Vol.352 歳の瀬 2002-12-26

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 クリスマスも終わり、次なるイベントは大晦日&お正月。
 毎年この時期は交通の流れが普段と違うのである。
 西暦が変わるだけなのだが、年末年始と言う事で人間の気分は普段と少し違うのでした。

FZR:「毎年そうですね」
狸穴:「だねぇ。人間はこの時期を境に、色々と仕切り直し
   をしたりしているようだよ」
FZR:「皆で一斉に仕切り直すと言う事が必要なのですよね」
狸穴:「そうらしい」
FZR:「わたくし達にはあまり関係無いかも知れませんね」
狸穴:「そうだな。でもFZRの部品屋さんとかも、この時
   期休みになってしまったりするから多少の影響はある
   のだ」
FZR:「わたくしのストックしている部品だけで間に合わな
   い場合は、新たに買わねばならないので、困ります
   わ」
狸穴:「んだ。でも、先日クラッチも直したし、ステム(あ
   ……ハンドルの心棒の部分です)もベアリングを打ち
   換えたし、どこも壊れる要素は無いだろう」
FZR:「ステムのベアリング、新しくなると少しだけ走り易
   いですわ」
狸穴:「とりあえず、5000kmごとにメンテナスをして
   いればステムは長持すると言う事も判ったし、200
   2年も一年間ご苦労さま、と言う感じだな」
FZR:「そうですね。なんだか長かったような短かったような」
狸穴:「それなりに忙しかったんじゃないか?」
FZR:「そうかも」

 クラッチも、交換してから約600kmを走りやっと馴染み始めました。
 交換当初は、クランクシャフト側のギアとプライマリードリブンギアコンプリートのアタリがキツくて、ギアの音がそれまでの×2でヒュンヒュン鳴っていたのでした。
 今は、×1.5程度。
 ヤマハのエンジンにはギア音が出るパターンが、機種によってはあるのでした。ホンダも多いね。
 それだけしっかり噛み合って動いているギアなのですが、オイルにとてはそのたびに剪断されるので、ちょっと辛いかも。
 オイルを構成している物質の分子構成が、そのたびに破壊と再生を繰り返す事になっているようです。
 自動車でも同じ事がおこってはいるのだが、使用回転数がオートバイより低かったり、ミッションとエンジンが分離していたりで、オイル的には自動車のエンジンは楽が出来るのでした。
 オートバイのオイルの交換サイクルは普通3000〜5000kmくらい。
 NAな自動車は10000kmくらい保つようです。
 大抵のオートバイの場合、エンジンとミッション・クラッチを同じオイルで潤滑してます。
 そのために、エンジンオイルにはクラッチダストをフィルターに運び込む清浄作用の仕事や、ミッションやクランクを潤滑しながらも、減摩剤を使わないでクラッチを滑らせない構造が必要なのでした。
 クラッチがエンジンやミッションから切り離された違う部屋にあれば、減摩剤成分をふんだんに使った自動車と同じ形式のオイルが使えて、交換サイクルも5000〜8000km位に延ばせるのですが……。
 乾式クラッチならばそれも可能。
 でも、エンジンの事を考えると、やはり3000kmに一度はオイル交換したいですね〜。

