| FZR:「マスター、昨日は外に出てませんね」
狸穴:「今日は35rpmに心拍数を固定して、頑張ってヒ
ッキ〜をしているのだ」
FZR:「…………引篭りですか、似合いませんね〜。最新の
トレンドはタテコモリだそうですよ」
狸穴:「今までやって来た事の一つに後悔の念が有ってねぇ
……自分の過去が恐くなった」
FZR:「少しは反省なさった方が良いコトもございますモノ
ね〜!」
狸穴:「……恐ろしくてメシも喰えない」
FZR:「……先程思いっきり食べてましたよ、忘れたんです
か。それにマスターが恐怖を受容する部分の能力は、
途中で神経接続間違えてて睡眠に直結してますモノ
ね」
狸穴:「へ? ……食べたっけ」
FZR:「食べてましたわ。食後にお茶まで飲んでました。そ
の後キッチンの壁も掃除してました」
狸穴:「そうだっけ……忘れてた。呆けたかなぁ」
FZR:「左肩の予備電子頭脳をメインに切り替えて、主脳機
能を金星でO/Hされた方がよろしいのでは?」
狸穴:「残念ながら金星までの宅配便が無いのだ」
FZR:「では、そのまま頑張って下さい。わたくしの回路に
余剰分がありましたらお貸ししますが」
狸穴:「へい」
走行55000kmあたりから滑り出していたクラッチを、ついに交換する事にした。
一般道をタラタラ走るだけならば、ほとんど滑る事も無く普通に走れるのだが、少しペースを上げると滑るようになって来たのだ。
先日ちょっと大きめのCBRに引かれて走った時にトドメを刺したようです。
以前にクラッチ板群だけを換えてから、60000kmを越えているのだからやむ得ない。
FZRのクラッチは普通のオートバイ同様エンジン・ユニットの右側内部に位置します
FZR:「新しいクラッチですね」
狸穴:「内側のスラストプレート以降全部を交換する。プラ
イマリードリブンギアコンプリートとクラッチボスも
交換だ」
FZR:「わたくしも大切に使って来ましたが……走行距離に
は勝てませんね。またお金が掛かってしまい申し訳ご
ざいません」
狸穴:「大丈夫。以前サンタさんから頂いた、走行距離のま
だ浅い予備エンジンから頂くから、新たに買うのはク
ラッチカバーのガスケットだけ」
FZR:「良かったですわ。サンタ様、感謝致します」
狸穴:「良かったね〜」
カムシャフトやミッションも換えてしまいたいが、それをやる時はエンジンコンプリートで交換の時だ。
まだその距離まで当分先な感じなので、クラッチだけ移植する事にした。
こう言う時に予備エンジンがあるととても心強いのでした。
ありがとう、サンタ様。
クリスマス前だけどサンタ様にお世話になってしまった……。(ってサンタさんは、そのサンタクロースじゃないのだが……FZRにとってはサンタクロース級の人かも)
FZR:「クラッチカバーを開ける時には先日入れて頂いたオ
イルも交換ですか」
狸穴:「大丈夫。FZRの場合は、サイドスタンドで立てて
いればクラッチカバーを開けても、オイルは油面がそ
の下だから垂れて来ない」
FZR:「ではそのまま行けるのですね」
狸穴:「んだ」
と言う事で開腹してクラッチの移植開始〜。
FZRは今まで色々と設定を変えて来ているので、クラッチにはたしかに負荷が掛かる情況なのだ。
で、今回入れ換えるにあたり、ちょっとクラッチを強化。
と言ってもバーネット社にFZR250用のクラッチをオーダーするとか、そんなに大層な事をする訳ではなく、クラッチのスプリングを少しレートの強いモノに入れ換えるだけ。
用意するバネの数も4本だけ。
バネ屋さんには数が少なくて申し訳ない(本当は100本が最低ロット、でもサンプルとして端材で打ってもらったのでした)。
強化したバネが入る事により、クラッチレバーが少し重くなるけどデフォルトのバネに毛が生えたくらいしか強化していないので、タッチもほとんどかわりません。
バネが強くなると、クラッチを圧着する力が増えるのでクラッチの繋がりもしっかりします。
オートバイに乗る事が流行った、80年代後半の車体であるFZRのデフォルトのバネは、当時(まだフェイザーの頃)オートバイに慣れていない初心者や、女性ユーザーの事も考慮したりしてちょっと弱めになっていたりしていたのでした。(ホントはホンダさんのVTに、乗り易さで負けたくなかったのかなぁ)
そのせいかどうか判りませんが、クラッチを押し付ける力が弱いため、半クラッチで走っている時間はクラッチ板がトルクを受けて振動しているのでした。
クラッチ板が振動していると、プライマリードリブンギアコンプリートとクラッチボスに当たるクラッチ板群のツメの部分にヒットして段付き状態になり易いのです。
段が付くとさらに滑り易くなる……。
