Vol.325 難航 2002-09-13

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FZR:「マスター、秋水様は中々先に進みませんね」
狸穴:「んー、予想以上に大変だ」
秋水:「軽くなったのは良かったのだが」
狸穴:「たしかにかなり軽くなったけど、セッティング出ない
    ねぇ……」
FZR:「秋水様のセッティングは、かなり特殊なのですか」
秋水:「一体どうなるのでしょうか……、このままでは中尉
    の所に戻れません」
狸穴:「秋水は一応はリンク式のキャブで構成されているか
    ら、セッティング出し易いんだけど、このリンク式
    ゆえに困る事もあるし、それ以前に3気筒それぞれ
    のセッティングが全部違うようだ」
FZR:「わたくしも距離を重ねるごとに少しづつですが、各
    気筒間の消耗度合が違い、セッティングの際にはバ
    ラ付きが出たりしますが……」
狸穴:「秋水の場合は、2stなのでヘッドに動弁機構を持
    たないゆえにバレる範囲がデカイし、それ以前に前
    2気筒と後1気筒のセッティングがチャンバーにな
    るとかなり違うようだよ」
秋水:「それで、3気筒全部違うセッティングを用意しなけ
    ればならないのですか……」
狸穴:「そうみたい。おまけにパワージェットという加速ポ
    ンプみたいなモノが付いているから、プラグの焼け
    方では判断出来ない」
秋水:「実際に走って、感じを掴みながらセッティングする
    しかないようです」
FZR:「大変ですねぇ……」
狸穴:「良い燃焼を得るためには、最適な霧化を維持した混
    合気をシリンダーに送り込まねばならんのだ」
FZR:「わたくしの場合とそこは同じですが……」
狸穴:「2stの場合はそこが難しいんだよ、混合気を一時
    圧縮室であるクランクケースに一度通してから、吸・
    掃気ポートを経て燃焼室に送り込むので、その際に
    霧化の状態が各気筒間でも不安定になる。全部揃わ
    ないのだ」
FZR:「大変ですね……でも、他にも同じ2stのオートバ
    イはたくさんいますが、皆さんそうなのですか」
狸穴:「秋水の場合は、ちょっとそのあたりがいろいろあっ
    て、大変なんだよ」
秋水:「社外チャンバーだからですか」
狸穴:「ソレもある。社外のチャンバーはより出力を出すた
    めに高回転型の性格を持っていて、そうなると低速
    でのセッティングが出し難くなる。サーキットで使
    うには上限領域の3000rpmの幅分で勝負出来
    ればソレでもいいんだが、街乗りが主体だからねぇ」
秋水:「ATACと言う排気戻しについても、吸気側の霧化
    性能とかの影響がでるのでしょうか」
狸穴:「でる。そこが一番大変なのだ」

 この時代のホンダの2stは、少しバラ付きがあるのでした。その上高回転型のチャンバーがやって来たので大騒ぎ。
 チャンバー自体も形状の似ている#1、#3についてもよく確認すると、排気干渉波の起きるタイミングが個々でわずかに違うようだ。
 よって、3気筒共全部違うセッティングを要求すると言う状況が発生しているのでした。
 これは、同じオートバイが2台あれば、それぞれ違うセッティングを要求されると言う事とも同じです。
 4stのエンジンの場合は、ヘッドのバルブできっちり混合気の入り切りを制御して、霧化された混合気の状態も、通過経路が短いためそれほど問題にならないけれど、2stの場合はいろいろ大変なのでした。
 ヤマハ的な2stならば、どうしたらこうなる〜と言うデータを持っていたり、エンジン設計自体の設定幅がある程度余裕があったりしますが、ホンダの場合はそのあたりの幅が厳しいようです。
 点火時期の遅角量やそのタイミング、排気デバイスの完成度(進化度)の差もあるかなぁ。
 後に販売されたNSR250系(PGM)の場合は、そう言った部分を全部リファインして完成度を上げて来てるから、チャンバーが換った場合のセッティングの出し易さも進化しております。(秋水がマップをいじれるコンピュータを積んでいてくれたら……)

 ネットや、かつてのチューナー達等、色々な方がセッティングに苦しんでいるようですが、さもありなん……な状況。
 はっきり言って、秋水のセッティングをある程度高いレベルで達成しようとすると、様々なコトを要求されます。
 簡単じゃなさそうです。
 ホントは、新たに最終段階のRCバルブを搭載し、理想のポートタイミングを持ったシリンダーや、ちょっと速めのコンピュータを製作して投入してしまいたいです。
 でも、そうなると秋水はNS400Rじゃなくなってしまうしねぇ……。
 金額的にも景気対向下の現状では現実的じゃない。
 と言う事で、色々集めたセッティングの情報以外の手を考えた方が良いかも。
 ある意味原始的な2stエンジンを積んでいる訳だし、そのあたりを平たく考えれば、ソレナリにやり方と言うのが些細な部分で見つかるかも知れません。
 当然失敗の連続になる可能性の方が高いですが、あっしの思いつく範囲の事だからそんなに大きな規模の部分で事を終えることは無いのでした。
 ただ、普通にはまずやらないだろうと言う事を幾つかやってみます。

 てやってるソバから、《秋水號》のキャブの中のパーツを一つエアガンで吹き飛ばしてしまい、今日の作業は中断……。
 疲れてるのかなぁ。こう言う日はこれ以上無理に作業を続けてはイカンかも。
 またSDRに乗せて頂こう……。

秋水:「狸穴氏、私が壊れないようにお願いします」
狸穴:「2度くらい壊れるかもよ〜」
秋水:「化けて出ます」
狸穴:「そりゃ困ったなぁ……」

 混合気の安定化かなぁ……ボソ。

FZR:「最近は、毎日秋水様が帰って来たり、SDRさんが
    いらっしゃったりでわたくしとしては、楽しい待機
    生活ですわ」
狸穴:「……FZRもたまにはエンジン掛けておかないとね
    ……」
FZR:「頑張って下さいね」
狸穴:「へい」

《秋水號》 マミアナ+FZRx

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