Vol.162 ついに……! 2001-05-29


 以前から考察していたフロント回りを一気に刷新致しました。
 先日の危機回避の結果、クラックが広がりブレ始めたフロントホイールの惨状は更に酷くなる一方。

FZR:「ますたー、コレではいつかフロントホイールのスポ
   ークが2本になってしまいます。40km/h以上で
   はとても走り難いです」
狸穴:「そうだねぇ……ホイール、駄目なようだ」

 そこへ昼頃に祁門氏から電話が入り、今日は時間が空いたので

祁門:「FZRの前周りを入れ換ええましょう」

 と言うことだった。
 こちらも、午後に予定していた打合わせが内容と日程変更と言う事で暇になってしまったので、朝5時頃から《秋水號》と《弐號》と《FZR600改》の計算をしていたが、脳が疲れてきていたので中断し、身体も使えると思い少ししてから出発〜。
 最近、回りでトラブルな方々を拝見していたので事故や転倒が起きないように、無理せず、いつもより大人しい走行で祁門ガレイジに向かう。

FZR:「今日は夕方からまとまった雨だそうですが、全然そ
   んな感じではないですね」
狸穴:「本当だ、天気良い」
FZR:「今日はこの時間にガレイジですか」
狸穴:「そのフロント周りとも今日が最後だ」
FZR:「新しいフロント周りですね!」

 43000キロを保ったフロント周りもコレで新しく変わる。
 リアがすでに変更されているので、コレでバランスが取れるようになる訳だ。
 そう簡単でもなさそうだけれど、なんとか走りやすくな〜る。

FZR:「どのような内容なのですか」
狸穴:「モノサス型のSRXのホイールとフォークセット、
   三つ叉とハンドルバーはFZR400(1WG)」
FZR:「と言うことは、コレで前後ラジアルタイヤですね」
狸穴:「んだ。でもフォークもシールがすでに抜けているら
   しく、オイル漏れを起しているし、車重も400cc
   とは違うからO/Hを兼ねて後で設定せねば。今日は
   車体に乗せるだけ」

 実際の設定は、約一年間考えているので大体どのように合せれば良いのか、FZRのフレームを考察しながらネタは揃えてあるが、そう簡単には済まないだろう。
 とりあえず、始めはフォークバネにイニシャルを与えているカラーを短くする事で荷重量に合せる。
 どの位短くすれば良いのかも、あまり判っていない。
 ステムシャフトも、ステムパイプに合わせて短縮&ネジ起こしせねばなるまい。
 1WGのアンダーブラケット自体の強度は充分過ぎるほどある。
 ただ、コレによりトレール等ディメンションが大きく変更されることになるので、前後のサスの設定は全面変更される事になる。
 また一からやり直しの一大事である。
 ベアリングは、パーツが間に合わないこともあるが、テーパーローラ型は使わない。
 4枚のレースと36個のスチールボールの組み合わせでやることにした。
 テーパーローラー型の方が強度的にも組立精度的にも良いのは判っているのだが、FZRのフレーム内にちゃんと入らないこともあり、またテーパーローラーベアリングがトラブル時には、ある日突然一ヶ所で固定してしまい全く動かなくなる事もDT200WRで確認済。
 オートバイの使い方やメンテナンスサイクルにより、部品の使い分けが必要なのでした。
 前輪に対する荷重量がSRX(セル付き)とFZR250では少し違うので、スプリングにイニシャルを与えて押さえつけているフォーク内のカラーを切り詰める。
 スプリング自体はFZRが使える範囲のバネレートであることはすでに確認済。
 どの位切れば良いのか……。
 当初は計算で出した−37oカットを考えていたのだが……祁門氏から、

祁門:「そんなに切らなくても良いのでは? 沈み過ぎる」

 との声が掛かった。
 −37oに近い状況をつくり、腕で1WGのフォークを押し込んでみた。先程までFZRの使っていたフォークも押し込んで比較してみる。
 肩に掛かる力とストロークする量を比較。

