Vol.269 イタ車 2002-03-05


 以前パソコンが変になった時にお世話になったサポートセンターのお姐さんから、オートバイの調子が変だとメールが来た。
 何がどうなって調子悪いのか聞いてみると……

ド姐:「2万キロ乗っているけど、まだ大きな改修工事はし
    ていないわ」
狸穴:「全体的に消耗品が減ってきて、オートバイがクタッ
    て来た感じじゃないかな」
ド姐:「そうかも。どうしたらイイかな」
狸穴:「乗れば減る事になるパーツの状態を確認して、交換
    修理→調整」
ド姐:「それで直るかな」
狸穴:「400ccのドカでしょ、普段どのくらいの回転数
    で走っているの」
ド姐:「高速道路だと6000〜9000rpmくらいで、
    一般道だと2500〜7000rpmくらい」
狸穴:「ふ〜ん、普通だねぇ。最近急に燃費が落ちたり掛か
    りが悪くなったりしていないでしょうか」
ド姐:「その辺は買った時から変わっていないわ。だた、走っ
    ていると少しフラフラとギクシャクがしている」

 典型的な可動部分の消耗みたいです。
 しばらく仕事休む事になったから閑だと言うことなので、乗って来て頂く事になった。
 ドカだって、日本製のオートバイだって乗れば減るのだ。
 東京を挟んで向こう側にいるため、こちら側の道路事情が不案内だと言う事で、高速道路の出口で待っていると、やって来た。
 以前は交換されていなかった排気管も、大きな音のでるモノに変わっていた。

ド姐:「お久しぶりです〜ども」
狸穴:「お疲れさま〜先日のツーリングはどうだった?」
ド姐:「ちょっと寒かったけど楽しかったわ。でも帰りくら
    いになってから変な感じになった」
狸穴:「とりあえず、行きましょう」

 で、しばらく先行したり後ろに着いてみたり。
 ドカの車体に慣れているのか上手に乗りこなしております。
 身長はそれほど高くはないが、手足が長いのでポジション的にも問題無し。
 車体の各部を後方から見てゆくと、タイヤは4分山、チェーンの一部が固着&延び、リアブレーキが鳴いている。
 信号で止まったので、

狸穴:「あと1kmくらいだから、それに乗ってみるよ。着
    くまでFZRに乗って」
ド姐:「車線変更の始めとかではハンドルが変な感じ」
狸穴:「了解」

 車両を交換。

狸穴:「しばらくド姐をよろしくね」
FZR:「はい」
Jr.:「よろしく。狸穴さん」

 乗ってみると、ステムベアリングの動きも悪いけど、前後のサスの動きも渋い。前後ブレーキも効かない。力はFZRよりもあります。
 スロットルのツキは良い。

狸穴:「思ったとうりだ。4年めで23000kmだから、
    そろそろ交換する部品も出て来るね」
Jr.:「タイヤは1度換えてもらってます」
狸穴:「リアブレーキのパッド無いよ」
Jr.:「マスター/ド姐が良く使うので、減ってしまいまし
    た」

