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オートバイのシートは、ベースとウレタンスポンジと皮革を主材料に出来ている。
車体に合わせてほぼ専用の、さまざまなデザインがある。
ベースと呼ばれる基台の部分は、かつてはプレスされた鉄板が多かったが野外で使うオートバイでは錆びてしてしまうので、今は大体樹脂製の物になっている。
厚みや、形状による硬さの具合、車体への取り付け状態による複雑な形状を成型出来る利便性等が要求される。
そしてとても頑丈に造られている。大敵は熱くらいだ。
一番表に貼られている皮革もとても頑丈に出来ている。
ほとんどが合成皮革だが、中には本革と言うモノもある。
オートバイは雨でも走らねばならないので、大抵の場合は合成皮革だ。
本革の持つ質感も捨てがたいが加工も大変だし、かつて血管だった血筋から切れて来たりメンテナンスも厄介だ。
オートバイを構成する部品の中でもデザインに大きく作用するし、その上適度な滑りやグリップ感、接触感(質感)、色などを要求される。
一時期の改造シートではこの表皮を使わず、硬めの黒いウレタンスポンジだけを貼り付けたレース用と言うモノもあった。
穴が開いたりすると中のウレタンに雨水などが浸入し、座ると湧き水状態になったり、ウレタンの劣化が早くなったり……非常に困る事になるので強度は充分に要求される。
だが、強過ぎてもお尻と喧嘩して困る。
素材の選択に重点が置かれるのでした。
表皮の下のシートの中身を構成するウレタンスポンジは、幅・厚み・硬さ等の座面形状により、ライディングポジションに大きく作用する。
ステップの位置やハンドルの位置の変更よりもシートの着座位置変更は大きく作用し、そのオートバイの各部のセッティングを多岐にわたり変更する必要性が出て来る時もある。
ウレタンスポンジなので、着座位置の固定化や経年変化によりスポンジ自体が反発力を失い、ヘタって来る。
そうなると、長時間走っていてとても疲れる・乗る位置が決め難い・前のオーナーの着座位置が凹んでおりその位置が自分には合っていない、なんてこともある。
ウレタンだから凹み癖も付き、止むを得ないのだ。
FZR:「わたくしのシートはいかがですか」
狸穴:「薄い構造にも関わらず、一様に張りが確保されてい
て悪くはないが、形状不一致により長時間乗ってい
ると痛くなって来る部分もあり。ってな感じ」
FZR:「乗る人のお尻の形や体重・身長など全部違います。
とても皆様に合わせられません」
狸穴:「そりゃ無理だ、人間の尻は規格品じゃないからねぇ。
最近じゃ新しい素材の封入ゲルパック等を内装した
シートとかもあるけど、単品で造るとなると非常に
高い」
FZR:「それはどのようなモノなのですか」
狸穴:「乗る人間の形状に合わせてパックの中のゲルが流動
して、程良く変形するように造られている」
FZR:「色々考えないと大変ですね」
狸穴:「シートの構造を決定する要素には、ライダーの体躯
や好みの外に、そのオートバイのショックの設定・
ロード、オフロード等、使用用途の差・車体の大き
さや重量等の全てが拘わって来るから、メーカーも
コストを含め大変気を遣っているみたいよ」
FZR:「全部を兼ねるのは無理ですわ」
狸穴:「んだ。でも、人間の方もある程度『馴れる』という
機能も持っているから、その範囲で上手く行けば良
いのだと思うよ」
FZR:「そう言って頂けると少し楽です。ちょっと聴き難い
けれど、わたくしのシートの点数はどのくらいでし
ょうか」
狸穴:「……60点くらい」
FZR:「良いと取ってイイのかしら」
狸穴:「イイんじゃない」
ウレタンも柔らかいモノと硬いモノを上手に積層させると、かなり優れたシートが出来上がる。
各層を貼り合わせる際の接着剤の選択も要かなぁ。
当然形状が乗り手に合っていないと駄目なのだが、硬い層を中間芯材として合せながらその上下に入る柔らかいウレタンで細かく合せて行くらしい。
さらに、表皮素材の選択と張り調整により仕上げられて行く。
各ウレタンの張り合わせ強度なども重要。
物凄いプロのお仕事なのでした。
シートのプロは人間の身体とオートバイの事を良く知っていて、点を衝くような勘所を抑えて凄い仕事をします。
素材は比較的簡単に手に入るが、素人がどう頑張っても良い結果は出ないのでした。
こうしてカスタマイズされ造られたシートは、長時間走った時の座面から来る痛みや疲労を抑え、それでいて路面の状況等必要なデータは伝えて来る……。
脊椎や腰、内臓などに問題を抱えている人には福音となります。
凄いです。
椅子の文化が発達した欧州のオートバイのシートは流石によく出来ていました。
あっしの好みとしては、ツーリングではグッチの大きいオートバイのシートは良さそう。でも、街乗りではオートバイが大き過ぎ……。
アグやドカも峠道などでは良さそうだけど、長距離ツーリングではどうかなぁ……。(まだためしてみたこと無いです。誰か〜くれ)
欧州のオートバイのシートが良いと書いてすぐですが、日本のオートバイの中に物凄く優れたシートを持つ者がいるかも知れません。
ただ、種類が多過ぎて……とても捜し出せません。
オーダーにより、FZR600改のシートを現在シート屋さんにて加工中……。
FZR600改のシートは、経年変化により中のウレタンが完全にヘタっていました。
日本の気候は湿気も多く、ウレタン自体も薄いので極圧荷重を分散出来ないなどもあり、劣化も早いのでした。
新しく造るシートもそうデザインを変更出来ませんし、造りが薄いので大変そうです。
内容は、部分的に厚みを増して角を少し落とす……等々。(仕掛け満載)
表皮は、ドカと同じヌバック系のモノ。
この表皮は履くパンツの素材にも広く対応出来るし、オートバイの性格からして、デザインにも合っていると思います。
カッコもとても良いです。
実は、4年ほど前にこの組み合わせを知人の奥さんのZXR400で実験した事があったのでした。
猫爪攻撃を一番かわせたのもこのヌバックな革でした。爪砥ぎとしては嗜好に向かないらしい。
FZR:「わたくしもそのステキな新しいシートが欲しいです」
狸穴:「珍しいねFZRから……そうだねぇ、その内実験し
てみるか。いつかギャラの大きな仕事があったらね」
FZR:「楽しみにしておりますわ」
FZRは色々なオートバイのシートが変更されて行くのを見ていて、シートの評価いかんで、長く乗られるかどうかが決まることをFZRなりに気がついているのでした。
マミアナ+FZR
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