Vol.195 バックトルク 2001-07-31


 久々に、《弐號》の部品が出来上がって来たのでためしに行く。
 表題のとおりバックトルク・リミッターを造ったのでした。
 ここの所、FZR1000やFZR六百改が来ていたりしていたので、3ヶ月ほど目覚ましい進行はしていなかったのだ。

 リミッターはクラッチハウジングの中に装着する形式で、#1#2のクラッチ板には負担を掛けるが、スロットルを戻した際にトルクの掛かる方向が変わると同時に、#1#2のクラッチ板を少し開かせる方法。
 その分クラッチ全体の重さが増えることが懸念されていたのだが、リミッターの振り子を可能な限り小型化して、数は増えるが軽量化し、高精度を期待出来るようにしたのだ。
 細かい構造は、多く語ると問題になる部分もあるのでまだ内緒。
 そのうち、特許庁あたりで仕様を閲覧出来るかなぁ……でもお金が掛かるし時間も要るから特許取りたくないです。
 製作にあたった方々の了解が得られればフリーにして、誰にも特許申請させないでおく方向で……。(そんな凄い事して無いのだ。でも他者の権利は冒していない筈)
 《弐號》始まって以来であった、最大懸案事項解決に向けての一大事なのでした。
 《弐號》は現在、乾燥重量で130kgを少し越える程度。
 それでいて、680ccの大排気量シングルエンジンその他いろいろ……。
 スロットルを戻しただけで強烈なエンジンブレーキが掛かり、雨の日など使用回転数が高くても低くてもリアホイールをロックさせてしまうのでした。
 晴れていてドリフトしていなければ問題ないのですが……(ってコレでも充分大変)。
 部分的一時的な『質量』制御とか出来ないかなぁ? 物凄い高エネルギー反応で乗っている人間おかしくなりそうだけど。
 コーナリング時にスロットルを段階的に戻せる乗り方が万人が常に出来るのであれば問題なかったのですが、びっくりした時とかは全閉してしまうもんねぇ。
 ……という問題でもないか。
 と言う事で、圧縮を落とすとか、400cc用のクランクシャフトを使うとか、管内開放型の減圧ソレノイド・バルブを燃焼室内に付けるとか、センサーとマイコンとソレノイドを使ったデジタルトルクリミッターとか、8速クロスミッションを造るとか……いろいろやってみたり考えてみたりしたのだが、今回は機械式バックトルクリミッターにトライ〜。
 一般には、こげな事やったりしないよねぇ……。

 今までで失敗したのは減速時のみ作動するソレノイド駆動のデコンプ。
 初めはサーボで駆動したのだが、全然遅くて使い物にならんかった。
 これはロッカーアームとタペットヘッドとバルブステムトップに、将来的に甚大な被害を与える可能性がある事が想定され……>耐久力無し。
 減圧バルブも閉じた瞬間にいきなり通常の高圧な状態になるので、ヘッドの破壊な危険がある。ソレノイド機構の耐熱性に疑問>却下。
 等々々々々……燃焼室周りに手を加えることは厄介事が多い。
 密かに、いろいろやっていたのでした。
 コレばかりはためしてみるにも、実験号のFZRではエンジン形式が違い過ぎるので役に立たない。
(誰か資金をくれ〜)

 新しく造ったリミッターを入れてみると、ちょっとクラッチレバーが重たくなったかな……?
 プラグを外してキックレバーでクランキングしてみる。《弐號》にはキックアームもセルも付いているのでした。
 どこにも当っていないみたいです。OK!
 オイルも回ったかな。
 始動してみる。
 問題無くセルにて始動。異音も無し。
 クラッチを切ってみる。問題なし。
 1速へ入れてみる。問題なし。
 ちょっと繋いでみる。問題なし。
 発進してみる。問題なし。
 3速2500回転からスロットルを戻してみる。ちょっとタイミングがまだ甘いので、引っ掛るが破壊せずに効いております。
 後輪はロックしておりませ〜ん。
 作動時、ちょっと引っ掛ってから効いている感じ。
 テスト用のテンションを掛けていない緩んだチェーンのせいかな?
 異音に関しては現在exパイプにな〜んの消音器も付けていないので、排気音がドッカン大き過ぎて聞えませんでした。
 戻ってクラッチカバーを開けてみた。
 クラッチをバラすと、どこも壊れておらず問題無いようです。
 まだ2500回転、スロットル1/4程度だもんねぇ。

 こんな事をココ1年以上ずっとやっているのでした。
 この重量でこの排気量。
 2500回転までなら充分扱いやすかったし、ガシガシこれを回して問題なければ物凄く面白いオートバイです。
 《弐號》の前に存在した同形式の《壱號》は、このあたりを全然考えず振動も激しく、でき上がった当初はフレームにクラックは入るは、1時間以上振動で乗れないは、速く走っていないと冷却しないはでフランケンシュタインのようなオートバイになってしまったが、現在もカラーリングも新しく(銀色)まだ走っているとの事。(乗り手がまた……元職業レーサーだからなぁ。今は彫刻家らしいです)
 《壱號》は10年以上も前に造ったマシンだったのでした。
 大きく違うのはCRキャブ車で排気量が620ccであることと、高回転型なため低速トルクが薄いこと、セルが無い……くらい。
 たっま〜に築地に朝飯を食いに来るため、首都高を明け方走っているそうです。

FZR:「《弐號》さんはわたくしよりも軽いのですか」
弐號:「はい。とても軽いよ」
FZR:「軽い上に大出力……なんだか凄そうですね」
弐號:「その分セッティング次第ですぐに暴君になってしま
    うので、現在細かな調整を受け続けてております」
FZR:「そう言えば、わたくしがココへ来るのも延べで14
    0日以上になるかしら」
弐號:「現在70%程度まででき上がって来ているので、第
    一次完成までアト少しだと思います」
FZR:「まだタコメータ以外のウインカーもヘッドライトも
    他のメーターも何もついてない代わりに、バキュー
    ム計や油温計や排気温度計がついているだけですも
    のね」
弐號:「早く完成に至りたいです」

弐號

 一応、これから保安部品や配線、用意してある他武装パーツ郡を装備して計算書類を添付して車検を受けて公道を走れるようになったら、最終テストを経てオーナーの元へ配備されて行くのでした。

 某国営放送局の『プロジェクト◎』な音楽が聞えて来そう……。
 こう言う事やっているフリーのフォトグラファーは多分、世界中であっし一人だけでしょう。

FZR:「ますたー、がんばって下さい〜」

《弐號》 & FZRx

 先日、《弐號》と同じようなことをやっている方と三京Pでお会いしました。
 公道を走っている姿を見て、ちょっと勇気がわいて来ました。
 適当に造った《壱號》に比べて、《弐號》を始めて2度ほど精神的におかしくなって《弐號》に近づけなくなったりしてもいましたので、近い形のものが走っているのを見ると勇気湧きます。
 仕事じゃ、出来ませんよね!
 ありがとう>こん◎うさん

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