今回の強化バネは、それを少しだけ抑える程度の強さしか与えてません。
高回転域で完全にクラッチを繋いでいる状態で走っていても、路面上の段差を乗り越えた瞬間とかにリア・ホイールの回転速度が変動するとクラッチは滑ったりします。
最近は、この状態での滑りの方が多いです。
オイルのせいかな? と疑った事もありますが(オイルにはMAとMBと言う規格もあります)、気にはしているので、それが原因ではないようです。
単に寿命が来たと言う感じ。
もっとも普段から半クラッチ状態で負荷を掛ける使い方はしていませんので、ボスは通算70000km以上も頑張ったことになる。
直径の小さなクラッチでコレだけ保てば充分なのでした。
平均的なFZR250のクラッチの対応距離数は、あっしの扱った中では平均して50000km位で、第1回目の交換を迎えます。
SS1/4マイルごっこな荒い乗り方をしている方は、交換したばかりのクラッチ板を65kmで焼いて戻って来たかな……。
まぁ中にはプライマリードリブンギアコンプリートを120000km保たせたバイク便の方もいらっしゃいましたが、その人も滑り始める前の40000kmくらいで、フリクションプレートと支持ベアリングだけは定期的に換えていたりしていたのでした。
クラッチ板群の中に、クラッチボススプリングと言う大きな輪ッカが入ってますが、コレもバイク便の人は交換してました。
このクラッチボススプリングは、クラッチの切れを助けたりクラッチ板の振動を抑えたり頑張っているのでした。
250ccで出力は小さいけれど、乗り方次第で結構変わるのでした。
FZR:「マスター、ATってどうなっているんですか」
狸穴:「……AT」
FZR:「はい。最近たくさん走っている大きなスクーターは
シフトペダルが付いておりませんわ」
狸穴:「一番多い方法は、ベルトとプーリーを使った無段変
速機構を使っているのがあるねぇ」
FZR:「JOGさんと同じですね」
狸穴:「基本的にはね。細部は違うが」
FZR:「それにはクラッチは付いていないのですか」
狸穴:「遠心クラッチとか、電子的に制御しているのとか、
一応クラッチは付いているよ」
FZR:「ATでもクラッチが付いているんですか」
狸穴:「んだ。クラッチ無いとエンジンが停まってしまう」
FZR:「自動車もそうなのですか」
狸穴:「自動車のATはもっと凄いのがたくさんある」
FZR:「ふ〜ん、難しいんですね」
狸穴:「一度昔のBMW633csiと言う車のATが出先
で壊れて分解整備したことあるけど、ものすごく複雑
で組み立てるのにいろんな工具が必要になって、時間
も5時間くらい掛かった」(ドイツ語は判らんス)
FZR:「便利な分は機械が複雑で大変なのですね」
狸穴:「結局それでも80km/h以下でグ〜グ〜鳴りなが
ら走って、250km位しか保たなかったよ。どこか
組み方が間違えていたか、ATF(クラッチのフルー
ド)に気泡が入ってしまったのかも。二度と触りたく
ないなぁ」
FZR:「BMWは大変なんですね。他の会社の自動車も同じ
なのかしら……」
狸穴:「オートバイの方は簡単だよ。R80はスプリングも
ダイヤフラム式だし、乾式単板クラッチだったから
センターを出す専用工具があれば、ものの40分くら
いで交換したこともある」
FZR:「壊れませんでしたか?」
狸穴:「その後50000km以上、それで走っていたそう
だから大丈夫だったんじゃないのかな」
そうこうしている内に、FZRのクラッチ一式の交換終了〜。
プッシュロッドの状態も問題無かった。
新しいバネは以前のモノと比べるとわずかに硬いです。
でも、ほとんどかわりません。
試乗してみます。
FZR:「あら……今まで繋がりきる瞬間にあったショックが
無いですね」
狸穴:「アレは、プライマリードリブンギアコンプリートの
中に入っているダンパーがヘタリきっていたのだ。
FZRがうちに来た時にはすでにそうなっていたよ」
FZR:「アレは故障だったですか?」
狸穴:「まぁね。ソロリと発進すれば大した故障じゃないか
らそのままにしていたけど」
FZR:「チェーンにとっても優しいかも。新しいクラッチを
ありがとうございました。大切に使います」
狸穴:「そか、ンじゃ頑張って走ってね」
FZR:「はい」
新品のクラッチだと、組む前に30分ほどエンジンオイルに漬込んでから組んで10kmほどナラシした方が良いのですが、今回は中古なのでナラシは不要です。
暖機が済んでから各ギアで回転を上げ気味にして普通に走ってみると、クラッチは滑りません。
油温が上がっている状態でも冷えている時でも、切れ方には変化ありません。
良しです。
ミッションのタッチもわずかに良くなりました。
