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狸穴:「うぎゃ。酷い夢を見た」
FZR:「最近はたまに見るようになったんですね、マスター
……」
狸穴:「酷い寝汗だ」
FZR:「あらら……」
食事をしに巣穴から出ていたタルバガン親子にオオカミが襲い掛かり、子の方が必死にノタノタと逃げるも喰われるのを、警戒の声を上げながらジッと見ている悲しい親タルバガン……な夢は見なくなって久しいのだが。(タルバガンって、どんな味がするのかなぁ……)
今度の夢はもっと縁起の悪い内容だった。
FZR:「わたくしに関係する夢なのでしょうか」
狸穴:「FZRとは関係無いみたい。いつもと違う早い時間
に寝たからかなぁ」
2日後の撮影の準備も出来たし、23:00に寝てしまったのだ。
内容は、あっしが夢の中で寝ていると誰のだか判らん身体が纏わり付いて来て、
??:『……あなた、早く起きてください……』(はぁと)
とか言う意味の女の声が聞えて生暖かい手で、ぞっと身体が揺すられるのだ。微かな血臭も感じた。更には九字を切ろうとしても、途中で交換神経系に干渉してくるので切れないのだ。
寝ているあっしは、寝所には自分以外の誰もいないことは判っているので、その気味の悪さと言ったら堪ったモノではないのだ。
逆にこちらから術をかけてやろうと、ご尊顔を拝そうと思うのだが顔は見えない。で額上の髪の生え際だけは確認。髪は濡れておらず、ソバージュのような感じ。皮膚はプラスチックな感じ。
時期とはいえ、とんでもない怪談状態。
安全に起きる条件として朱を得ておこうと、氏名・階級・所属部隊と起きて何をするか目的を訊いても、ご返答がない。
ただ、
??:『起きて……』
なのである。回線事情もあまり良くないみたいだし、大した用事じゃなさそうだ。
どこかで何か憑いたかな……。スキャンしてもデフォルトであっしに付帯している彼等以外は結果はゼロです。
彼等に訊いても誰もいないし変わりは無いとのこと。結界も破られておりません。
そう言えば……先月は靴紐が切れたり、猫が降って来たり、包丁の斬れが急に悪くなったり……。
結局、『起きたくない』とアナウンスして回線断。
狸穴:「FZR、何か連れて来たのか」
FZR:「現在、わたくしには何も憑いておりませんが」
狸穴:「外部から強制アクセスされているのかなぁ」
FZR:「マスター、どなたか女性の方に不義理でもしたので
は」
狸穴:「ん〜、良いことはしても悪いことはしとらんが。世
の妻帯している男性は毎朝こうなのかなぁ」
FZR:「朝起きるのがヘタなマスターと同じタイプの方々は、
多くはそうだと思いますが」
狸穴:「地獄だな。救いは声が男じゃないってことだけだ」
FZR:「マスターだけですよ、そんな風にご自分に都合の良
いように受け取るのは」
狸穴:「……そうかなぁ。眠っている時に不用意に触られる
のは、かなり危険な事だと思うのだが」
FZR:「そうですねぇ……どうしたのでしょうか。でも起床
ラッパとか、男性に蹴飛ばされて起されるよりも良
いですね」
狸穴:「まぁね。とりあえず寝直す」
FZR:「では、わたくしの警戒センサーも立てておきます」
狸穴:「頼む」
と、寝ているとまた起された。
今度は、電話だ。止む無く覚醒する。
何時かと思い、時計を見ると01:30ころ。コンビニエントなあっしなのでした。
次回の撮影の服の内容が変ったので、明日もう一度打合せ出来ないかと言う問い合わせだった。ついでに飯でもどうかとのお誘いだが……もうアジトに引き上げて眠っていたので遠くて行けません。
早くに寝るモノではないな。
とりあえず、このまま寝ていてまた起されると適わんので、FZRでその辺を少し走って来ることにした。(編註:あははは、今作っている実録怪談本三連発のせいかも……各地で怪現象頻発中)
狸穴:「あの……寝ている所を済みませんが、ちょっと走り
に行きません?」
FZR:「構いませんわ。まだ先程の余熱で油温も冷えており
ませんし」
狸穴:「早い時間に寝るモノではないらしい」
普段はあまり走らない都内とは逆の方向へ向けて夜中に走っていると、まったく知らない所へ出た。
新しく造成された所か、まだ人家はそれほど密集しておらず、風通しも良い。
街灯も無い。角の所でFZRを停めた。
ライトを消してみると真っ暗。この状況、好きなのだ。
遠くの方でトラックが街道を走っている音が聞えてくる程度。
30mほど離れた所に自販機があったので、お茶を買いに行きFZRの所に戻ってくると、漆黒に近い夜道に男性とは違う歩幅の狭い周期の速いヒールのなる音が……。
またか〜、と思い、機能している方の左目を暗視モードに変更、で指印〜。
黒いスーツを着た若い女性がこっちに向かって歩いてくる……。何故か顔は見えない。奴か?
