Vol.347 フォークオイル実験3 2002-12-04

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 FZRのフォークオイルも、実験2から実験3に移行です。
 円陣家至高さんのDr.K氏が実験も兼ねてABSOの次期RRモデルを開発です。
 今回は現在使用中の実験2のベースオイルに更えて、新たに新型のベースオイルを投入する事になったのでした。
 ベースオイルが変わると言う事は、色々と大変な事なようです。
 ABSOは常に進化を続けているのでした。

FZR:「大変ですね」
狸穴:「大変だよなぁ」

 Dr.Kはマメなのでした。
 みんなのABSOを造るため、時には酷く憔悴した顔をしていたりします。
 で、先日こきちさんに頼まれていたCPOを2本取りに行く時に、その実験3のオイルを受取って来ました。
 その際に、仕上げたばかりの中尉の《秋水號》が、

秋水:『一般道では問題無いが、首都高速の継ぎ目だけで跳ね
   る』

 と言う事だたので、ナントカせねば……と思い、Dr.Kと相談していた際にベースオイルが変わると言う事で新しく造った次第等々、色々ネタがあったのでした。
 コレが成功すれば新しいABSOの誕生です。
 で、一緒に中尉の《秋水號》用のフォークオイルも製作依頼〜。(実はこの時点では中尉にはまだ何〜も言っていなかったのでした)
 とりあえず、FZRに入れる前に中尉の《秋水號》に入れてしまいました。
 ほんとはFZRで実験が済んでから……と思っていたのですが、Dr.KのGSF750での走行実験結果を訊いたりしていたので、

狸穴:「多分コレ、いきなり《秋水號》に入れても問題ない
   だろう〜」

 と言う事で入れてしまいました。

《秋水號》に直前まで入っていたABSO−RR+を出して、実験3の秋水SPに入れ替えです。
 新たに装着した脚回りのデータは、大体ABSO−RR+で弾き出してあったのでソレと全く同じ量の油面に合わせて投入。
 ちょっとダンピングが効き過ぎ……かな? と言う感じだったので一気に12mm油面を下げました。
 で、中尉による試乗開始。
 入れ替え直後の秋水とFZRで併走した感じでは、秋水のライトの光軸はほとんど振動してませんでした。
 FZRの方はちょっと細かな凹凸を拾って振動してます。
 新しい実験3オイルの制振能力は相当高そうです。
 2日後に中尉から結果の電話。

中尉:「新しいオイルの報告です。まだ攻めてはいないけれ
   ど、街中を走った感じは前回の時よりも格段に良いで
   す。疲れませんね」
狸穴:「んで、首都高は?」
中尉:「まだ行ってませんが、この感じだと多分イイ感じ。
   速度が出ていない状況でも細かな振動を全部吸収して
   ますね」
狸穴:「フルにブレーキを掛けた時に底突きする?」
中尉:「しません。乗っていて非常に楽しいオートバイにな
   りましたね」

《秋水號》、良かったみたいです。
 で、FZRも実験3に入れ替え。

FZR:「先日の中尉殿の秋水様と同じオイルですよね」
狸穴:「基本的にはね。Dr.Kが秋水よりも出力が半分以
   下で軽いFZRに合わせてくれたFZR用」
FZR:「わたくしの専用ですか」
狸穴:「秋水よりもちょっと軽いダンピング特性になってい
   るらしい」
FZR:「押してみた感じはいかがですか」
狸穴:「……実験2と比べてちょっと軽い感じ。油面上げた
   方がイイかなぁ」

 まぁ、実際に走ってみないと何とも言えません。
 で、走行〜。
 ベースオイルが全く違うモノなので、ちょっと心配でしたが走り始めてすぐの印象は、

狸穴:「なんだか雲の上状態だねぇ……路面の小さな凹凸を
   拾う感じもスパルタンな感じの実験2と比べて、−8
   0%と言う感じ。減速しても底突き無し。ストローク
   初期の入りは速いが、途中でリニアにダンパーが頑張
   り始める。戻り側は実験2より減衰が効いている」
FZR:「わたくしの光軸も秋水様と同様振れなくなりました」
狸穴:「ありゃ、ホントだ。こりゃ凄い不思議」
FZR:「ステムの動きも軽いですわ」
狸穴:「だね……70km/h位で車線の切返しをしても、
   反応が速いや」
FZR:「方向が変わる瞬間のお釣りもほぼ無くなりましたわ」

