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FZR:「マスター、その絵は何ですか」
狸穴:「FZRのフレームじゃないよ〜」
FZR:「そうですね、アルミ製の面妖な感じですから、わた
くしのフレームとはかなり違いますね。でもわたく
しのエンジンを飲込める幅を持っているようですが
……」
狸穴:「《秋水號》のエンジンも入るのだ。サイズ的には
《弐號》のエンジンだって入る」
FZR:「秋水様の新しいフレームですか!」
狸穴:「……別に秋水にコレを造るという訳ではないのだ。
ただ、あのエンジンを積んで極力小さく低く軽いフ
レームを造るとなるとどんな形になるのかなぁ、と
思い描いてみただけなのだ。クランクケースの構造
にも無理があるし」
FZR:「フロントのフォーク構造もアレに似てますね……リ
アのリンク周りは現在の新しい秋水様とかなり近い
けど、わたくしや《弐號》様にも同じような痕跡が
……」
狸穴:「アレのモノ・フォークだってわかった? でもリア
はコレを造るとなるとリアショックの筒体自体の太
さを更に5ミリくらい上げないと、ショック自体を
短く出来んのだ」
FZR:「バネ自体が持つ固有振動を相殺する部分は、わたく
しや《弐號》さんや秋水様と同じ仕組みですね」
狸穴:「んだ」
FZR:「もしもわたくしのフレームをこのようにした場合の
想定重量はどのくらいですか」
狸穴:「……排気管をチタンで造って、前脚は複合材構成に
なるけどカーボン・モノアーム化、フレームの燃料
タンク化やサージタンク化、ホイールも可能な限り
軽いモノを使うとなると90〜100kg台かなぁ」
FZR:「……」
狸穴:「でも、FZRのエンジンじゃパワーが全然足りな過
ぎるから、もっと簡素化や肉抜きや部品自体を小さ
くして軽量化は出来るかも」
FZR:「考えるだけに致しましょうね。マスターの今の財政
状態では材料だけでも無理そうですわ」
狸穴:「ははは、考えるだけならタダなのだ」
ちょっと、遊んでみたのでした。
実は、《秋水號》だけではなく《弐號》の最終形態も同時に仮想していたのでした。でもちょっと小さ過ぎかも。
125ccのオートバイとあまり変わらないホイールベースになってしまった。
こんなに短い胴体のオートバイだと機敏に曲り過ぎて危ないなぁ。タイヤも苦しいかなぁ。
遮熱板を装備した3本のチャンバーを押し込んだりして外装を付けると、なんだか妊娠した牛みたいな形になってしまう〜。500ccくらいの単気筒ならコレもアリだね。
申し訳程度の小さなメインフレームも、引き抜き材とか使えない構成だし、ダイキャストになってしまいます。
かなりコストが高いので、売価も高くなるだろうから却下だなぁ。でも大量販売が見込めるのなら製造コストや材料費をかなり抑えられるから可能かも。
揚句にこのフレームでは事故ったらフレーム交換率高し……。
スイングアームの方が全体としてはメインフレームよりボリュームがデカい。変なの〜。
フルカバードのカウルは大きく太るので、外装は部分的にカバーする形かなぁ……。
塗装面はほとんど無いし、車体は軽いので色の方は重たく見える濃い緑とか、暗めの紅かなぁ。アメリカ〜ナな配色はちょっと無理かも。
ラジエターやオイルクーラー等の熱交換器が見えてしまうとカッコ悪いねぇ……。
もっとも、コレでは発熱体であるエンジンと人間が近過ぎて熱くて乗っていられないや。
失敗〜。
グシャグシャ(ゴミ箱行き)ポイ。
FZR:「マスター、勿体ないです」
狸穴:「イイのだ、また違った形もあるだろう。実際にこん
なモノ造る奴はいない筈」
FZR:「そうですか……」
狸穴:「FZRはこうなりたい?」
FZR:「わたくしですか……いえ、イイです」
狸穴:「そだよねFZRじゃなくなってしまうもんね」
FZR:「はい」
始終、《弐號》や《秋水號》やFZRxを頭の中で走らせていると、たまに暴走して変な形のオートバイが頭の中を走り出し収拾が付かなくなるので、紙に描いて外に出すのでした。それでなくても最近は色々なオートバイが頭の中を走り過ぎ、関係無いけど『タルバガンの親子』まで登場する始末。
こう言うモノをきちんとファイルしてあとで見返すと言うことはしないのでした。
気持ち悪くなって吐きそうになるのでした。
以前に撮影した写真を見返すことと、同じですねぇ〜。
オートバイを取り巻く技術の進化は、ココ20年物凄く早くて《弐號》や《秋水號》を始めている間にも、日々新しい考え方が出て来たりしております。ヒントになることも多いです。
実際に毎回新しく造られるオートバイは、面倒な自由度と構造を省き、高い完成度を持って世に出て来ます。
もちろんその逆を行くようなオートバイもたくさん発売されて、改造等で皆を楽しませていますけど。
狸穴:「オートバイも大変だねぇ」
FZR:「はい。わたくしが造られた時はまだ平和な時代でし
たが、今では売れないでいると一気にリストラの対
象になり、ラインから追出されてしまったりですわ」
狸穴:「特に速く走る事に重きを置いたオートバイは、その
サイクルが早くて既存の技術やデザインではすぐに
陳腐化かぁ」
FZR:「わたくしもかつては、そうでした。今わたくしと同
じ年式のFZRがどれだけ残っているのかしら。中
尉殿の所へ来る前に長くわたくしを大切に保存して
いてくれたお方がいたので、今マスターの所にいら
れるような気がします」
狸穴:「中尉の要求には応えられなかったけれど、そのお方
には感謝せねば。FZRも、あの頃売ったオートバ
イの数を考えると現存数は少なくなっただろうなぁ」
FZR:「……わたくしも希少価値は出るのでしょうか」
狸穴:「そりゃ、どうかな〜。ちょっと無理なんでないかい」
FZR:「そうですわね。ではマスターもちょっと安心ですね」
狸穴:「たしかに」
タイヤが2個しかないエンジンを積んだオートバイと言う乗物の感覚を一度知ってしまうと、人間やそれに準じるヒューマノイドは中々普通に戻れないのでした。
知らなきゃ平穏な日々が送れたのに……。
FZR:「ますたー、またみんな笑ってますよ」
マミアナ+FZRx
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