 程無く着いて、エンジン停止。
 来客用の駐車スペースで、前後のホイールを掴んで揺すってみる。
 リアホイールの内装ベアリングにちょっと大きめのガタ発見。

ド姐:「FZRって、軽くて乗り易い。どこ触っても軽い」
FZR:「そう言って頂けると嬉しいです」
ド姐:「さっき聞いたけど、FZRはJr.と同じブレーキ
    なのね」
FZR:「はい。マスターに換えてもらいました」
ド姐:「でもうちのJr.より効く……何したの」
狸穴:「パッドが違うんだよ」
ド姐:「パッドでコレだけ違うの」
狸穴:「フルードとかその他、いろいろ違うけどね。基本的
    にはJr.と似た様な構成」
FZR:「約5000km毎のO/Hが効いてますわ」
ド姐:「そんなに頻繁にO/Hしてるの」
狸穴:「時間がアレば大体ね」
ド姐:「あんた恵まれてるね〜」
狸穴:「……だってさ>FZR」
FZR:「恵まれていると言うか……ちょっと複雑な心境です
    わ」(実験車ですから)
Jr.:「同じような感じになれるでしょうか」
狸穴:「走行距離もまだ浅いし、この程度ならすぐ調子は戻
    るよ。エンジン内とかにもまだ問題は無いみたいだ
    し。でも作業はいつもお願いしている工場でヤルん
    でしょ」
ド姐:「そうなるけど……ちょっと高いのでヤル箇所をこち
    らである程度、決めたい」
狸穴:「ホントは買ったお店で全〜部おまかせ総チェック・
    セットをお願いした方がイイんじゃないか」
ド姐:「それやると凄い金額になりそうで恐いし、自分で出
    来る範囲は覚えたい。それに量販店でドカ専門店じ
    ゃない」
狸穴:「自分でねぇ……覚えると言っても大変だよ。教え方
    なんて知らないし。失敗しながら慣れるしかないか
    なぁ」
ド姐:「昔付合っていた彼氏は『基本的にはオートバイは所
    有者がある程度のメンテナンス・スキルを持ってい
    なければならない』と言っていた」
狸穴:「……余計な事を言う」
ド姐:「彼は全部自分のオートバイはやっていたわ」
狸穴:「たしかに間違っちゃいないけどね。失敗した揚げ句ト
    ラぶっても自己責任だよ。まずはマニュアル書と必
    要最低限の工具を揃えねば」
ド姐:「は〜い」
Jr.:(ぞぞ〜)
FZR:「……」
ド姐:「なによ! あんた達」
Jr.:「だってマスター……。狸穴さんなんか言ってやって
    下さい」
狸穴:「自分でやるって言っているし……」
FZR:「では、どこかから昔のわたくしのようなオートバイ
    を連れて来て、お勉強なされば良いのでは」
ド姐:「FZR、あんたイイこと言うわね」
狸穴:「マジでやるの」
ド姐:「これからしばらく閑だし、FZRの中古を一台買っ
    て直してみようかなぁ」
狸穴:「どうしたらそう言う発想に辿り着くかなぁ」
ド姐:「だって、FZRのページで『自分で出来る範囲はや
    らねば』と書いてあったわ『詳しいメカニックにや
    り方を効きながら覚える』とかも」
狸穴:「え……そんな事、書いてあったっけ」
FZR:「マスター、ヤブヘビですね」
狸穴:「……全面改訂をせねば」
Jr.:「ウチのマスターは言い出したら聞かないし、ホント
    にやります……」
狸穴:「困ったねぇ」

 散々失敗したり何度も試行錯誤して考えながら馴れて行くしかないのだが……このド姐にそう言うセンスがあるのかしら?
 という事で、取り合えず今日はJr.のエンジン以外の車体をバラしながら点検。
 944に積み込んだままになっている工具を持って来て、青空点検となりました。
《秋水號》は丁度前スプロケットのオフセット品の件で製作問い合わせ中だし。
 ホントはこう言う時間に、FZRのリアスプロケット・ハブ回りのパーツ交換したかったのだが……。
 キャリパーを車体から外してパッドの状況とピストンの状況を点検。
 前はパッド半分くらい。後はパッド無いです、(鉄擦ってます艦長〜!)前後共にパッドのカスがピストンに堆積中でガビガビ。
 ホイールも外してア、クスルシャフトの入っていたベアリングに指を突っ込んで動かしてみると、前の右側のb/gに少し引っ掛りがある。
 後ホイールのベアリングは全滅、ホイール自体がガタつき始めております。
 アームのピボット部分はまだ大丈夫な感じ(でもそろそろO/Hしても良いかな)。
 リアディスクはパッドのベースプレートの鉄を擦ってしまったので、交換しても罰は当らんだろう。
 今日はとりあえずリアパッドだけ交換だなぁ。
 FZRのカ〜ニと同じキャリパーだから予備でストックしているカーボンロレイヌの新品がまだ2セットあるし。
 チェーンやスプロケット・ギアもそろそろ交換時期です。チェーンは一部錆びて固着。
 ツーリングの帰りからなんだか変な感じと機械音が出だしたというのはコレだな……。
 フロント廻りは……フォークシールからオイル漏れを確認。ステムベアリングも要交換。グリスを乾かしたまま交換しないで乗っていたので減ったようだ。
 ド姐に実際に故障箇所を触ってもらって確認して頂く。ホイールのベアリングの中に指を突っ込んだり錆びたチェーンが固着していることを確認してもらったりで手を真っ黒にしております。
 黒くなった手がカッコイイとか言ってるし……。変な人かも……。

狸穴:「前に交換した部品はどれかな」
ド姐:「ん、コレに書いてある」

 タンクバックからJr.を買った某お店の整備伝票が出て来た。ドカ屋じゃないのか……。
 前後タイヤ、前後の純正ブレーキパッド、どこかのブレーキ・フルード、プラグ、エンジン・オイル、バッテリーが交換され、エアフィルターとスロットルワイヤー、チェーンは15ヶ月前に清掃・給脂されていた。
 今はうちの特殊系工具は出払っているし、パーツも用意していないので今日は点検だけにしてバラした部分を組み戻す。
 ボルトやナットの入れ方とか絞め方とか工具の当て方とか、適正締めつけトルクの話をして終了。
 後日、全部パーツを揃えてヤッても良いが、今は《弐號》、《秋水號》、GX等を抱えているので今日点検して交換の必要のある部分をリストアップして、処方して終わり。
 作業は、知り合いのドカ屋に電話てヤッて頂く事にした。
 ちょっと性格はラテン系だが、絶世の美女なお客を処方箋と一緒に紹介する。お似合いかもよ、という事にしたので調子に乗って頂きついでに、無料でエンジンの状態も他の部分もデータがあるので面倒みてくれるらしい。
 問題があれば細大洩らさず連絡くれるとの事。

