Vol.156 短期滞在車 2001-05-18


 半月程前に、SRX250xが出立してから、もう一台(お友達の)車検のために3日ほどやって来たオートバイがいた。

狸穴:「さて問題です。このオートバイはなんと言う名前で
    しょうか」
FZR:「そのオートバイはわたくしと同じ会社のオートバイ
    のようですが、大きくて派手な白/青のカウルが付
    いてますね。排気量はいくつですか」
狸穴:「398cc」
FZR:「水冷V_twinですか……判りません」
狸穴:「解答はXZ400Dなのだ」
FZR:「XZ……初めてお目にかかります、逆車ですね」
XZ:「はじめましてFZR、XZ400Dです。俺は逆車
    ではありません、国内販売モデルです」
FZR:「かなり重たそうですが……」
XZ:「現状で210kg以上あります。今では俺の事を覚
    えておられる方はほとんどいないでしょう」
狸穴:「発売当初はメーカーもコレだけ大人っぽいオートバ
    イならば、大人の人中心に広い年齢層で売れるだろ
    うと思い造られたのだが、誰も見向きもしなかった
    のだ」
XZ:「販売面ではとても悲惨な状況でした。当時同じ排気
    量にはXJ、SRもありましたし、250にはRZ
    などと言うオートバイもありました」
狸穴:「エンジンにパワーがあるわけでもなくトルクは太い
    のだが、車体重量が皆吸い取ってしまう。重たいし
    フレームも剛性感に欠け不思議な動きをするし、シ
    ャフトドライブだ。深いバンク角を与えるのか難し
    いオートバイだった。利点となるメインの武器は大
    人が選べる高級デザイン」
XZ:「更に、価格もシート高も高かったから売れなかった
    んでしょうね。俺の仲間は3000台位かなぁ。少
    ないです」

 オーナーはすでにこのオートバイを18年乗り続けている。
 どこかのGX2?0に乗っている方と同じく、このXZ400Dをいたく気に入って乗っており、替わるオートバイがないらしい。
 大きいオートバイに乗れる免許も持っているんだから、HDとかFJ1200とかに乗ってみれば? と薦めたが、見向きもしなかった。
 わずかに気を引いたのは、以前XZ400Dで事故った時に代車に出した3代目セロー号とGB500だけだった。
 GB500はあっしが嫌いなので、面倒を見たくないといったため止めてしまった。
 XZ400Dにはその前身として、カウルの付いていないXZ400という黒い車体もあった。
 皆には《暴れ黒牛! が来たぞ〜》として恐れられていた。
 重たい車体にシャフトドライブ、重量を考えると細いタイヤにより高度な丁寧なコーナリングが出来ないと、とても厄介な動きをする乗り物になるオートバイだったのだ。
(本当は、癖さえつかめばかなり攻められもしました:XZの名誉のため)
 数少ない乗り手になった方々も、その半分がフロントから滑らして自重のデカさにより大破で廃車……と言う軌跡をたどった。高度なテクを持たない初心者には辛いオートバイだったのだ。
 危ない! と思ったらスロットルを必要量開ける。

 他社の250cc4サイクルにはすでに、VT250などと言う軽量16インチ車があった。なおさらXZの重さが引き立ってしまい、お客はその姿を見ただけでも引いてしまった。

 どういうわけか、今回いらっしゃったこの個体には前後にOHLINSが入っている。わはは。
 オーナー談によれば、この脚回りにより、このオートバイは完成したらしい……。う〜ん、どうなのだろう? OHLINSを入れてから2回くらいしかOHしとらんぞ……。
 車検ついでに前後脚回りもOH。
 カムカバーとドライブシャフトからからオイルが漏れているが、カムカバーの所のパッキンは袋の中で経年劣化したためか、くっついてしまい変形して使えない。すぐにはパッキンが交換出来ないので、予約してしまったこともありそのまま車検することにした。
 水関係も一旦バラすと漏れ出す可能性があるため、触らぬ神に祟りなし。
 デフオイルを交換したら少し静かになった。

 車検は何も問題なく1発で済んだ。
 乗ってみると、問題なのは14万キロと過走行なのでピストンとかカムシャフト、クランクシャフト、バルブ回りがそろそろ駄目になり掛けていることだ。(つまりはエンジン全部)もう部品はないかも知れない。
 コレだけ走って、ほぼ内部はオイル関係とプラグ交換程度で実質はノー・メンテナンス……物凄い耐久力である!(品質はすこぶる良かったのだよ)
 タイヤも今はこのサイズは選択の余地がなく、苦労する。
 XZのオーナーが電装系やブレーキ周りのパーツ、ステアリング周りのB/G周り、フロントフォーク等を3組ほどストックしているので保っているが……。いつまで乗るのだろうか??
 ドレンプラグが入っている廃油の排出孔である、♀ねじのネジ山もそろそろ駄目になり掛けている。ドレン・コックでも付けてやるか……さすがに、クランクケースはストックしていまい。
 旧車趣味とはまた違った、たまにはこういう方がいらっしゃるのである。
 脚回りと油脂類と水を入れ換ええて、ステアリング周りをOHしたら元気に帰って行った。これからどこへ行くのだろうか。

 気をつけないと、FZRもそのうちにこうなると困るので、役目が済んだらお別れする時の事を考えておかなければ……とり憑かれたら大変な事になる。

FZR:「マスタ、それはどう言う事でしょうか」
狸穴:「いや……大意は無い」
FZR:「わたくしは、とり憑いたりしませんわ」
狸穴:「をを、御意に……」

 ま、オートバイは動くうちは乗り続けてもよいのだ。
 HDや英国旧車な方達の間では30年前なんてザラにあるし、戦前のオートバイを平気で下駄に使っている奴もいる。
 世の中どうなっているのだろうか……誰か知ってる?

 車検場の検査ラインの中で一緒になったドカの新車と比べたら、物凄い時代の変遷をちょっとだけ感じられました。
 エンジンを横から見ていたら、ちょっとV−MAXに似ているなぁ、と思ったことは内緒にしておこう。

ZXとマミアナ+FZR

 XZの信奉者の方々、ちょっと辛くてごめんなさい。
 webを調べてみたらたくさんあって驚きました。さすがXZ……。

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