足もとが暗いので、うつむいているだけでした。
見えたのは頭だけ。
向うさんも気が付いたのか、ギョッとした顔でこちらを見ている。
(あっしはビン・ラーディンさんじゃないです)
立ち小便とかしてなくて良かったぜ……。(って、普段からそんな事しないって)
会釈vs会釈。
足早にコツコツと踵を鳴らして過ぎて行きました。
自販機まであるくらいだから、このあたりは多分住宅街があって近所に住んでいるのだろう。
暖かい御茶を飲みながら、闇で煙草を吸っていると。
今度は、先程の女性が行った方向からやたらと喧しい珍走が4台やって来た。
暗がりの角を曲がった所に白っぽいFZRがいきなりいたので、その内の2台目が避けようとしてブレーキを思い切り握って……コケた。
コケたと言っても、大した速度じゃないからオートバイが倒れただけ。
珍2:「いて〜。ビックリした!」
珍1:「ばーか。ヘタくそ」
他の2台も笑っている。
狸穴:「大丈夫?」
珍2:「うわぁ!だいじょぶっス」
珍1:「ヘタ」
珍2:「先輩がこの辺は昔事故った奴がいて出るから、って
言っていたんすよ」
珍1:「お化けなんている訳ねぇべ」
狸穴:「ココでは人は死んでないよ。起すの手伝うよ。ハン
ドル持って」
珍2:「……すんません」
チョット話てみたら、普段走っていてなにもない所に突然FZRがいて、当ると思って避けようとしてコケたらしい。
珍2はお化けとかホラーとかが嫌いだそうだ。
オートバイを立て直してエンジンを掛けて軽くレーシングしてみると、4発ともカブらず問題無し。オイルも吹いてない。キャブの中のガスが少し漏れただけだ。
狸穴:「XJRはエンジンも大丈夫だ。ちょっとバラつきあ
るみたいだから圧縮測ってみた方がいいよ〜」
珍2:「詳しいんすね。最近掛かりが悪いんすょ」
狸穴:「排圧が掛かってないからだ」
他の3人に急かされて行ってしまった。
なんだか判らん一日なので、今日は帰る事にしたが……今どこにいるのか判っていない事に気がついた。
しまった、あの珍走に訊いておけば良かった。
FZR:「適当に走ればどこかに出られますよ」
狸穴:「だな」
月の進む方角に向かって適当に走っていると、いきなり物凄い大規模な新興住宅地に出た。
全部新しい家だ……。
木しか生えていないと思っていたあっしのアジトの周辺って、トンでもない事になっていたのだ。知らぬはあっし一人也。
実はアジトの周りの事は、ほとんど知らないのでした。
その広大な住宅地を走り回るが、時間はすでに03:00を回っているため歩行者も無し。
今度は住宅街で迷った。出られない。
たまに表示される地名も知らないので外国の道路と同じ。
迷路でやんす。
エンジンを切って、周囲の音を聴くと左の方から道路の音がしている。
音の方から風が吹いた時に鼻を突っ込んでみると、排気ガスの匂いだ。
なんとかその道路らしい所に出てみると、そこはなんと16号線、かなり南下している……どうなっているのだろうかこの辺は。
都内の感覚で走っていると、考えもしない所に出るのだ。
いる場所が判ればこちらのモノ。
全開でアジトに帰還。
狸穴:「一体なんだったのだろうか……護摩でも焚くか」
FZR:「おやすみなさい〜」
FZRも寝てしまった……。
??さん 珍さん達 マミアナ+FZRx
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