Vol.219 ZEPHYR 2001-10-02


 先日、いつもお世話になっている祁門氏のお友達の方の愛車、ゼファー400のエンジン様をO/Hする事になった。
 約40000キロを走り、ゼファーも少しくたびれて来たのだ。
 車両の状態は、全くのデフォルト。
 改造箇所はどこにもない。
 走行状況も無理はなさらない方のようです。
 ライダーは昨日今日オートバイに乗った方ではない。小柄な女性なので、これもオートバイにとっては負担が軽く好条件。
 一番、良い乗り方ですね〜。
 でもエンジンは使えば減るのです。
 エンジンだけでなく、キャブレターのジョイント部分とかも今回は交換用件に加えます。
 エンジンに接しているゴム関係のパーツは全部交換。
 どんなにエンジンを再生させても、このあたりの補機類が狂っていたりすれば即また壊れてしまいます。

 引き上げの際にFZRの後ろに祁門氏を乗せて、二人乗りで出発〜。

FZR:「今のわたくしのリアサスの設定は、祁門様を後に乗
    せると丁度良い状況です」
狸穴:「そうだねぇ。もう少しイニシャルを落としてみるか
    な。乗り心地はいかが?」
祁門:「コレは短時間しか乗れないねぇ、乗り難い。乗り心
    地と言う表現は適さないようで」
狸穴:「やむをえんのだ、FZRのシートは30分保てば上等」
祁門:「掴まる所がどこにも無い」
FZR:「申し訳ありません」

 普段にも増してFZRは安全運転。
 二人乗りしても、ブレーキには問題なし。
 祁門氏も完全に荷物状態でいてくれるので、とても走り易いです。
 そうこうする内にゼファー君の駐機場へ到着。
 マンションの一階、最深部のスペースに陣を張っておりました。

FZR:「こんにちは。4気筒と言うことはわたくしと同じで
    すね」
ZEP:「あ、FZR。どうもお久しぶりです」
FZR:「エンジンのO/Hだそうですよ。いいなぁ」
ZEP:「そうでした、O/Hで復調です」

 ゼーファーのオーナーが駐機場へ降りて来た。
 症状を訊くと、壊滅的に調子が悪い訳ではないとの事。

 引き上げの際に祁門氏とあっしのどちらがどのオートバイに乗って帰るか……と言う事で、ジャンケンで勝った方がゼファー。
 結果は、あっしが勝ってしまいました。
 乗ってみると見た目や実際の車体サイズのデータよりも小さく感じる。
 普通の人に乗り易いように車体はバランスされている。
 エンジンのパワーは……残念ながら落ちてます。(発売時にあっしも新車で乗っていた事があったのだ)
 しばらく走ってから、二次エアーをどこかから……わずかに吸い込んでいるのか、暖機が済むとエンジンは……3000rpmでアイドリング。
 ヘッドの右側だけが異常に高温で熱い。
 エンジンを開けてみると、#1ピストンのピンの動きが良くない。
 なかなか抜けなくて、固いです。
 各気筒のピストンリングも減ってます。
 スカートを見ると若干圧縮漏れ跡も発見。
 ピストンには大きな傷は入っていないけれど、全体的に減っているだろう。
 走行距離なりの消耗状態です。(FZRも多分同様?、そろそろだなぁ……)
 そう言えば、キャブの同調を取る際に調べたエンジンのコンプレッションにも気筒間差でバラツキがで始めていたっけ……。
 カワサキだから減るらしい……と言われるが、会社が違っても使っている金属はそう違わないだろうから、オイルライン等潤滑・冷却系に軽微な問題があったのだろうか。
 腰上のオイルラインを全部見てみると、ヘッド回りのシリコンシーラントを多く塗り過ぎて大きくはみ出しておりました。
 この内のどこかがオイルの流れを妨げていたのかな……。
 完全に詰った状態では無かったけれど、ダムになっている部分が6ヶ所……ちょっと多いぞ……。
 ヘッドとシリンダーの古いガスケットを細かく落としながら、それらのシーラントの残骸も落として行きます。
 コンロッドも、走行距離なりのガタが出ております……。
 ざっと見た感じは、こんな感じ。
 ゼーファーのエンジンは4万Kmで大体こんな感じで消耗するのだろう。
 同じ空冷8バルブなディバージョンも、同様な状況でエンジンが減りました。
 水冷16バルブの方がパワーもあって耐久力もあるらしい。

FZR:「わたくしはもう少し保ちますか」
狸穴:「どうだろうねぇ……動弁機構は大丈夫だろうけど、
    ピストンに関しては同じじゃない?」
FZR:「はい。最近ちょっと圧縮が落ちて来ている感じです」
狸穴:「そろそろ5万Kmだ、やむをえん」
FZR:「ゼファーさんはこれからどうするのですか」
狸穴:「エンジン内部を細かく測定して、状態を確認後エン
    ジン屋さんで新しいパーツに合わせて、バルブ回り
    やシリンダー回りのサイズをボーリングして、一般
    的なO/Hだよ」
ZEP:「アイドリングや低速域は、安定するでしょうか」
狸穴:「減った分の隙間が埋まれば安定するよ。それよりも
    オーバーサイズピストン等のパーツの供給が心配。
    大丈夫だと思うけど」
ZEP:「その他の心配な所は?」
狸穴:「う……細かく上げるといっぱい出て来るけど。クラ
    ンク回りのメタルとかミッション軸受、シフター回
    りのスプリングの経年変化、フロントフォークのO
    /H、リアショックの交換、前後ブレーキのO/H、
    前後ホイールのB/G交換」
ZEP:「多いですねぇ……」
狸穴:「走れば減るのだ。お前さんの大切なオーナーの命を
    乗せて走るんだから、減った所は戻さにゃ」
ZEP:「私はそんなにひどい状態なのでしょうか」
狸穴:「うわ〜って言うほどは酷くないよ、ごく普通の減り
    方をしているだけだ。壊れ始めている部分を無理や
    り使われたりしていないから壊滅的な部分はないし、
    車体的には状態は良い」
ZEP:「安心して良いのですか」
狸穴:「この程度で棄てると言う事はないだろう。普通に再
    生して直せば走れる」
ZEP:「安心しました。ではよろしく頼みます」
FZR:「早く直ると良いですね」
狸穴:「不当に攻めないオーナーで良かったねぇ」

 ある種のオーナーの中には、こう言う状態にオートバイがなって来た時に『最近パワーが落ちて来たので吸排気等換えてパワーを上げよう!』といって、改造してしまう方々もいるのでした。
 エンジン自体が減っているのですが……その上出力を上げられてはエンジン様は壊滅的な状況を迎えます。
 気合いとか根性では状況はどうにもならないのでした。
 排気管やキャブやカムを換える前に、エンジンを直してから致しましょう〜。
 一時的に出力が上がっても、出力を上げれば熱も増えるし、力もかかるので壊れる時間が早く来るだけです。
 実はFZRも、最近5万キロを走りエンジンが減って来ているので、キャブが全開にならないように簡単な細工をして出力制御をしております。

 引き上げの際に祁門氏が乗るFZRをみていたのですが、ちゃんと走っておりました。
 普段、FZRが走っている所を外から見る事ないもねぇ……。
 感想は、

祁門:「軽い」

 だそうデス。
 FZRは軽いのだ。今度は軽量化でも極めてみるか……。マグなホイール、tiな消音器、カーボンなパーツ、軽量強固な……。
 イカンです。お金無いんだった。

ZEP 祁門氏 マミアナ+FZRx

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