狸穴:「たしかに−37oでは柔らか過ぎる……とりあえず適
   当に切って」
祁門:「んじゃ、まずは−15oカットで、足りなければも
   っと落とす」

 15oカットされたカラーで組んで押し込んでみると、

狸穴:「こんな感じかな? でもダンパーの効き方やストロ
   ークさせる速度も実際に走らせればこんなにゆっくり
   じゃないし、バネの動きはこんな具合かな……まずは
   コレでやってみよう」

 もう片方も15oカット。
 戻って1Gで沈んでいる量を1本づつ計器の上で再現してみる予定。
 後で走ってみたら、−15oで結果的にはかなり要求設定に近いことを確認。
 FZRの要求するフロントフォークの動きは、エンジン出力やフレーム特性のことを考えると、あまり高速型に振る必要はない。
 硬過ぎればフレームにダメージが来る。
 柔らか過ぎればFZRの重量を支えきれないで、速度が上がると暴れる。
 普段一番使う率の高い街乗りでの60km/h〜10km/hを中心に考えている。
 街乗りなのでそれほど深いリーン・アングルは取らない筈。
 動きの初期の段階での滑らかさと適度な抵抗感……。(なんか軽くエッチな表現になってきたなぁ)
 『しっかりナメシた革のしっとりしたような』感じが欲しい。
 この−15oの位置を中心にイニシャルを前後させながら、フォークオイルの量や硬さ、オリフィスバルブの穴の口径や位置、DUメタルのボトムケースへのクリアランス調整、オイルシールのリップの滑りを様子をみながら合せて行くことにした。
 新品部品ではないので、バラした時にボトムケース内の内径もそれぞれの部位で測ってみるか……。
 結構時間も掛かりそうです。

 チョット試乗。
 SRX(セル付き)のフロントホイールで組み上がった、FZRアメリカ〜ナは車体色も手伝い、なんだか前半分だけ妙にカッコ良い。(自画自賛ですなコレでは。でも本当)
 白いリアホイールが浮き上がってしまい、今までとは逆にリアホイールだけ貧乏くさく、安っぽく見えてしまいます。(汚れも目立つ……)
 前後が磨き上げられたキレイな白ホイールならば、バッチリバランス取れたと思うが……。
 どうしよう……。

FZR:「ますたー、なんだかちょっと大人になったような気
   がします」
狸穴:「SRXのホイールは、やはりお洒落だったんだねぇ
   ……下品に感じないや」
FZR:「似合ってますか」
狸穴:「とても似合っております」

 と、言うか……合い過ぎ。
 SRX(セル付き)がこのホイールを使っていると、車体デザインが高度過ぎてこのホイールのデザインがそれほど激しく引き立てられる事も無く、自然と填まってしまっていたので気がつかなかったが、この黒とアルミ地のホイールは結構強いのでした。
 ホイールの色は車体全体でも大きな面積を持つので、色や仕上げにより物凄く全体に影響してしまいます。
 当初は、リアと同じ白に塗る予定だったが……当面、調整期間はこのままだ。
 乗ってみると、先程祁門氏がカンで合せたカラーの−15oの設定で、バネ的には問題なし。
 37oも切ったら大失敗でした。(フォークの計算をしていた際に1本で計算していたのだ!マヌケ〜)
 ただ、ダンパーの掛かり方が全然合っていない。
 オイルシールも破損しているし、コレでは正負とも圧が逃げてしまう。
 戻る途中で急に抜ける感じ。クリッピングポイントを過ぎたあたりで、危険です。
 リアとのバランスも狂った。もう一度リアショックの設定変更だ……。
 フロント周りの動きが適正化され始めたことにより、リアのリンクの動きが渋い事も表出してしまった。
 今まで、裏の一点で合せていたのだから止むを得まい……。
 約27oのトレールの減少と1Gで沈む量が変ったことによるキャスター角の変化等によってディメンションの変更・フロントタイヤのラジアル化とリム幅増大で、FZRのハンドリングは激変。
 ヤワkm/hまでの速度で、使用レンジが一気に拡がった感じ。
 SRX(セル付き)ともFZR400(1WG)ともFZR250とも違った感じ。
 リーンを開始する際に一度外側に前輪を振ってから回頭を始めていた前まわりが、リーン開始と同時に回頭を始める。
 チョットだけ伯爵(F4)みたいです。
 ダンパーとバネの関係や前後のサスのバランスが合っていないこともあり、まだチョット落ち着かない部分もあるが、基本的には大当たり。
 ハンドルバーの取り付け位置と角度が若干広がって下がったが、問題はない。
 取り付けの際ハンドルロックが当たってしまい、メインスイッチ側を思い切り削り落として対応。
 が、ハンドル切れ角を決めているストッパーが右側だけ早く当たり、右方向へのハンドル切れ角は半分ほどに減ってしまった……、でアンダーブラケット側を削った。もう少し欲しい。
 具合を見るための試乗を終えて戻ってきて、深くバンクさせてU−ターンを始めたら、ハンドル切れ角が全然足りなくて……
 倒けた!
 ガチャン!!