FZR:「わたくしの場合は湿式クラチですし、オイルも2L
   しか入れられません。さらに250/IL4な形式の
   エンジンですから、発進時の半クラッチ時間も長くク
   ラッチミート回転数もちょっと高目なので、オイル選
   択には厳しい状況かも」
狸穴:「だな。FZRみたいなエンジンを積んだオートバイ
   は、ある一定以上のオイルの能力に頼らないとならな
   い構成だ」
FZR:「そのための対策をメーカーは機械的にされているの
   でしょうか」
狸穴:「されているみたいだよ。FZRの場合は純正オイル
   でエフェロ・FXと言う特殊なオイルも用意されてい
   るし、機械的にはクラッチの半径を小さくして半クラッ
   チが長く回転数が高くても、クラッチダストの出る量
   を最小限に留めている」
FZR:「それで小さな径のクラッチなのですね」
狸穴:「それにexupと言う排気デバイスを最大限に利用
   して、シリンダーの充填効率を上げることで低回転域
   でもトルクを稼いでいるから、2000rpmくらい
   でも普通に発進しようと思えば出来る」
FZR:「そうでした。わたくしには妄想回路とか言われてま
   すけど、exupと言う凄い機能があるのでした」
狸穴:「そのおかげで、都内の発進停止の多い路上でも普通
   に走れるのだ」
FZR:「メーカーは凄いんですね。感謝しております」
狸穴:「んだ。でも季節や走行状況を測って、もうちょっと
   細かくマップを合せられると良かったかな」
FZR:「後年になってマスターと谷博士が造ってくれた、わ
   たくしの妄想回路はそのあたりも合っているのですよね
   ……」
狸穴:「FZRはエンジンも変わっているから、その辺も合
   わせて換えてあるから問題無し」
FZR:「そう言えば最近谷博士にお会いしておりませんが……」
狸穴:「博士はまたアメリカに連れて行かれて、帰って来て
   いないから。今度一旦帰って来るのは2月くらいだそ
   うだ」
FZR:「それまでに何かトラブルがあったら困ります」
狸穴:「大丈夫。予備の回路もストックしてある」
FZR:「ますた……それって、わたくしの冬用回路の事です
   か」
狸穴:「実はそうなのだ。覚えていたねぇ〜」
FZR:「気温が15°を下まわる季節になっても回路の交換
   をされておりませんので、不思議に思っておりました」
狸穴:「冬用回路は、今使っている夏用回路よりも低速の方
   を重視したプログラムニなっているのだが、残念なが
   らFZRの発電機のコイルとレクチャーファイヤーレ
   ギュレイターがちょっと調子が良く無いので、夏用回
   路のまま回転数を普段の冬より1000回転上げて走
   っているのでした」
FZR:「冬用回路だと回転数が下がってしまうのですか」
狸穴:「発生トルクのカーブがちょっと下寄りの回転数に合
   さっているので、回転数が下がってしまうかな。ジェ
   ネレーターの回転数を稼ぎたいのだ。いずれ直すよ」
FZR:「なんかトラブッているのでしょうか。でも回転数は
   上げても構わないのですよね……」
狸穴:「んだ。7000rpm位で走れれば問題無い状態」
FZR:「それだと燃焼室や排気ポートや排気管にカーボンが
   溜まりません?」
狸穴:「そのあたりも合せてあるから大丈夫。たまに1400
   0rpm位で数分間巡航してやればすぐに落ちるさ」
FZR:「なるほど、わたくしはそういう造りになっているの
   ですね」
狸穴:「んだ」

 タンブルフローとかスワール等を色々考えて点火時期も合せてあるのでした。
 当初は高回転域でのノッキングを心配しましたが、それも無く成功〜。
 燃費も平均して20km/Lを下まわる事はありません。
 この状態で約60000km走って、まだ大きな故障も無いのだから一応成功と言ってもイイかな……。
 発電系に抱えている不具合も、ジェネレイターのコイルを交換するか巻き直せば解消する程度。
 現状維持でも問題は無いかな。