ただ、クラッチの最外周に付いているギアのアタリがまだキツく感じます。
古いクラッチは、クラッチプレートもフリクションプレートもプレッシャープレートも、それぞれ全〜部減っていました。
また、各板の平滑精度もかなりズレており、モノによっては焼けていたり曲っていたり……。
ここらがちょうど換え時だったような感じです。(過ぎてるって)
FZRの加速の感じは今まで少し滑って逃げていた分が全部繋がって、ちょっと剛直な感じの加速感。
FZR:「ロス減りましたねぇ……」
狸穴:「今までかなりロスが大きかったのだな。燃費良くな
ったりして」
FZR:「だとイイですわ」
狸穴:「どのくらい保つかな」
FZR:「長持してくれると嬉しいです」
狸穴:「そか」
走行距離のそのほとんどを発進&停止の多い都内で過すFZRとしては、充分に保った方なのだ。
コレと同時に、ステムのベアリングも打ち換え。
こちらも55000km以上使ってます。
何でこんなに保ったのかと言うと、ほぼ5000kmに一度のサイクルで分解清掃メンテナンスをしていたのでした。(自分でやるから、大きなお金は掛かりません)
そのたびにグリスは換えるし、ボールの当っている位置もレイス上で変わります。
なので、通常は15000kmくらいで交換になるステムベアリングが、55000kmも保ったのでした。
入っていたボールレイスは、一番上と3番目のレイスに段付きが発生しておりました。
2番4番は見た目には問題ありません。
ボールは固いので多分大丈夫でしょうが、一応19×2個交換。
グリスはグリシンを使用。
ちょっと気になっていたタイヤのエア圧も点検。
最近急に減って来た感じがしていたのでした。
測ってみると、前:1.6/後:2.0、コレだと低過ぎです。
FZRの現在のタイヤや脚回りの設定上、街乗り主体でのベストは、前:2.1/後:2.35。
合せ直しました。
走ってみると、ステアリングもしっかりしてフォークの動きにも反映しました。
軽く反応早く良い感じ。
FZRは毎日良く走るので、この改善はありがたいです。
先日GXのフロント廻りを改装した際に、『やはりベアリングがしっかりして無いと困るな……』と反省していたのでした。
コレでFZRもGXや《秋水號》に並べました。
あまりに基本的な事なのですが、パーツは減るのだ。
現在使っている1WGのアンダーブラケットの重量は1.7kgでした。
重いです。
コレを7075T6のアルミ材で造ると……約半分近く軽量化をすることが出来ます。
おまけに、剛性を上げる事も可能。
この材料の変更は、オートバイにとって凄く効果があります。
剛性が上がると言う事は、それを受けるフレームの状態(材質、剛性強度・設定等々)に対してよりシビアなセッティングのフォーク設定を要求されますが、現在のFZRの前脚はABSOと言うオイルと出会って以来それも可能な領域……。
この実験、やってみたいなぁ〜。
アンダーブラケットをアルミ削り出しで造っても、見た目にはカウルが付いているから判らないのですが、見えない部分で凄い事をしているってのは好きです。
FZR:「昨日、闇ガレージのSDRさんに付けたアンダーブ
ラケットと、それは同じ材料のモノですね……」
狸穴:「んだ。良かったよ〜。SDRはフロントフォークが
33φだけど、まるで39φの後方排気のフォークセ
ットに換えた時のような感触だった」
FZR:「そんなに違うのですか」
狸穴:「あのアンダーブラケットの造りだとそうなるのだ」
FZR:「わたくしの場合は、1WGのアンダーブラケットで
すから、SRXモノサス(3VN/3SX)とも同じ
ですね」
狸穴:「んだ」
FZR:「いいなぁ」
狸穴:「そのうちやってみよう」
ただしこの材質と強度だと、事故等でフロントから大きな入力があると、アンダーブラケットが壊れないでフレームが壊れてしまうのでした。
造る時には、コノあたりの兼ね合いを可能な限り合せておかないと……。
ともあれ、ステム回りの剛性が上がると言う事は、正確な反応をステム自体がする事になり、フォークの性能を適正に維持していれば直接走行性能や接地感に反映される訳で、安全マージンも飛躍的に上がります。
セッティングと言う点ではそのシビアさがかなり影響してしまいますが、その辺はこのアンダーブラケットを使う場合、そう言ったセッティングが出来る事が条件ですけど。
鉄製のアンダーブラケットは重いだけでなく、たわみ量も大きいのでした。
メーカーだとコストと言うネックもあるし、こういった部品をデフォルトで付ける訳にも行かないし。
ネタはまだまだあるのでした。
マミアナ+FZRx
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