オートバイや自動車で走っていると、たまに『危ないなぁ〜』な状況になります。
当然、そういう状況から逃げ出すために、3秒ほどの一瞬と言っても良い程の短い時間で色々乗物を操作するのでした。
この3秒間(場合によってはもっと短い)で痛い目にあうか、あわないかの境目になります。
3秒間で何が出来る? と思いますが、追い詰められた状況では痛い目にあいたく無いの一心で、色々な事を考えたり実行したりするのでした。
普段はやろうと思っても出来ない高速域コーナリング開始からのフル制動中でのカウンターステアや、横合いから急に飛び出して来た自動車の動きに合わせ、後続車の状況まで確認して、一ヶ所しかない安全域へのコース変更とか。
過去に偶然出来た回避軌道を思い出して……(普段からそんな練習しているわけでは無いのですが)一応想定として頭の中でシミュレートした動きを実地にトレースしております。
不思議です。
身体が覚えているんですかねぇ。
FZR:「マスター、ソレはヒューマノイド型の脳機能のうち
のデフォルトで設定されている無意識領域の記憶及
び行動ですわ」
狸穴:「へ? 無意識……んなモンあったかな」
FZR:「あるんですよ。わたくし達オートバイにはありませ
んが」
狸穴:「便利なものがあるねぇ」
FZR:「便利なといわれても……マスターは、たまにその意
識下の無意識領域を使って走ってますよ」
狸穴:「え! ホントかな」
FZR:「はい。たまにどこをどう通って何時戻って来たか判
らないという記憶は御座いませんか」
狸穴:「……良くあるな」
FZR:「そう言う時は特に、マスターの無意識領域が主にわ
たくしをコントロールしております」
狸穴:「便利だねぇ」(ソレって肩の予備電子頭脳の事かな?)
FZR:「でも、居眠り運転と似てますから、あまり多用なさ
らない方がよろしいですね」
狸穴:「そうだったのか」
FZR:「普段のクラッチやスロットルの操作、シフトワーク
も、マスターの場合は無意識がコントロールしてます」
狸穴:「言われてみればそうかも」
オートバイに乗り始めのころは、どう扱うとどうなるか結果が判らなかったので常に考えながらやっていたのだが、慣れて来ると少しづつ考えなくても出来るらしい。コレが無意識というのかなぁ(正確には無意識と言う訳でも無いらしいです。小脳機能でしょ? 詳しく調べることもできるけど……よく判らんですココでは無意識でイイのだ)。
とりあえず、危険回避軌道は意識して考えているが、それよりわすかに先行して身体の方が先に反応している。
遠い過去に一度だけでも経験した動きならば、状況に合わせて少しアレンジしながら実行している。ソレも、増えた体重分も計算に入れてとか。
一応、同じ事を意識としては考えるが身体の反応の方がわずかに早く動いてます。
ヒューマノイド型の脳は、大変便利なのでした。
ソレもコレも痛いのは好きじゃないと言うところが肝要のようです。
人間の中には希に痛いのが大好き〜という方もおられますが……このテの方々は神経接続を少し間違えちゃったのかな。
しかし、この危険回避軌道に入っている時に、わずかに遅れて考える意識範囲の内容と実際の動きが大きく狂い出すと、二撃目以降のアクションで破綻を来します。
無意識が実行しようとしたデータと意識や感覚が思ったデータが合わないので、もう一度無意識に問い合わせに行くようです。
問い合わせた結果、『そんなデータは無意識領域には無いよ』と言う事になれば、新たにその状況をデータとして更新し始める回路が起動するようです。
こうなると、意識している部分が主動になるのですが……なんせやった事の無い新規の行動。もう大変です。
FZRの動きをフィードバックしながら、どのくらいの角度と速度でスロットルを開けるか、何速までシフトを動かせば最大トルクが発生されている回転域に合わせられるか、外脚荷重量が入力角度、量共に足りているのか、前後輪のスライド量はまだコントロール範囲に入っているか……等々、考える事がたくさんです。
肘を畳込んでハンドルは押え付けず、シートにもどっかり座らず、オートバイのホールドはニーグリップと踵のみ……手と腰はオートバイの状況を読み取るセンサーとして機能。
タイヤが触れている路面の状況がリアルタイムで伝わって来ないと辛いです。
FZR:「今のわたくしは、問題ありませんわ」
こんなときはベースクロックの周波数が一気に跳ね上がるようで、1秒間が10秒間くらいに感じます。乗物とのシンクロ率も1000%ってな感じ。
まるで野生動物の反応速度です。
この状況がまたたまらなく良いのです。一生こうでもイイなとその時は思っていたり。
どうなっているんでしょうねぇ……。
こ〜んなに便利な機能があるならば、いつでも24時間この状態で動ければイイのに。(その為に10倍飯を食わなければならんのは経済的に辛いが……)
『加速装置!』って感じなのでしょう。
でも、こうして一度経験してしまうと、再度同じような状況が発生した時、身体が勝手に反応したりするのでこの感覚は味わえなくなるのでした。(チョット残念)
何度かこう言う事をしているうちに、どの状況が危険であるかという基準が出来ます。そうなると、普段はとてもおとなしく走れるようになるんですね〜。(オートバイも早く減らないし)
そんな訳で、ヒューマノイド型の機能も乗物に乗ると言う行為に対しては棄てたモンじゃ無いのでした。
いろいろなことを経験するのは悪い事じゃないのかな。
オートマチックな乗物にしか乗っていない人は、こう言う経験が圧倒的に少ないだろうから残念です。
その分、機械が伴ってくれるはずなんですが……そこまで機械は面倒みてくれません。
踏んでいる路面が想定されたモノと違う状況だけで、補正範囲から外れたりします。
結局は便利で安全な筈のオートマチックの乗物の方が、乗り手に高度な技量を要求する事になるのですねぇ……本末転倒?
そんなになるまで、攻めるなって?
でも、オートマチックは自分が知らないうちにそういう状況になってしまったり、攻めていなくても危険は向こうから勝手にやって来るのでした。
他の交通と入り交じって走るしかない路上は恐いですねぇ……。
路上で運転している人間も、急いでいたり、眠っていたり、運転に慣れていなかったり、エッチな事で思考が満たされていたり……接客しながら運転していたり、違法薬物使用中とか泥酔していたりと様々です。
こんな人達が1〜2トンもある乗物に乗っている路上を、ほぼ裸に近い状態のオートバイで一緒に走らなければならんとは……。
FZR:「これから年末です、寒いです。皆さまも気を付けて〜。
マスターもね」
狸穴:「へ〜い」
でも、注意していてもやる時はやるのだ。
マミアナ+FZRx
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