Vol.172 ドラッグ…… 2001-06-12


 最近妙な音を発するようになった予備機のHDDをそろそろ交換しようと思い、秋葉原でHDDの価格等を調べに行った。
 80Gも物凄く安くなっていた。

狸穴:「パソコンの部品屋はコレじゃデフレだねぇ……アリ
    ガタイけど大丈夫なのかな、経営」
FZR:「わたくしと《弐號》さんも、たまに点火系の解析な
    どでお世話になっているので心配ですわ」
狸穴:「……だねぇ」

 とにかく安くなったモノです。
 メモリーもそろそろ仕様がかわるようで、予備機に使えるメモリーは2年前の半額以下になっている。
 表の仕事もデジタルなお仕事が半分以上になり、ウチのメインマシンは11回目のマザボ交換に伴い、CPUも2個になり物凄い事になっている。
 広告のお仕事では、画像一枚が1G越えるのも当たり前……。(音楽とwebなお仕事は軽い画像で済んでますけど)
 どエライ事です。
 テキストメールだけならば、286のMS−DOSマシンで1200bpsでも充分なのだが……。
 世の中そうも行かなくなってきて、最近仕事でやり取りするメールは、ほぼ画像や音が入ってます。場合によっては動画も(自宅で受けると重いのでちょっと勘弁して〜)。
 メモリーの予備と雷避けを買おうと思ったのだがどれが良いのか忘れてしまったので(中尉に聴いたのに……アルツかなぁ)また次回。
 以前は、擦れ違いざまに入って来た他人の会話や服の生地・体臭、交差する車の動きや音、電線に留っていた鳥の数や向いている方向も子細に覚えていたのに……。記憶の最適化しているのかな? 最近、少し鈍いです。鍛え直さねば……。
 便利になったのか不便になったのか……。

 秋葉原を適当に観てまわり、軽いショックを受けて風間の貸し元の所へ向かう途中で、東京ドームの所の信号に引っかかった。
 前に3台自動車がいるが、擦り抜けもせず後ろで信号が変わるのを待つ。
 前後共にラジアル構造のタイヤになったことで、減速も効率良くキャリパーやパッドの能力が無駄無く伝えられている。
 レバーやペダルに掛けている力が2/3に減っているのだ。
 単純に嬉しいです。
 信号が変わり各車発進し出すと、横断歩道で立ち止まっていた23才くらいの女の人がいきなり跳び出してきた!
 轢かれそうになったが、発進間際だったので自動車も当てずに止まれた。
 後ろに付いていたFZRも急減速、余裕です。
 お嬢さんは我に返ったようで、横断歩道を戻って行く。
 また車が動き出すと、飛び出して来た! ドライバーからホーンのシャワーと馬声を浴びせられている。
 あれれ!? なんか変だぞ? 自殺ですか。
 FZRの番になって……また飛び出して来た。
 FZRを止めてフロントタイヤの1m前にいるお嬢さんをスキャンする。
 黒いスーツを着ていて髪はブルーネットでショート・身長155cm痩せ型・コーチのトートバッグはちょっと大きめ?・靴はリズ/黒。身なりは良い。

FZR:「マスター、なんか変ですこの人」
狸穴:「だね……、FZRの前で下を向いたまま両拳握って、
    顔面蒼白で滝汗……小刻みに震えてる?」
FZR:「全然、動きませんね……フリーズしてます」
狸穴:「FZRのHIDのパルスが、視床下部に何らかの影
    響を与えたかな?」

 後方からやって来た車が『邪魔だ、轢いてしまえ……』と、文句を言っている。
 急いでいる時は、棺を用意して手早く閉じ込めて『あっしには拘わりのねぇこって、御免なすって……』と行ってしまうのだが、生憎今日はこの後、風間の貸元の所へ顔を見に行くことだけだったので時間はある。
 FZRを路肩に寄せて『ヲイヲイ……』という感じでお嬢さんの肩に手を置くと、振動する石のような感覚。
 てんかん……じゃないね、コレは。

狸穴:「FZR、何かのバグらしい」
FZR:「マスター、気を付けて!! 前にも渋谷でこういう男
    の子から刺されそうになった筈ですわ」
狸穴:「応。手や唇に何も持っていないのは確認済、気をつ
    けるよ」

 最近、良くこういう状態の人を街で見ます。
 多分ドラッグの後遺症もしくは禁断症状による発作なようだ。
 蔓延しているからねぇ……。
 こういう状態の人が、もし自動車とか戦車とかを乗り回していると考えると、恐ろしいです。
 免許更新の時に血液検査したら車、減ったりして。
 石のようにコチコチになっているカーネル・サンダース状態のお嬢さんの腕を肩に周して、歩道まで引きずって中にいれる。
 痩せていて、軽い。
 立たせたままだと、倒壊して脳挫傷ってのも考えられるので横倒しにして、脱げた靴を取って来た。
 ……さて、どうしたモノか?
 お巡りさんは近くに見当たらないし……。とりあえず、FZRのタンクの上にいつも積んでいる雨合羽の入った袋を持って来て頭の下に入れる。
 行き過ぎ掛けたOLが一人、声を掛けてくれた。