FZR:「マスター、チョット痛いです。フレンボのレバーが
   根元から折れましたわ」
狸穴:「あー、びっくりした〜。真っ直ぐ突っ込むかと思っ
   たよ。今起こすからね」

 フロントブレーキが使えないのでチョット起こすのにてこずる。
 立ちゴケである。
 アメリカ〜ナのカウルは割れ、漏れた燃料に火が回りあっしも右手首から先が欠損……な〜んてことはありませんでした。
 前にも追突されて倒れた右側なので見た目どこも変わりません。
 ブレーキレバーが衝撃のほとんどを吸収。
 右側ミラーをとり付けているカウルステーがチョット内側に入ったので、引っ張り出す。
 斜め上に引っ張りだそうとしていたら、右わき腹がつった。痛タッ!

FZR:「マスターは何ともないですか」
狸穴:「全然、何ともない」
FZR:「ハンドルが切れないと、恐いですね」
狸穴:「驚いたねぇ。なんとかせねば」

 久々の立ちゴケである。
 あっしもたまにはコケるのでした。
 そう言えば最近、風間さんをはじめ皆さん倒けているねぇ……。
 ぎょぇ。コケ病に羅感したかな?
 まあ、たまには倒けておかないと。
 虎はお留守でした。
 レバーは、祁門氏がストックするブレンボマスター用のレバー10本の中から、トマゼリの物に変わってしまった。
 たまに一緒に行動する事もあるし、ブレンボユーザーが他にもたくさんいることが多いので、予備のレバーをFZRに常備する。

 フロントのブレーキ・キャリパーの位置が今までより、わずかに外側に移った事も確認出来ました。このあたりも調整課題だなぁ。
 なにはともあれ、組み替え終了。
 これにより実験車FZRからまた、たくさんのデータが取れました。
 これから、前後の脚回りが完成した時のデータ量は凄い量になると思います。
 考察中のこれからやる車両達のデータと、今回のFZRのデータを突き合わせるとまた面白い結果がでた。深いぞ>各氏

 実のところ、エンジンパワーが全く足りない。車体がオーバースペックなのだ。
 でも、これでよいのだ。
 バネ下重量は、チョット増えましたがラジアルタイヤも入ったしフォーク径もスプリング径も上がったし、動きがとても良くなったのでプラスな点が多く、大成功でした。
 こけたけど、めでたし。

 それにしても、なんで今さらFZR250にコレだけやるかな〜どうせなら1000でやったほうがよかった? でも邪魔にならない小さい250が好きなのでした。
 ディメンション等の変更は軽い車体でやる方が些細なことで大きく変わるので難しいのだ、許して下され。
 実走行でのデータは、これからです。
 雨での動きも検証せねば……早く梅雨にならんかなぁ。

祁門氏 マミアナ+FZR

 ご協力、ありがとうね>祁門さんとモリワキさん

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