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中尉の擁する《秋水號》NS400Rは彼日、不意に前方に立ちはだかった自分より遥かに大きな車体と重量を持つビートを撃沈するため自らの機体を賭して中尉を守り、目白通りの海底深く擱坐してしまった。
《秋水號》は、密かにパーツが集められ復活に向けた作業が日夜続いていたのでした。
度重なる苦闘に何度傷つき深く沈むも、その度に屈する事なく必ず復活を遂げ、《秋水號》は今また中尉と共に激しい戦いに赴くのでした……。
折りしも全世界的に2サイクルエンジン全廃という未曽有の嵐が忍び寄るこの時期に至り、中尉の生きる証明として位置付けられた希代の戦術戦闘機が《秋水號》なのでした。
不屈の、物凄く強い意思を持ったオートバイなのだ。
かつてこれほど多回数に渡る航行不能を喫し、そのたびに強化改装を受け復活を繰り返したオートバイはこの空域には珍しいのでした。
恐らく《秋水號》でなければ精神的に耐えられなかったでしょう。
(FZR:「わたくしでは耐えられませんでしたわ」)
このクラスの打撃型の精神を搭載するオートバイは、他にS&S社のショベルヘッドエンジンを搭載するH.D.の野獣號くらいしかいないのだ。
まるでどこかの悲壮な宇宙戦艦みたいですねぇ〜。(「こんな事もあろうかと……?」)
元々《秋水號》はあっしが普段動く範囲の中古オートバイ店にて発見。
細かい経緯は判りませんが、かねてより、
中尉:「自分は一度はNS400Rに乗ってみたい。NS400Rに乗るためにオートバイに乗るようになった。その存在を確認する前まではオートバイのようなものには一切興味は無かったのだ」
と言う事だったのでした。(編註:だいぶ誇張されてます)
NS400Rは、残念ながら販売台数も少なく、オマケに車検付きの400cc2サイクル、燃費も悪いです。更にはMVX250の時には弱いと言われた3気筒エンジン……。
NS400Rは免許獲りたての人が乗るには癖も強く、安楽に乗れるという種類のオートバイではなく、乗るにも高度な操作技術を要求し、維持をするにも非常に辛いと言った方が良い特殊なオートバイだったのでした。(ただ、買ったり動かすだけなら誰でも出来るけどね!)
発展途上のアルミのフレーム、不安な2サイクルエンジンの制御技術、ハイグリップ・バイアスタイヤの黎明期……数々の過渡期に、ホンダさんには申し訳ない言い方だが、未成熟な状態で発売されたとしか言い様のないオートバイでした。
中尉がこの《秋水號》に乗る前に、『覚悟』と言う言葉が必要になる事もアナウンスした上で《秋水號》発見を告げました。
《秋水號》は、悲壮な状況のFZRのパーツを買いにあっしがたまに行っていたオートバイ屋さんの中古車展示の車列で発見。
大変良い状態の車体で、
秋水:「自分に乗れる者は、乗りこなせる者に限る」
と言う風情で待っておりました。
その間、他のお客さんが先んじて秋水の購入を考慮中との事でしたが「自分には乗れそうも無い」との事で断念されたと言う経緯もあるのでした。
覚悟については、(BGM:♪ヤマト起つ!!)
狸穴:「自分の一命を預ける機体なのだが、NS400Rは
とても安楽には乗れない特殊なオートバイだと言う
ことはすでにご理解頂いているようですが、維持する
にあたり金銭的にもかなり掛かると言うことも含め
て『覚悟』は出来ておりますでしょうか」
中尉:「応! 出来ております。買います。即刻曳航セヨ」
と言う状況があったりしたのでした。
後になり、中尉の想定を遥かに越える状況を《秋水號》は発揮する事になったのでした……。
戦艦大和が物資の極端に不足する時、国民より生活に及ぶ意識の染み込んだ金属をも供出させその艦体を構成して行くように、《秋水號》も中尉の稼ぎを大量に消費し始めました……。
中尉は、その一つ一つを時間を掛けて軽いため息と共に越えて来ております。
今ではNS400Rのエンジンと寝食を共に暮らす『猛者』です。
両者(車)とも、精神系回路のコンジットに『闘う構造』を持っています……。
合っていないようで合っているようです。
いつの頃か中尉には《秋水號》しか合うオートバイが無くなってしまったのでした。
《秋水號》も中尉以外は受け付けなくなっているようです。
このあたりがオートバイと人間の関係での一番不思議で恐ろしいところです。
コレを読んでいる方の中にも、ご自身に思い当たる方が少しはいるのでは……?(FZRxより)
まあ、自分が初めから乗りたかったオートバイと言うモノが決まっていて、ソレに乗れると言うことは強く願っても得られない、とてもラッキーな事なのだ。
秋水:「……そろそろ始まるのですか」
中尉:「すでに始まっているのだ」
秋水:「今回は自分の形も外見で判るほどの改装を施される
とか、狸穴氏より聞き及んでおりますがその内容は」
中尉:「極秘じゃ」
と、言っておりますが……大体の事は決まっているが広範囲の改装に及び、その歪んでしまったフレームも改装工事の内容に含まれるに至り、最終的なセッティングに関しては何も決まっておらず、これから多数の試行錯誤が繰り返される事になるようです。
かねてよりの問題はフレーム。
コレをどう処理するかが大問題なのでした。
アルミで出来ていて、2000年代のモノと比べると、構造的に未成熟な部分もあり。
基本的には再加工を受けつけたがらないご様子……。
現状では乗り手側がオートバイに合わせるという状況。
大きくはないのですが、大層な頑固者です。
方向性としてはこのフレームの特性と、エンジンの特性を今のオートバイのような動き方をするように吸排気やフレームに多変更を加えながら、脚回り等は見えない所で(バラせば見えるけど)デフォルトとは違う部品により細かく設定し直す事になるのでした。
すでに現在行われている過去のセッティングは全て更新です。
使用する部品点数も今までの改装と比較してもかなり多くなります。
それらの部品は他車種からの流用品と、今回新たに製作する品を中心としますが、素材と考えすべて何らかの手を加え、設定を雪風★中尉と《秋水號》に合わせながら組み合わせてゆく事になるのでした。
上手に完成度が上がれば、外観はNS400Rのイメージを強く残せるはず。
ヘタに出来上がれば、NS400Rと言うイメージからかなり違ったものになってしまうでしょう〜。ソレもまた良いかな?
雪風★中尉+秋水號 マミアナ+FZRx
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