 で、クローズドなコースに行って、150km/hで深いバンク角を保持しながらフロントブレーキだけで減速を掛けてみる。

狸穴:「ありゃ……ダンパーが合い過ぎて、狸穴的にはニュ
   ートラルステア過ぎ&何踏んでいるか判らない」
FZR:「路面の凹凸を全部吸収してしまいました」

 FZRがオートで姿勢制御している不思議な感じ。
 乗っているあっしは何もする事がないのだ。(普段はFZRのサスの動きを若干サポートしているのでした。当たり前の事ですけど)
 150km/hでフロントだけキツ目の制動+イン側に向けての回避機動で、あて舵気味にフロントを流している筈なのだが、その量が多くならないと判りずらい。
 回避機動は思ったように正確に反応して、ラインを変更してました。
 ……コレだとダンパーが良過ぎて路面状況が判らずヤバいです。

 で、多少バランスは崩れますが油面を7o上昇して補正。
 ちょっと固くなってショックを拾いますが、踏面の状況は伝わり始めました。
 でもショックの動き自体はかなり良く動いているので、光軸は上下に振れてません。
 この実験名typeK1−0TMなABSO、凄いです。
 基本的にはどの車種にも、正立サスであればデフォルトの油面で合うように造られているとか。
 早く販売に移行出来るとイイですね。
 ベースオイルの価格がかなり高いようなので、そのあたりを現在の価格をどう調整出来るのか……微妙な所です。
 毎度の事ながら、円陣家至高さんのABSOは、他に比較出来るモノが無いので凄いです。
 倒立サス用のABSO−REVや、リアショック用のABSO−RSもいずれこのベースオイルで新作されるらしいです。

 レースやっていて、どうにも脚回りが決まらないで困っているライダーには良いかも。
 安全マージンが上がるので、コーナーへのアプローチ自体が変わる感じです。
 ショックが動いてくれるからタイヤへのダメージも少なく済むかな。
 昨今のスプリント並のペースで走る耐久レースな方達には、タイヤ交換サイクルが保たせられるようになるから良さ気です。
 オートバイはエンジン出力だけじゃ速く走れないから、公道で使うあっし達も、安全マージンが上がると言う事はとても良い事なのだ。

FZR:「わたくし達オートバイにとっても、フレームへの入
   力が制御されますし、フルブレーキでボトムすること
   も無いので良いですわ」
狸穴:「タイヤへのダメージも減るから、今までみたいにシ
   ワシワに溶けるような事も無く、最後までグリップが
   維持されて良いかもね」
FZR:「ショックが動いていないから、タイヤがコーナリン
   グ中に跳ねてタイヤのトレッドゴムにシワが寄るんで
   すよね」
狸穴:「んだ。そうなるとタイヤの熱バランスが狂って来て、
   タイヤは早期に駄目になる」

 サスのオイルは凄いのでした。

FZR:「ところでマスター、普通の皆様はどの位でサスのオ
   イルを換えているのですか」
狸穴:「コレがまたマチマチなんだよ。或る人はうちと同様
   1年もしくは8000km毎に換えているし、或る人
   は5年とか20年くらい換えた事ないとか言ってるし
   ……」
FZR:「20年……保つんですか」
狸穴:「残念ながらそんなには保たないよ。せいぜい距離を
   走らない人でも2年が限界かなぁ」
FZR:「何で換えないのですか」
狸穴:「気付いていないか、経験が無いか……サスまで気が
   廻らないんだろ。多分、サスのオイルなんて換えなく
   てもオートバイは走ると思っているんじゃないか」
FZR:「そうですね……みんなうちのように貧乏じゃなくて、
   オートバイを車検毎に交換したりしてますモノね」
狸穴:「ソレだと、そのオートバイの事を半分も判らないで、
   また次のオートバイに乗り換えだもんね……勿体ない
   ような気がするなぁ」
FZR:「わたくしみたいにフレームの髄までしゃぶられるの
   も大変ですけど」
狸穴:「わはは。そう言うな。FZRがこうして実験台にな
   っていれば、みんなのオートバイも良くなるんだから」
FZR:「そうですね、基本的には同様のシステムでオートバ
   イは動いていますから、わたくしも少しはお役に立て
   ているのでしょうか」
狸穴:「そうだとイイね」
FZR:「はい」

 こうして実験オートバイFZRの苦闘は、更に続くのでした……終わり。

雪風★中尉+《秋水號》 マミアナ+FZRx

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