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たいていの場合機材が多いので、仕事の際には自動車を使うことの方が多い。
でも内容によっては、たまにはFZRで打ち合わせ以外の撮影現場へ行くこともある。
背景が白ホリゾントのままで、何の演出もなしのモデル込みの商品撮影。
それもスタジヲにあるライト機材だけでほぼ間に合い、要求カットも少なく決定済み。
いきなりの仕事だったので少し事情を聞いてみたら、本当は他のカメラマンが撮るはずの仕事だったのだが、ギャラが低いこともあり多分他の仕事をするために、うちにこの仕事がきたのだろう。
この時期、ギャラが低くても受けた仕事はやったほうが良いのに……。
でもまた次はそのカメラマンが継続してこの会社の仕事するんだろうなぁ……始めからスポットだって話は聞いてたし。
レギュラーはそう簡単にはやってこないご時世だ。
狸穴:「FZR、急遽今日は撮影だ」
FZR:「わたくしで間に合う機材の量なのですか?」
狸穴:「ブローニーの手持ちだから、充分に間に合う」
FZR:「ご使用になるレンズも、あの赤いカバンのサイズで間に合う
のですか?」
狸穴:「んだ」
FZR:「三脚は要らないのですか」
狸穴:「要らないよ、今日は」
なんとも久々に簡潔な機材で間に合う仕事。いつもこうであって欲しい〜。
ある会社のwebで使うお仕事なのだ。
実際のところ、こうなるとブローニーサイズのフィルムも必要なくD1でやってしまった方が良いくらい。(Coolpics950でも充分に間に合う)
んでも、一応ちょっとは大きなサイズのフィルムで形を揃えるのでした。
媒体がwebなのであまり金額は高くないのだが、並みの設備の揃ったスタジヲを使わせていただけるだけでもありがたい〜。
カバンにレンズ2本と本体とポラとメータと感材を詰め込んで、NHKの近所のスタジヲへ出発〜。
六本木の方のスタジヲと違ってこちらはあまり気張ったところがなく、ちょっと仕事がしやすいのだ。
地下の駐車場にFZRを停めるスペースへ行くと、丁度空いていた。
ほとんどの人が車で来るので、オートバイを停めるのに車のスペースを1台分使ってしまうと申し訳ないから、いつも止める場所は決まって邪魔にならない、出入口の横なのだ。
狸穴:「んじゃ、5時間ほど待っててね」
FZR:「はい、お待ちしております。頑張ってくださいね」
狸穴:「応」
指定されたスタジヲへ行って、機材をスタジヲマンと一緒に設定。簡単な光の回しだしほとんど作業をやってくれるのですぐに終わった。
商品の設置も指示通りの位置に入っているし、スタイリストさんとも衣装の素材や色目も確認済み。
待っていると、先ほどお出迎えしたモデルさん達が、出来あがってやってきた。
と、かいつまむといつもこんな風にお仕事は進んで行くのでした。
(ほんとは三脚があったほうが良かったかなぁ? でもまあ良いか)
衣装とメイク直しの間、受付のほうに行って煙草を吸っていると、他のスタジヲから小柄な女性の歌手さんが黄色い大きなメガネを掛けて降りてきた。
この人のマネージャーさんは前にオートバイに乗っていて、うちのFZRを知っている。
マネ:「あ、やっぱりマミアナさんだ。まだアレ乗っていたんです
ね」
狸穴:「へい、おはやうございます。元気に走ってるよ〜」
歌手:「寒いでしょー、バイク。んじゃまた」
狸穴:「夜は堪らん。毎度〜」
手を振って行ってしまった。バイバイ〜。
忙しくても如才なく愛想も良いので、彼女には余り敵はいないのだ。利巧者。
仕事が終わって撤収して駐車場に戻ってくると、先ほどのマネージャさんが「お疲れ様〜。ゴメン」と書いてあるメモ名刺と一緒にクリスマスの小さなリースをFZRにテープで止めてくれていた。
前に、どこかのスタジヲで一緒になったときに、あのマネージャさんがFZRに自分の車を当ててしまい、FZRをひっくり返してしまったのでそのお礼と言う事か……。
忙しいのに、あのマネージャも気のまわる人のようだ。売れるわけだね。
頑張れ!
狸穴:「良かったじゃん、クリスマス仕様」
FZR:「わたくしのことを覚えておいでだったようです」
狸穴:「この業種、底意地の悪い奴がたくさんいるけれど、たまに
は良い方もいるみたいね」
FZR:「今度一緒にお仕事出来ると良いですね」
狸穴:「んー、それはまた別な話だ。俺は営業下手だし。んじゃ帰
るか」
外に出たら昼間と違い、風が吹いて寒くなっていた。
フィルムをラボに出して今日のお仕事はお終い。
一件、知り合いのデザイナー事務所の忘年会に顔だけ出した。
今年の冬は雪、降るのかな? 早く夏が来ないかなぁ、何時になったら来るのかなぁ。
○崎さん+マネージャとマミアナ+FZR
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