Vol.202 FZR600x仕上げ行程開始〜 2001-08-17


 昨日、FZR600xの切れていた車検を継続。
 現在、前後脚回り(ラジアルタイヤ対応化)とホイール(バランス・軽量化の為の切削加工)&タイヤ交換。
 リアショックユニットの再々調整。
 シート形状変更によるハンドル取り付け角度の変更。等々……。
 終了。

 最終段階の走行テスト開始。

六百:「もう、すぐですね。自分の新しい状況は果たしてオ
    ーナーに気に入ってもらえるでしょうか」
狸穴:「大丈夫。お前さんのオーナーの普段からの乗り方は、
    それまで使っていたタイヤの使い方により大体把握
    しているし、方向性としては合っている筈」
六百:「自分のオーナーは、他のライダーと比べていかがな
    のでしょう」
狸穴:「レーサーだったと言う経験は無い筈だけど、今まで
    乗っていた過去の車種の選択が良かったようで、オ
    ートバイから良く教育されているらしく無駄の無い
    走り方をする人のようだよ」
六百:「そうですか、では安心出来ますね」
狸穴:「でも珍しいタイプだよね。理論で走るライダーみた
    いだ。車体の動きをフィードバックする回路も他の
    人より高速化しているようだし。基本的に思考速度
    の速いタイプの人間じゃないかな……」
六百:「そうなのですか、他の人の経験がないモノで自分で
    は判別しかねますが」
狸穴:「希なタイプだね。多分、多くはいない。こう言う人
    間にそれなりの走行技術系の訓練を施すと手がつけ
    られなくなるだろう」
六百:「人間側の脳内連絡速度により、オートバイは大きく
    左右されるのですか?」
狸穴:「凄く影響されるようだよ。その上、お前さんのオー
    ナーは凄く用心深い。もっと若くて耐力が在れば2
    4時間耐久等の競技では一番完走率が高いタイプの
    ライダーだと思うよ。状況判断に狂いが少なくデー
    タのアップデイトも速い感じ。それでいて集中力が
    高く素直なのだ」

 だから今回の改装は、そう言う人向けの改装になったのでした。
 現在のFZR600xは感覚優先型の走り方をし、たびたび限界を越える人には少しだけ向かない方向なのでした。
 前後のタイヤの使われ方と、フォークやリアショックの動いていた跡を良〜く観察すると大体どのような状況で走っているか判ります。
 タイヤは正直なのでした。
 それに加えてサスやフレームのデータがあれば、大体判るかなぁ。
 その辺は4輪車よりも2輪車の方がタイヤで判り易いのでした。

 さて、街乗り状態でのテストもほぼ終了して来たし、問題の発生する要素も無いからまずは首都高速での挙動の変化と改装後の状態の確認から始めるか。
 まずは交通の流れに乗るだけ。
 曲がる所が多く、減速加速を正確に無駄無く繰り返してキャブの設定結果や、タイヤの必要空気圧・連動するサスのダンピング特性の検証をして行きます。
 一度戻って来て、再設定が必要ならば設定し直し、再度同じ所を同じように走ります。
 適度に状況がバラけてくれて、それでいて路面の状況は変化の無い首都高速という道路はとても計算されていて、こう言う事にはただ走るだけでたくさんのデータが取れる使い易い道路なのでした。
 コレを必要なだけ繰り返す。
 速さを追求しながら走る訳ではないので、普通に走ってどのような状況で車体がどう反応するのか……苦手要素はないか……わざとハンドルにしがみ付いてニーグリップも解いて走ってみたり……安全が確認されれば強めにブレーキしてみたり……一連のタブーを、してみます。『忍』の一字です。
 走行に直接関係のない路面からの細かな振動の制御とか、加速時に見られるトルク特性の推移(谷等)を車体特性の変化と照らし合わせて補正を繰り返して行きます。
 燃料満タンにしたり空に近くで走ったり、後にウエイトを乗せたりタンク上にウエイトを乗せたり……。端で誰かが覗いていたら、「この物体、何やってんだ?」と思われるかなぁ。
 タイヤがバイアスからラジアルにかわった事で、それまで使っていた高性能なバイアスタイヤでも路面への出力伝達の際に若干ですが滑りが発生していた事も判りました。ラジアル構造にかわった事によって、路面と車体の間に発生していたロスが減ったようです。
 スロットルをスッと開けた時とブレーキをかけた時、顕著に判リます。
 曲がっている時も接地面形状が変ったため、操作に無駄が発生し難くなりました。
 大きな変化です。
 更にバネ下の重量が大幅に軽減されているので、脚回りの動きもバタつかづに速い。とても楽です。贅肉が削げた感じ。
 フォークの突き出し量を6mm出してみたら、設定し直したオリフィスバルブ穴とOHLINS社のフォークスプリングによる新しい設定での効き始めの感じも良くなってくれた。
 バタついていた感じが無くなった。
 2mmづつ変えてみて6mm突き出したくらいが丁度良い感じでした。ヨーもピッチングも無いです。
 リアショックとのバランスも合いました。(コレが大事です)
 こう言う細かい調整を動く所全部を合せながら感じながら計りながら、コツコツと合せて行きます。
 ココに至るまでにフォークを7回もバラしてオイルも入れ換えて……。
 最後にハンドルバーエンドに付いているウエイトを外して各速度域でハンドルから手を放してニーグリップも解いて、ブレが無い事を確認。で、またウエイトを戻します。

