるのだが、自分で造ってみます。
 パンを造るには、まず小麦粉を用意してイースト菌発酵とか……何かと厄介なのである。
 専門的な教育など受けた事もないし、記憶領域のどこを探ってもその手のデータは無い。
 と言う事でwebにパンを造るページがたくさんあったのを思い出し、適当に幾つか見て造ってみました。
 製造過程でキッチンは粉だらけになるは、排水管は詰まるは大変でしたけれど、一番大変だったのは、電子レンジ兼電熱オーブンになっている機材の中で大きくなり過ぎて危うく火災になる所でした。
 レンジから少量の黒煙が上がっております。
 量を勘定していなかったのと、蓋を必要としていたのに空いたままだったのがいけなかったのだ。

狸穴:「あっちち〜」
FZR:「マスター……」
狸穴:「エライ事になった!!」

 とりあえず送電を元から断して、レンジごとシャワー。
ジュ〜。ピキピキ……チーン。
 消火完了。
 うちの風呂場はたまに蝋付け熔接の現場になったり、写真用の廃棄薬品処理現場(ちゃんと中和してます)になったりで忙しい現場なのでした。
 ちょっと濡れてて焦げてるし、中はまだナマ状態だけれど喰えないことはないパンが出来上がりました。
 濡れたままでは美味しくなかったので、フライパンで焼いて水気を飛ばします。
 こんなことなら、レンジでチンするだけのパン焼きキットを買ってきて喰えば良かった……。
 ……後かたづけが大変そうだ。

FZR:「どんなお味ですか」
狸穴:「……まいう〜」
FZR:「そんな風には見えませんが」
狸穴:「パンというか……パイ生地に近い状態だけど妙に美
   味いよ。FZRは食べられなくて残念だね〜」
FZR:「マスターの味覚は金星版ですものね……ヤレヤレ」

 それよりも水没した電子レンジをどう再生するか……。
 かつてはFZRのエンジンも半ばそんな状態だったし、なんとかなるかな……。
 とりあえず内部部品をとり出して、水切りしてから天日で干します。
 電子レンジの日干しなのだ。
 実は今使っているほとんど見る事の無いテレビから色が消えた時に、テレビを開けて適当に掃除機で埃を吸い取ってから、水を掛けながらブラシで洗った事があるのだ。
 その後2週間ほど陰干しして、テレビは回復し今に至っております。
 故障原因は埃の堆積によるショートが原因だったらしく、その後元気に稼働しております。

FZR:「マスター、本当はそんな使い方をしてはいけないの
   ですよ」
狸穴:「良く乾燥させないとな」
FZR:「そう言う問題ではないように思いますが……」
狸穴:「ついでにレンジの中もキレイに出来る。想定以上に
   汚れておった」
FZR:「レンジさんも災難ですね……」
狸穴:「テレビよりは複雑じゃないから、乾燥も早いよ」

 と言う事で現在乾燥中。
 作業が終わってから、多く造り過ぎて残ったパンを食べようと思ったら、石のように固くなっておりました。
 歯が立ちません。

狸穴:「おい、パン。何でそんなに固くなったのだ」
パン:「製造過程で問題が発生したようです。私はすでにパ
   ンではありません」
狸穴:「うっFZRのような奴……失敗だったか。やむをえ
   ん、ではディスク・サンダーでガ〜っと削ってパン粉
   にしてやろう」

 と、言う事で今夜は揚げ物です。
 粉になればまた喰えるのだ。(少しお皿にくっ付いていたので、皿の一部も混じってます)

FZR:「お身体、大丈夫ですか」
狸穴:「鋼の胃は何ともない」
FZR:「マスターの臓器は頑丈なのですね」
狸穴:「毎日がサバイバルなのだ」

 次回はちゃんと焼けるでしょう〜。
 肉や魚も造れれば良いのだが……残念ながらあっしの科学力では造れません。
 自然と共に巧くバランスを取ってやっていくしかないのだ。
 自然は凄いです。

狸穴:「バランスで思い出したが……」
FZR:「……なんでしょうか、また良からぬ事を考えていた
   のですか」
狸穴:「オートバイに乗るためにはバランスを取らなきゃな
   らん」
FZR:「はい、そのとおりです」
狸穴:「真っ直ぐ走っている時も、曲っている時も、加速中も
   減速中もバランスは必要だよな」
FZR:「いつでもバランスしていないと、わたくし達には乗れ
   ません」
狸穴:「普段からバランスを取るような状態にあれば、バラン
   スを取る機能を常に更新出来る訳だ」
FZR:「そうですが……マスターにその努力が出来るでしょう
   か」
狸穴:「出来そうな器具を一つ見付けた」
FZR:「……大丈夫なんですか」
狸穴:「今の俺は人間と同じ形をしているから、多分コレは使
   えるよ。やってみるかな」
FZR:「どんなモノだか判りませんが、変な事に使わないでく
   ださいね」
狸穴:「了解。巧くすればダイエットや体形改善にも使えるか
   も」
FZR:「なんなのですか? 気になります」
狸穴:「一度我が身で実験してから報告するよ」
FZR:「では、気長にお待ちしておりますわ」

 バランスは人類にも大切なことなのでした。

パン(だったモノ) マミアナ+FZRx

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