OL:「……事故ですか?」
狸穴:「NO!! 何かの発作らしいです……」
OL:「あ……そう、じゃぁ」

 行ってしまいました。さよなら。
 額に手を当てると、汗でびっしょり。
 脈は速くて呼吸は浅くたまに停まる。目蓋を摘まんでみると白目は剥いていない。瞳孔は暗くて確認出来ません。
 下が敷石なので体温を持って行かれると困るだろうと思い、あっしが地面に座って、カッパの袋は腰に当てて頭と肩は膝の上へ。
 催眠術に掛かった人みたいに、板のようになっているから背中は浮いてます。
 わはは。
 道行く人は、白い目で見て誰も声を掛けてくれません。
 先程のOLはまだ良い方だったのでした。
 しばらくすると、急にぐったり柔らかくなった。
 と同時に失禁!? 舗道に拡がる染み、流れ水である……ヲイヲイそこまで面倒みたく無いっす。
 以前日比谷線車内で、てんかんの発作による女性の失禁を経験しているので、その処理は困るのだ。とほほ。
 本人気が付いたらしく、タレ流したままボーッとこちらを見上げている。
 何が起きたのか判らない様子で……。

狸穴:「大丈夫ですか? 急に動かない方が良いですよ」
本人:「あン……お母さん」

 あ……のね、お母さんじゃないんだけどな。
 また目を閉じてしまった、眠った? 寝るなぁ〜。
 30秒ほどすると、また目を開けた。

本人:「あら、どうしたのかしら。私、何かしました?」
狸穴:「まだ動かない方が良いですよ。車が走って来るとこ
    ろへ何度も飛び出してました。まだ轢かれてません
    けど」
本人:「……? ゴメンナ・サ……イ!!」
狸穴:「ただの失禁です。動かないで」

 泣きだした。嗚咽。
 ギョエ……参ったなぁ。
 でも意識戻って良かった。
 少し顔色が戻って来たので、近くのベンチまで手を引いて座らせた。
 ……御免な、ベンチ。耐えるのだ。
 失禁と猛烈な発汗で水分がほとんど出てしまっているだろうから、持っていたペットボトルの水と、たまたま持っていた"清めの塩"を用法を説明して渡す。
 う〜ん、渡世人と持病の癪で倒れた旅支度の商家の娘と言った感じ〜。
 FZRも、路肩から舗道の中に入れてやる。

FZR:「お気づきになられたようで、良かったですね」
狸穴:「まあね」

 事の顛末を全部話すと、ご理解したらしく。

本人:「……死んでいたかも知れない。もう駄目」

 と、いうご感想。
 またポロリと泣き出した。(良く泣くなぁ……ドラマじゃあるまいし泣いてる場合じゃなかろうに。白痴系?)
 少しお話すると、高校生のときに友達とドラッグをちょっとやったとか……。
 一度その方面の病院へお友達と一緒に行って、検査してもらった方が良いと言うことになった。

 どんな種類のドラッグも恐ろしいのである。
 あっしは、そういうことには手を出していないので問題ないのだ。
 その代わり、身体が壊れてもうお酒、呑めなくなるまでやったけど……。

 昔〜、代々木の予備校へ彼女を求めて行っていた時に雨で気が乗らなかったので散歩に出た時、目の前で突然気がフレて包丁を振り回して女の人の顔を斬った男と目が合い、散々追いかけられ初台まで走って逃げた事があり、なんとか勝ったがこちらも数ヶ所切られて酷い目にあったので、だから仕様不明な治療用のモノ以外のドラッグには手を出さないのでした。
 あの男、死んで無いよなぁ。凄かった。

 お嬢さんの家はドームの近所なので歩いて帰れると言うことで、雨の日などFZRを拭くための排気ガスまみれのちょっと汚れたタオルをあげて、さようなら。
 洗って返すと言う事でどこの誰かを問われたが、

狸穴:「名乗るほどの者じゃござんせん。あっしには拘わり合いのねぇこって、御免なすって」

 と言い残して、FZRの出す木枯らしの音と共に風間の貸元の所へ向かいました。(ちょっとカッコイイかも……)
 後は医療の仕事だ。
 ナンバーは見られたけど、250登録では調べはつかないのだ。(筈)

狸穴:「FZR、ドラッグはやはり恐ろしいねぇ」
FZR:「わたくし達は、そういうことと拘わりありませんか
    ら安心です」
狸穴:「だな」

 風間の貸元もGXもディバも、変わらずに元気そうでした。

 あっし達も少しは、世の中のためになっているかな?
 皆様もドラッグは、いけません。
 身に覚えのある方は、すぐ病院へ……ネットで調べて行きましょう。
 病院もセカンドオピニオンと言うことで、2軒掛け持ちで行くと診断結果に精度が出て良いです。

本人さん マミアナ+FZRx

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