Vol.350 強化も色々だなぁ 2002-12-09

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 エンジンの出力を上げる方法には色々な方法がある。
 点火時期や各工程の作用時間・量の変更とか圧縮を上げる方法とか、ボアもしくはストロークを増やす方法とか加給するとか、可動部品の軽量化とか、フリクションロスの減少とか……等々。
 なんだか大変なのでした。
 しかし大変なのも良いのだが、もっと大変なのは排気量や圧縮が上がったりした際の機械強度と、熱の処理の問題。
 機械強度には、クランクシャフトやコンロッドの強度は当然の事として、その他にクランクケースの強度やシリンダーの強度、スタットボルトの引っ張り強度やエンジンマウントの強度まで絡んで来る。(その他にも嫌になるほど気になる要素がありますが……割愛〜)
 SRX250改(416cc)もどうなる事やら……。
 シリンダーを止めているスタットボルトの引っ張り強度が、デフォルトのままじゃ足りないのですが、ボルトを太く出来ない寸法状態だし……、と言う事でボルト数を増やすなんて事も考慮中〜。
 エンジン自体を造っているのと同じような感じですね〜。
 冷却に関しては、もうあっしの計算限界を越えてます。
 熱も厄介。
 燃焼室で発生する熱が一番高いのですが、この部分の温度の高さとSV比と言われるシリンダー面積による冷却能力とか、バルブ回りの熱強度と安定化……。
 ヘッド廻りの熱の逃がし方とか給排気の効率都の兼ね合いも考えて、バルブの系や重量等など……。
(ホントはもっと考えてる事がたくさんあったりします)
 排気量は上がれば単純に出力は上がり易くなるのですが、より高回転まで回るようになったりしながら出力が上がって行きますが……そうなるとクランクケース内の圧力も上がったり……。
 様々な難関があります。
《弐號》のエンジンも680ccと言うサイズなので、シリンダーのベース・ガスケットがピストンの裏側で発生するケース内圧力の上昇により、デフォルトの抜き方では足りなくなって、耐えられずに噴き抜けたり。(ブローバイって奴です)
 シリンダーをケースに止めているスタットボルトの入っているネジ穴も心配です。

 4気筒だと1ヶ所に力が集まらないので、シングルほど危険は少なくないのですが、それぞれの気筒で少しづつ力を上げると、クラッチやミッション、また熱の問題の深刻化……大変ですね〜。
 それなりの仕掛けは考えてるけど、何が起るか判らない無謀な内容だからねぇ……。
 並列3や6発には及ばないが、振動制御はいくらか楽です。

FZR:「ますたー、2サイクルはどうなのですか」
狸穴:「大変だよ。デトネーションと言う悪魔がいる」
FZR:「部品数が少ないから楽かと思ったら……」
狸穴:「先の秋水でも大変だったの見てるだろ〜」
FZR:「そうですね、大変そうでした」
狸穴:「秋水も車体がしっかりし過ぎた分、少しだけ出力を
   要求されていたから、ある程度マージン取ってはいる
   のだけれど、デフォルトよりはマージン減っているか
   ら危ない瞬間ってのが少しあるのだ」
FZR:「……わたくしのエンジンは大丈夫でしょうか」
狸穴:「鍛造ピストン造って燃焼室形状まで変えてあったり
   だけど、アレからもう60000kmくらい走ってい
   るから……全然、大丈夫なんじゃない?」
FZR:「そうですね、アレから60000kmですものね」
狸穴:「そうだ、カム回りの負担を少なくしようとして、先
   日換えた軽量化したバルブリフターはどうだ」
FZR:「低回転域では全然変わりはありませんが、1400
   0rpm以上の高回転域でかなり変わりました。ロス
   も減ったようで、16000rpmくらいまで出力上
   昇のカーブが上を向いているような感じです」
狸穴:「音が大きくなるけど、消音器部分の抜けが良くなる
   と、もっと高回転域が延びるよ」
FZR:「音が大きくなるのはあまり好みませんわ」
狸穴:「そか、んじゃお金も掛からないし今のままでいいか」
FZR:「はい。それに廻せば早く減ってしまいます」
狸穴:「だな」

 本来メーター上での50000kmを越えた段界で、一度FZRのクランクケースを割って中の消耗具合や状態を確認しよう〜と思っていたのだが、普通に動いているのでそのまま距離が延び、今では70000km近辺になってしまっているのでした。
 普段はそんなに高回転域まで廻す事も無く、大体7000rpmあたりまでしか使わないし、スロットルも1/3以内で足りているので、負荷を掛けるような走り方は極力しないようにしているのでした。
 最重要項目のオイルの選択を誤らずに普通に走っているのならば、このくらいは保って当たり前なくらい、ジェネシス系のエンジンはタフなのだ。
 もちろん普段から14000rpm以上だけを使って走るような荒い乗り方をすれば、エンジン様の耐久能力は格段に下がります。
 一応は、減らないように大切にしているのでした。

 このFZRの場合は、エンジンよりもブレーキ系統やフレームを含む脚回りの方に視点を向けて改装しています。
 ある時、完全なデフォルトのFZR250(15000km走行)に乗る機会がありましたが、比べてみると全く違う乗物になっていました。
 基本的な曲り方や走り方の『方向性』はかわりませんが、各動作の反応速度を上げると同時にその裏側にあり、マージンの量が大きくなっているのでした。
 どうも、ホっておくとそう言う傾向の改装をあっしはするようです。

FZR:「わたくしがあまり変わりたくない、と言っているか
   らですわ」
狸穴:「そうかもね。デフォルトのFZRを仕立てたメーカ
   ーがやった事は、全く正しいと言う結果が出ただけだ」
FZR:「メーカーは莫大な費用を使い、わたくしの先代であ
   るフェーザー様を開発してくれました。わたくしはそ
   の直系ですから」
狸穴:「そうだったね〜」

 なにはともあれ、FZRは今日も元気に動いてくれております。

FZR:「そう言えばマスター、そろそろ年末ですね。RGV
   250ガンマのシスターの所に今年も行くのですか」
狸穴:「そうだった……。交通整理だったっけ」
FZR:「はい。教会の幼稚園です」
狸穴:「忘れてたよ。多分電話が掛かって来るんじゃないか
   な……。呼ばれたら行くと思うよ、お茶とケーキが残
   っていれば食べられる」
FZR:「シスター、まだガンマに乗っているでしょうか」
狸穴:「多分乗ってるんじゃないかなぁ。普段からそう多く
   は乗っていないらしいけど」
FZR:「楽しみですね」
狸穴:「教会音楽も年に一度はタダで聴けるしね。ただあそ
   こには俺の苦手なマークが建物に付いてる」
FZR:「なんだか吸血鬼みたいですね」
狸穴:「まぁ、にたようなもんだな」
FZR:「わたくしの車体には魔除けの☆のマークが付いてま
   すが、迷惑には当たらないでしょうか」
狸穴:「場所が日本だし平気だよ。そんな了見の狭い教会じ
   ゃないし、俺が人間用の宗教から外れている事も先方
   はすでに判ってるさ」
FZR:「天気が良いとイイですわ」
狸穴:「だな」

 クリスマスから節分くらいに掛けては、人間用の宗教屋さんは新旧を問わず忙しい時期なのでした。
 あっしはその時期になると、すっかり閑になってしまうのでした。

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