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FZR:「マスター、今日はどちらへ行かれるのですか」
狸穴:「イイところ」
FZR:「マスターのイイところはわたくしにとって、あまり面白
くない所であることが多いです」
狸穴:「今日はそうでもないさ」
途中オートバイのパーツ屋さんへ寄り、車体カバーを一つとプラグ4本を買う。
バッテリーもそろそろ替えたいところだが、ちょっと我慢。
FZR:「パーツ屋さんだったんですね。去年盗られてしまったわ
たくしのカバーですね」
狸穴:「んだ。でもまだ次があるのだ」
FZR:(どこへ行くのだろうか?? プラグも買ったようだし、
ドナドナされるわけではなさそうだわ)
強化人間に所へ久々に寄る。250ccのオートバイをさがしてくれと電話があったので適当に情報を集めてポストへ投函。
FZR:「今日は強化人間さんいらっしゃらないですね。平日だか
ら会社みたいです」
狸穴:「強化人間の友達が250ccのオートバイが欲しいんだ
って」
FZR:「わたくしですか……?」
狸穴:「まさか。んじゃ次ね」
FZR:(一体どこへ行くのかしら。今日はお仕事の道具も持って
いないし、打合わせでもなさそうだし)
日比谷公園に着いた。
FZRを歩道に停めて公園に入り、屋台でコーラとパンを買う。
ベンチに座ってパンを齧る。
ハトとスズメがたくさん寄って来た。
パンをちぎって一緒に食べる。
鳥には味の付いてない所をやる。
旧知のスズメ、三太郎がやって来たので、指先に摘まんでパンを出すと手に乗って食べている。三太郎の天敵、カラスの貫太郎はこの時間はいない。
手乗りのスズメは三太郎だけだ。
実はこの日比谷公園でシキテンを切っているスズメ隊長の三太郎は4世なのだ。
あっしには、こういう友雀もいるのだ。
3切れほどパンを食べたらさっさと森に行ってしまった。
全部喰い終わったら、ハトやほかのスズメもさっさといなくなってしまった。
すっかり冷えたFZRの所へ戻り、そのまま日比谷公園の地下Pへ入る。
FZR:「マスター、ここは自動車専用でオートバイは入ってはい
けないそうですが、よろしいのですか? 怒られますよ」
狸穴:「大丈夫。話は付けてある」
FZR:「……ここで何をなさるのですか」
狸穴:「ちょっと待ってろ」
FZR:「わ! いきなり何をなさるのですか。びしょ濡れです」
狸穴:「洗車じゃ! コレをしに来たのだ」
ホースでじゃんじゃん温水を掛ける。使い放題なのだ。
堆積した汚れが浮いて来て、FZRの車体表面に幕が張る。
半年以上、洗車していなかった。
タオルで浮いた汚れを擦り出すと、黒い水が排水溝へ延びて行く。
FZR:「日比谷公園の下に、こんな所があったのですね」
狸穴:「昔からここへ車を洗いに来ていたのだ。オートバイは
10年ぶり位かな」
FZR:「944tさんを洗う所はここですか」
狸穴:「そうだよ。夏は炎天下じゃないし、冬は水も少しは暖
かいので車の洗車は大抵ここだ」
汚れを適当に流し終えて、タオルドライをし、久々にワックス掛け。
ちょっとはキレイになったかな?
本当はある程度バラして洗いたい所だが、昼の時間は駐車料金が高いので早めに仕上げなければならない。
警備員が見回りに来て、『ここはオートバイは入ってはいけない、早く出て行け』と言われたが、あっしの顔を思い出してくれたらしく、『あんたか……久しぶりだね〜』で終わった。
ここは、あっしの秘密のアジトだったりするのでした。
レイ・チャールズをやる老歌手と知りあったりして、音楽会社のジャケ写の仕事と繋がったり、自動車の洗車にかけてはオーソリティーなハイヤーの運転手さんから洗車の仕方を教わったり、若かった頃は某老舗自動車雑誌の撮影車両を洗車しに来たり、銀座のホステスさんと洗車友達になったり、そのホステスさんとヤッちゃんの痴話喧嘩に巻き込まれて面白かったり(お詫びに寿司食わせてもらった)、全共闘と間違われて刑事さんに引っ張られ「こういう時はまずカツ丼? 剣道で勝負してもイイよ」なんてふざけていたら怒られたっけ、刑事さんは凄く強かった〜。ワハハ。
いろいろな事がありました。
そう言えばサイバースポーツCR−Xの折れかけたドライブシャフトをここのジャッキで交換したこともあったっけ。
FZR:「マスターのアジトはわたくしのPとしては最適かも知れ
ませんね」
狸穴:「んじゃ、ここと交渉して長期契約する? そうなるとモ
スボール状態でほとんど乗らなくなるが……」
FZR:「それは困ります。ジッと地下にいるのも辛いです」
狸穴:「んじゃ、たまに洗車だけだなFZRは」
FZR:「ええ。あ、マスター新しい車体カバーをありがとうござ
います」
狸穴:「ああ、でもこれはしばらくの間アジトXにいるSRX2
50xに貸してあげよう」
FZR:「はい、構いませんわ」
マミアナ+FZR
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