ド姐:「狸穴氏、Jr.を今日お預けしてその間FZRを貸
    してくれないか」
狸穴:「え? どうする……FZR」
FZR:「……マスター次第ですわ」
狸穴:「んじゃ、ダメだ」
ド姐:「軽くて乗り易いね……これ。ポジションはドカより
    楽だった」
狸穴:「一応最低限の躾はしておりますので。良かったでし
    ょ」
ド姐:「コレなら思い切り回せるのになぁ〜」
狸穴:「回すって……俺でも普段は高回転常用させないでゆ
    っくり走っているのに」
ド姐:「ダメか……残念」
狸穴:「ダメです」(危なかったねぇ、FZR)
FZR:(恐かったかも)

 点検の為バラしたJr.を元に戻して、給脂するところはしてチェーンも張り直して本日の作業は終了〜。
 ステムは少し緩めて、その隙間から固着したグリスを洗浄して一般的なグリスを入れ直して終わり。
 コレで、先程よりは少しはマシになっただろう。
 手を洗ってからパソコンを少し点検してもらい、異状は無いとのことで、近くの工具屋とパーツ屋さんに向けて出発。
 必要なパーツと、今日やった作業で大体必要とされる工具をリストアップした。
 工具屋さんで、メガネと片目片口のスパナとドライバー各種と、ヘキサゴンレンチを見ていた。
 たくさんの工具があって珍しそうだった。
 Jr.は先程よりも普通に走るようになったとの事。
 後方から見ていても安定して、フラついてはおりませんでした。
 ステムの動きが渋かったのだ。(でも他まだ色々あるけど)
 パーツ屋さんでは、パッドの購入。
 飯喰ってから、ド姐とJr.は大きな音と共に帰って行きました。

FZR:「マスター、普通の人はあまりオートバイのメンテナ
    ンスはしないのですね」
狸穴:「まぁね。FZRの近くにいる俺や祁門氏やニャム氏
    はこう言う仕事しているからねぇ」
FZR:「マスターも普通の人だったのですよね」
狸穴:「始めはね。でもオートバイ屋とかやっているとその
    うち、妙なオーダーを出すお客さんとか集まって来
    るし、完璧に破壊したオートバイを直せと言われた
    り」
FZR:「大変ですね」
狸穴:「変に調子が悪かったり、その人に合った乗物じゃな
    いとオートバイは大事にしてもらえず楽しくないか
    らねぇ……」
FZR:「お互いに不幸になってしまいますわ」
狸穴:「やむをえんのだ。FZRだって、中尉の所にいた時
    はオーダーに応えられなかったでしょ」
FZR:「はい。全然応えられず期待もされませんでした」
狸穴:「ド姐もJr.にある程度馴れて来て、先ほどまでの
    状態に不満を持つようになって来たのだ」
FZR:「消耗品かしら」
狸穴:「減れば、狂いが出て操作のタイミングが合わなくな
    って来るからね」
FZR:「Jr.さんはこの先どうなるのでしょうか」
狸穴:「さっき紹介したドカ屋に行って、点検してちゃんと
    整備し直してもらうだろう」
FZR:「マスターじゃないんですか」
狸穴:「今回はね。かつてやってたデスモドローミックな旧
    いドカよりは簡単だけど、《秋水號》達が仕上げに
    入っているし、表の仕事も入って来たし」
FZR:「あそこのドカ屋さんなら信頼出来ますものね」
狸穴:「んだ。フレームもケースもしっかりしているし。で
    もちょっと高いかも」
FZR:「普通に直すだけでも高いのですかドカは」
狸穴:「ドカだから高いという訳ではないけど、要交換項目
    が一度に来ているからねぇ」
FZR:「普段からメンテナンスを小まめにしていれば……と
    いう事ですか」
狸穴:「んだ。ところでFZR、ド姐はライディングはどう
    だった」
FZR:「素直でしたよ。ちょっとわたくしのシフトタイミン
    グに慣れていなかったようですけど」
狸穴:「素直だったか」
FZR:「トルクの立ち上がりが違いますので、スロットルの
    操作に少し無駄がありましたけど、あとは問題無く
    わたくしをコントロールしてくれました」
狸穴:「スロットルか、難しいもんね……中尉と同じかな。
    どこかでスクールにも通っていたのだろうか」
FZR:「マスターが乗ってた時のJr.さんと同じラインに
    乗って、似たように走ってわたくしをためしてまし
    たわ」

 これからフォークやショックのO/Hを含め、色々直して乗って行くらしい。
 タイヤをみたけど走り方もごく普通で、攻めるような走り方はしていないようだし。
 手が小さくなくて良かったねぇ。

 ド姐+Jr. マミアナ+FZRx

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