Vol.191 週末の頃 2001-07-15


 オートバイも実体を持つ物体である以上、生産されていずれ最後には廃棄処分となる。
 企画が立上がりメーカーの人達の期待と情熱? と商売を一身に背負い、工場出荷されナンバーを付けてもらい(競技用は別)オーナーの元に来て2時間もしないうちに転倒し外装修理費だけで保険の査定上『全損』と評価され廃車となるモノもあれば、戦前に生産されて今だに現役で就労しているH.D.などもある。
 これらは極端な話だが、普通に買われて行っても使われ方は千差万別で、1年で8万キロを走ってしまうオーナーもいれば、同じ1年で120キロしか走ってもらえない飼い殺しの憂き目に合っているオートバイもいました。
 FZRはどちらかと言うと初期のオーナーは後者だったのかなぁ、でも今のオーナーは前者のような気もします。

FZR:「お久しぶりです、ますたー。マスターは前者と言う
    よりも、わたくしを皆様のオートバイの実験台にし
    ているのである意味もっと強烈ですわ」
狸穴:「あ、そう。でもみんなの役に立っているからいいじ
    ゃん。調子も悪くなって無いし」
FZR:「……拾って頂いたので文句言えない」
狸穴:「目茶苦茶な事はしておらんから、我慢してくれ」
FZR:「そのあたりでいつも騙されているような気がしますが
    ……」
狸穴:「はいはい」

 オートバイにとって肝心なのはエンジンの良否。
 このファクターは結構オーナーにとっては重要で外せない事なのでした。
 そんなに大層な力が無くても、目覚め良く安定した出力や調子良い事、故障少なく長持ちすることが第一義。(トラブルを抱えているとそのオートバイが辛くなるのでした)
 エンジンだけに関して言えば、その上で力があって速くて扱い易い事がウケます。
 エンジンはオートバイの性格やメーカーの技術や仕様にも多少左右されますが、大抵は長持ちするように造られてます。
 乗り方により、寿命が前後するくらい。
 高負荷で走り続けるモノもいれば、逆にカーボンが溜まるような走り方でのっくさせっ放しな方もいます。

 FZRの場合は、ナラシ無しオーナー→低回転オーナー→高回転オーナー→現在に至る。らしいです。
 エンジンを開けて中を視ると、高負荷で壊れたクランク軸受メタルやミッションギアーや、ボエボエと低回転でカーボン喰いながらが原因で壊れたバルブ回りとか、長期間乗らないで油膜が落ちきった時にチョークを目一杯引いた暖機により壊れた深いシリンダー跡がありました。

 メーカーが推奨するサイクルでのメンテナンスくらいは必要なのでした。
 でも、オーナーにも事情があり、しばらく乗らないで放置してしまう事もあったり……。
 オイルも一度クランクケースの中に入ってしまえば、その時点から劣化が始まります。
 半年経って、オーナーが迎えに来て始動すると、その時点ではシリンダーやカム回りのオイルは全部下に流れ落ちてしまいオイルポンプからオイルが圧送されてくるまで、一時的に潤滑不良な状態で暖機が開始されてしまったり。
 また、クランクケースに入ってから半年以上経ったオイルや、劣化し切ったガソリンでツーリングに行ってしまったり。
 まあ、いろんな理由でエンジンがヘタってしまった時に、オーナーとしては、『もうすぐ3万キロだ……そろそろコレも廃車して買い換えるか〜』となったりするのでした。
 ある意味コレは正解で、そうする事によりオートバイ産業は潤います。
 乗り手としても、車検毎に新車に乗り換える理由になる。
 新車は全部新しい技術と部品で構成されているので、(完成度を抜きにして考えると)安全でもあります。
 古いオートバイを良くない状態で『運ためし』みたいにして乗るよりは、ずっと良いのでした。

 他方、古い付き合いのオートバイをそう簡単に乗り換えたくない人もいます。
 時間を掛けていろいろな事を経験して、そのオートバイの事がやっ―――と、判って来た。これから楽しめるようになった。……等々。(この"等々"で頑張っている人、たくさんいるでしょ……)
 次に乗りたいオートバイが経済的にも体力的にも嗜好的にも許される車体が見付からなかった場合は、くたびれ始めた自分のオートバイを直さねばなりません。
 この時点で、オートバイに乗る事をやめる事も一つの選択です。
 そのオートバイもその時点で廃棄もしくは転売により次のオーナーの元へ……。(大抵の場合、そのまま中古車として売られて行き、『お前は調子悪いね、ダメな奴だ!』と言って怒られます>FZR、ちゃんと聴いてる?)
 キャブレターの同調とか、各気筒毎の空燃費調整で直る程度の状態もあるんですよ〜。
 でも機関的に減ってしまい、オーナーの元に残る事になったオートバイのくたびれたエンジン様。
 直し方も様々です。
 ヘタったエンジン丸ごとをまだ元気なモノとそっくり交換。エンジン乗せ換えです。
 もう一つの方法は、エンジンのO/H。
 O/Hにもそのエンジンのくたびれ具合によりどこまでやる必要があるか? という選択があります。
 『腰上』と言われる修理では。
 クランクケース内部には問題無く、燃焼室を形成するシリンダーやピストン回り、バルブ回りのO/Hで直る事もあります。
 オーナーによってはコレ幸いと、フォージド・ピストンとかハイリフト・カムとか……。い……かん。
(FZRの場合は、腰下のクランクケース内部も壊れて終っていたので全部O/H……大変でした。滝涙)

 でも実際に、こうして手厚くO/Hを受けられるオートバイは数少なく、大抵は廃車と言う事でオーナーがそう思ったその時点が寿命となるのでした。
 その時に、『世話になったねぇ……>オートバイ』と言って頂ければオートバイとしては報われます。
 反対に、『駄目。つまんなかったよ>オートバイ』と言われるとガッカリです。
 何に乗ってもつまんなかったオーナーは、自分も普段からつまんなかったと世間から評価されていたりするのかなぁ?(な訳ないか)
 オートバイも作り手の意思が至るところに反映されていますから、良い評価を受ければ救われるのだ。
 どんなオートバイもそれなりに楽しめるのに、楽しまないで終わるのは勿体ないですね〜。
 なんだか人間様もオートバイ様も大変ですねぇ……。
 寿命があって長生きしていると言うことはソレだけで大変な事なのだ。
 ガンバレ〜!
 あ、『合わなかった>オートバイ』ってのはアリですね。その場合は、無理せずすぐに買い換えましょう。
 あっしも200kg以上あるH.D.以外のオートバイは合いません。(出来れば160kg以内がイイ)

マミアナ+FZRx

(そういえば……あのゼファー400はこれからどうなるのかなぁ)

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