 雨の日もどうなるか走ってみます。
 60km/hで、緩やかに曲がったウエットなテスト路の曲がり方を探っていると、流石にリアタイヤが流れ始めますが、わずかにライダー側の上半身の重心をインに落として外足荷重量を増やすと納まった。
 GPR80というタイヤはウエット性能も素晴らしいようです。
 いきなり流れたり急にグリップを取り戻すような事もありませんでした。
 でも、このタイヤの空気圧はもう少し調べてみた方が良さそうです。(特に前タイヤ)
 この状態でのブレーキの効き始めと放し始めコントロール性も良し。16φマスターじゃなく15φにしておいて良かった……。
 この速度でガツンと来るとドライでも結構恐い効き方になってしまうのでした。
 制動初期にガツンなブレーキが好きな方もいらっしゃいますが、本当は危ないんですよ〜。
 あとは……各社から出ているよう々なパッドの選択かなぁ。あっし的にはFZRxで使っているシンタード(焼結合金?)なパッドが好きです。選択基準は各人の好みですね〜。
 前後のサスのバランスも各速度域で車体を安定させています。
 バネ下の重量が軽くなった事により、サスが素早く仕事し易くなったようです。
 バネ下の軽量化(その他)のために、サスの設定を初めからやりし直したもんね〜。
 フォークのシールなどは固体によりアタリの悪いモノもありますので、いくつか取って一番滑りや填まり具合の良いモノを選びましょう〜。(こんな面倒な事する奴は少ないか……)
 このあたりで一度、オーナー本人に試乗してもらうかな……。
 本人からのデータがあるとある意味、凄く楽なのでした。

 某陸事の車検場ではちょっと面白い事も……。
 600のオーナーは人に知られた方なので、書類を提出した時に本人のユーザー車検として書類を書いたので車検場の人から『……次はどうなるの?』と訊かれたりしました。
 本人と間違われたのだ。

狸穴:「さ〜、どうなるのでしょうか。次回のお楽しみ。頑
    張ってますよ〜」

 と返答して置きました。
 新しい車検証が出来上がった時の呼びだしでも、記載の名前がフルネームで呼ばれるので周りにいた若い人からも数名の視線が……。嗚呼、こう言うの慣れて無いや。
 皆、知っているのか……。大変ね。

 受け付け窓口で、構成パーツの変更がされている旨を言ったところ、「外形寸法や重量の過大な変更、制動装置の形式変更、搭載エンジンの形式及び排気量刻印の変更がされていなければそのままで構わない」との事。
 テールランプの変更も検査ライン上の目視検査では何のお咎めも無く通過。
 かなり大掛かりな部品の変更を経ているのですが、装着状態を見ても派手に変更した要素は外見からは見受けられず、相当な玄人が見なければ判らない状態なので問題無く車検終了。
 SRXのこきちさん(編注:彼はレース活動をしている)からも、玄人ないじり方と評されてしまった。
 まあ、詳しく調べて頂ければ、デフォルトよりもフレーム・エンジン共により合った状態になっているから問題ないか……。
 最後に、このオートバイを見てどう思うかと訊いてみたら、「良く整備されていて問題はどこにも見受けられませんでした」との事でした。
 素直に嬉しいです。
 吸排気機を違うモノに替えている訳ではなし……。

 車検前に、オートバイでは検査されない排ガスの測定もしております。
 少し薄めかな。
 ヘッドをO/Hしキャブを合せる際に、ちょっとキャブを薄めに設定したのでした。
 それからもう一度先程キャブを薄く合せ直しました。
 バルブ周りをO/Hした際にヘッド自体を若干面研したので、圧縮が少し上がりました。そのため中々一発でドンピシャが出る吸気機構ではないのですが、何度か設定して上手く合せ、本日もう一度CO/HCを測ったらデフォルトよりもキレイな状態の排気を達成〜。
 FCRキャブでもないノーマルなキャブがベースですが、コレで気圧の変化にも大きく左右されず、エコでクリーンな奴なのだ!
 渋滞にジッと嵌まっても、エンジン発熱も問題な〜し。
 ジャバで洗浄をしたラジエターとオイルクーラー共に容量的には問題なし。
 FZR600は、熱的には非常に高い耐久性があるのでした。
 ナラシ終えてからちょっと走らせてみると、トルクの谷が出来ていた7000回転前後も問題無くなっておりました。
 良かった、やーっと合った。
 右手の動きにエンジン様も一拍置くことも無く、素直に反応。

六百:「これでよいのでしょうか」
狸穴:「よしよし。ダイナモメーターに掛けてみたいね〜」

 でも、もうすぐお別れかな。
 もう少し走り込んで、まだまだたくさん合せて置く所が出て来ると思いますが、このあたりで一応完成〜。

マミアナ+FZR600x

 次は《秋水號》だ。並行してゼファーのエンジンさまもやって来るんだっけ。
 FZRはもうしばらく夏休みかなぁ。

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