Vol.138 車高 2001-03-16


 FZR250は着座位置が低くて、足付き性が良いこともセールス・コピーの一つだったりした。
 が、FZRめはたび重なるリア回りの変更により、リアの車高がデフォルトよりテールエンドで50ミリも上がってしまっている。
 一方、先日から造っているSRX250xの車高は、前後共に40mm近く落としている。
 結局車高を落とすと言うことは、オートバイではサスペンションの作動範囲を少なくすると言うことになるのでした。更にホイールベースが短くなってしまう。
 リアに関してはリンクとアームを全面変更しているので、構造自体が変ったことによりストロークを小さくしなくてもすんだが、フロントはキャスター角の関係もあり、そうも行かず40ミリ作動量が少なくなった。
 車重が軽くサスストロークが小さい……コレは結構大変なことなのでした。
 少ない作動量で、それまでのショックと同等もしくはそれ以上の仕事をさせる……。
 アウターチューブとインナーチューブはデフォルト物を使用。
 新設定のスプリングと内装部品の加工をどう設定するかが肝。
 失敗すれば曲がる・止まる・走るのすべてが駄目になる。
 オリフィスバルブの作動位置とオイル通過量を変更し、使用オイル量も変更。
 フォークオイルはどこでも手に入れられる事を前提に、純正のGー10。
 ……………………散々計算して何度か実験してやっと仕上がり!
 小さいストロークでもちゃんと仕事させるのって大変〜。
 コレにはFZRも含め《弐號》、秋水號、FZR600、銀河弐拾弐式、等々更に遡った歴代の車体データが全部役に立った。

FZR:「わたくしのデータも役に立って良かったですわ」
狸穴:「凄く役に立ったよ〜」
SRX:「変更された当初はどうなることかと思いました」
狸穴:「始めのは沈んだ所で全く動かなくって、凄く乗り難かっ
    たもんね……」
SRX:「まるでリジットでした」
FZR:「軽い車体で、わたくしよりも発進時の加速が強いSRX
    さんのフロントサスペンションの製作は大変なのですね」
狸穴:「んだ。更に作動量気が小さいので、短いストロークで全
    部の仕事を済ませなければならなかった。微かな変更で
    激しく性格が変わる」
FZR:「レーサーのサス調整みたいですね」
狸穴:「ある意味では、近いかも知れない。乗る人間の体重や体
    形を限定しての作業だったからできた様な物だ」
FZR:「ますたー、SRXさんに乗った感じはどうですか」
狸穴:「重心が前・下に移り、バランスさせたリアアームの動き
    も高精度なピロ脚組んであるから反応も早い。FZRよ
    りも良いよ」
SRX:「私のまだお会いした事のないオーナーは人間の女性です
    し、身体も小さく力も弱いので、とても良いと思います」
狸穴:「ただ、シートの位置とハンドルはデフォルトのままだか
    ら、ちょっと遠いと感じるかも知れないが、これは馴れ
    て頂くしかないかな。どうしてもハンドル位置を近寄せ
    たい場合はまだテはあるけどね」
FZR:「どうするのですか」
狸穴:「トップブリッジとハンドルマウントを造って、重心の位
    置の変更を計算しながら前後のサスの再設定をする」

 車高が下がったことにより、デフォルトのSRX250よりもホイールベースは短いし、重心が下がっていることも影響しているので、車体の反応は鈍くない。
 前後のブレーキも車体の能力や、握力・踏力に合わせてすでに変更してある。
 出来上がってからフレームの狂いも測定し、わずかに曲がりがあったので修正したから、もうどこにも問題ない。
 あとは、オーナーに大事にしてもらうだけだ。

FZR:「良かったですね、SRX250xさん。ところでマス
    ター、わたくしの新しいフロント周りは?」
狸穴:「もうほとんどの部品は揃っているのだが、もう少し時
    間が掛かるかなぁ」
FZR:「ガレイジの祁門様が、わたくしの部品を揃えてくれて
    いることは存じ上げておりますが、早くして頂かない
    とそろそろフロントホイールのスポーク部に発生した
    クラックが広がって来ています」
狸穴:「まだ無事なスポークが2本あるから大丈夫でしょう。
    お金掛かるし」
FZR:「……我慢、致します」

 モノがホイールだけに、壊れる時は一気に破壊するから、そうのんびりも出来ないのか……。
 結局、動く所は全部精度の高い新品部品で組んでしまったし、前後の脚回りを新造したのと同じことだから並みのSRX250とは斬れが違うのだ。
 都内走行テスト中、最新鋭のホーネットにちょっと絡んでみたけど勝っちまったぞ! と。
 (ついでに第三京浜にて三菱GTOの白黒パンダを発見。凄く静かで速かった)
 重心位置と各ディメンションが変更されたことにより、バンク角を深く与えなくても安定して素早く回頭出来るのだ。
 その際にタイヤに掛かるグリップの推移も、フレームが受ける外力も計算済〜。
 バンク中の減速時に生ずる一時的なフロントドリフト(逃げ)から再グリップ時のフォークの動きも問題なし。
 通常走行時の振動吸収はほんのちょっとだけ不足かな。
 小さいレトロ・ドカに乗っているような感じ。
 タコメーター上表示のレッドゾーンが7500〜9000rpmなのだが、実際のSRX250のエンジンのレッドは10000rpmから。
 ギア比は合っているし、メーター見てると数字のないところまで針は行くので面白いです。
 このことはオーナー様には未知の領域と言うことで、内緒にしておこう〜!
 SRX250の吸気系の調整を完璧に出しておくと、FZRより発進時の加速が強いことは羨ましいです……。ついでにFCRキャブも使えます。
 アームが変ったことにより、コレにもリアショックにOHLINSが入れられることも内緒。純正のリアショックユニットはもうメーカーから取り寄せることは不可能なのだ。
 オーナーになられる方の旦那様の作家S先生が先日世に送り出したバイオロイドの"リオ"さんというキャラのようなオートバイになってしまった。
 本をいただいて読んでいたら、だんだんそうなってしまったのでした。ワハハ。おしまい。
(街乗りの初期加速でFZRが負けていることは、内緒にしておこ〜)

SRX250x+マミアナ+FZR

←前回 次回→

FZR250 トップ NS400R TOP


Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.