FZR:「マスター、最近道路の流れが普段と違いますね」
狸穴:「ちょっとね。検問も多いし、普段自動車をあまり運
   転しない感じのドライバーも多い。全体的に交通量も
   増えてるね」
FZR:「歳の瀬だから?」
狸穴:「多分そうだろ。年内になんとか抱えている仕事を終
   わらせたい人が多いのだ」
FZR:「マスターもそうですか」
狸穴:「うちの仕事は……残念ながら越年確定の仕事がたく
   さん。皆予算が下りないので後回しになっている状態」
FZR:「今以上に予算が縮小されるのですか」
狸穴:「そうならない事を願うしかないなぁ。予算にも削れ
   る限界がある。これ以上予算を削ったら、残念ながら
   要求された撮影は出来ないからその仕事は断るしかな
   い」
FZR:「それではご飯が食べられません」
狸穴:「やむをえんさ、要求を満たせないんだから。これ以
   上予算が下がったら誰が撮影しても同じ出来上がりに
   なるから、そこの社員が撮っても同じ」
FZR:「あらら……」
狸穴:「その予算を無理して呑んで、同じ上がりを出したら、
   次から誰にも期待されなくなる。そうなるくらいなら
   ば消えた方が良い」
FZR:「マスターなら、そうですね……」
狸穴:「大丈夫、それでもFZRの一台くらいは維持出来る。
   ご安心アレ」
FZR:「世の中、厳しいのですね」
狸穴:「んだ。でも、誰がそうしているかと言えば、別に国が
   おかしくなっているだけじゃ無いようだよ。掛るモノ
   が掛ると言う認識が甘いだけ。それをやっているから
   質が下がって、結局は自分たちに返って来ている」
FZR:「わたくし達オートバイにも、その影響は出ているので
   しょうか。『質』を要求されなくなった時のわたくし
   達はかなり危険ですわ。4輪はもっと……」
狸穴:「……まだ今のところは各オートバイ・メーカーが頑張
   っているので、出てないかなぁ……でもこれ以上コス
   トを意識すると、危険な領域に入って来るかもね。売
   れ筋の低価格車のキャリパーとかリアショックとか、
   細かな機械部品の耐応年数をみて視ると判るかも」
FZR:「困りますわ」
狸穴:「困るねぇ」
FZR:「誰かが頑張るんじゃなくて、皆が頑張るしかないとか?」
狸穴:「凄いね〜FZR、そのとおりだよ。皆もそれに早く気
   付いて頂きたいね」
FZR:「以前月の裏側で話て頂いた『春夫と秋夫』お話を思
   い出しました」
狸穴:「そか」
FZR:「春夫はコツコツ頑張っていて収穫を迎え、秋夫は浪費
   ばかりして酷寒の冬になるのですよね」
狸穴:「農耕民族のお話だったかな。今じゃ狩猟民族なんてど
   こにもいないもんね」
FZR:「春夫の数よりも秋夫の数の方が多いのでしょうか」
狸穴:「そうかも」
FZR:「マスターのお仕事は春夫が多くないと、サッパリなの
   ですよね」
狸穴:「んだ。だから明日からもう少し春夫になるのだ」
FZR:「皆がそう思ってくれるとイイですね」
狸穴:「皆もそれに気がついてるさ。実行してないでぼんやり
   しているだけ。このぼんやりもまた格別な味わいがあ
   るんだけど、落ちるのは早い」
FZR:「わたくし達はいつでも春夫です。タイヤが減っていた
   ってチェーンが延びていたって、いつでも各マスター
   をなるべく安全にお乗せしております。マスターも春
   夫でいてくださいね。人間って不思議ですね」
狸穴:「へいへい。不思議だねぇ。ここを見ているのは多分
   ライダーだけだろうから、『ライダー発/春夫計画』
   なんてのをやって貰いたいなぁ」
FZR:「ライダー発、なのですか」
狸穴:「普段は他人と逆の事ばかりして、煩くて煙たがられて
   いるんだ。若い者が多いし、借金ばかりこさえた爺た
   ちの呆けた頭よりも、若い脳で頑張った方が結果は早
   い。リバースやパーキングなんてギアポジションはオ
   ートバイには無いんだから、たまにはこう言うのもイ
   イんじゃないか」
FZR:「そのコピー、どこかのメーカーが買ってくれるとイイ
   ですね」
狸穴:「イイねぇ……コレでFZRもコピーライターだ。名刺
   作らないと」
FZR:「わはは、大変そうかも」
狸穴:「コピーライターさんって大変わらしいよ。頑張ってね」

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