Vol.70 またじゃ…… 2000-07-16

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 今年も夏になったらお会いしました。
 ボーソー族御一党様〜。
 あるフル〜いオートバイのエンジンをフレームから降ろした帰りに環七を走っていると、対向車線から優先路と信号を無視してオートバイが3台ほどUターンして来た。
 皆様二人乗り。
 こちらも驚いたけれど、いきなり色合いの異なるオートバイが一緒に走っているので対応にお困りの様子。
 しばらくすると、もう何台か増え全部で8台程度の小集団。皆FZRよりもずっと新しく、カスタムな塗装もキレイ&うるさい。
 お決まりのアクセルワークで頑張っているが、排圧が掛かっていないから低速では出力的にキツそうだ。
 鉄パイプに2色使いのテープを巻いて振り回している人を後ろに乗せていたり、今期流行の金属バットな方も2名ほど、トレンドは外していないらしい。
 ついでにお巡りさんも後からパトカー3台でいらっしゃった。
 しばらく対応に迷っていた彼らも、スタイルと言う事でバットやパイプを振り回し始めた。
 ご挨拶程度にパフォーマンスとして振り下ろしてくれるが、重たいので速くは振れない。
 当てるつもりも無いようだし、ちゃんと見ていればFZRで充分避けられる。
 重たいのにご苦労な事である。
 それよりももう少し車速を上げてくれ〜。FZRも丁度この速度は苦手なのだ。
 後ろから来たお巡りさんがパトカーを結構な勢いで何度も幅寄せして来るので、こちらからも寄せて行くと、

パト:「関係ない方は後ろに下がってくださ〜い」
狸穴:「んじゃすぐ、道路開けてくれるの?」
パト:「………………」

 彼らは拳銃を持っているので危ないから、後ろにつくとそのまま行ってしまいました。
 しばらく後ろに付いて20km/h程度で走っていると、いつまでたっても前を空けてくれない……。
 もう一度先程のパトカーに並び、

狸穴:「いつまで彼らの後ろに付いて走っているの? もっと速度上げてよ」
パト:「後ろに付いて! いま忙しいから。あんた関係ないんでしょ!」

 あらら、何時までも後ろに付いて走っていると、FZRも水温計が赤い所まで上がってしまっているので測道に入り裏道を行く事になってしまった。
 あの速度で他の車と密集して走っていると、どうやらFZRはヒートしてしまうらしい……。
 都内のボーソーさん達はまだそれほど恐ろしい目に会っていないらしい。
 昔、茅ヶ崎の方で、大型トレーラー何台かがほとんど彼らを轢き殺す目的で蛇行する集団の中へ加速して突っ込んで行ったのを冬に見た。
 懸命に避けているオートバイを強引に幅寄せして何台か弾き飛ばしていた。踏まれたオートバイもいたが、幸いに乗っている者はもっと離れた所に投げ出されていたので、助かったようだ。
 そうなるとオートバイは速度を上げて前に逃げるしか方法はない。棒や体当たりではいかがにもならないのだ。
 トレーラーはそのまま何もなかったように行ってしまった。
 アメリカの古い映画みたいですねぇ…………。凄かった。

 裏の道へ入ると車はほとんどいなくて、水温はすぐにいつも通り安定してくれた。

FZR:「ますたー、夏場はわたくしはゆっくり走れないようで
   す」
狸穴:「そうみたいねぇ……。サーモスタットとラジエターを
   大きなモノに換えるか」
FZR:「はい。ついでにホーンも調子が悪いので換えてくださ
   い」
狸穴:「へいへい〜」

 少し迂回していつもの帰り道にでると、先程一緒に渋滞に填まっていた赤いバンディット250が走っていた。
 我々よりも少し先に測道に行ったオートバイだった。
 な〜んだ、裏道の方が交通量が少ないから夜は早いのか……。脚廻りもしっかりしてきたし多少曲る回数は多くなるが、今度からこのコースで帰ろう。

 いつものように15分位走っていると今度は、前の方で乗用車とバンがなにやら険悪なムード。
 信号が赤になったのですり抜けをして前に出ようとしていたら、その左側車線にいたバンの運転手がこちらを確認せず、いきなりドアを開けて降りて来て、前にとまっている乗用車の運転席のドアを蹴っ飛ばして「出てこい!」と連呼している。
 ブレーキ強化してあるからこの程度じゃ止まれるのだ。
 どうやら、車線変更でいきなり前に入られてびっくりして頭に来ているようだ……。
 そのまま、前に進んで行くとバンの開いたままになっているドアが邪魔なので、FZRから一旦降りてバンのドアをロックして締めて、またソロソロとFZRで前に進むと、今度はドアを蹴られていた乗用車からも運転手の男の人が降りて来て喧嘩を始めてしまった。
 もみ合っているうちに、右車線にいるBMWのボンネットの上に二人とも乗りかかって暴れている。
 BMWの運転手も降りて来て何がなんだか……。もっと大騒ぎになってしまった。
 今日は中々帰れそうもない……。

FZR:「ますたー、水温が上がりますのでエンジンを切って
   ください」
狸穴:「へ〜い」

 それでも信号が変わると周りの車はなんとか先へ進もうと動き出す。
 後方からのクラクションやら喧嘩している声で、深夜の国道はとてもにぎやかになってしまった。
 後ろの方ではこの3台を回避するためにバックした車が、後ろの車にメリメリぶつかったり……、あっしとFZRは何も悪い事していないのだが、FZRにはバックギアがないので前で暴れている3台を避けられない。

 と、BMWの後ろに付いていたFZRの隣のダンプからアメリカのゲイっぽい黒い革の服装の巨大な運転手ともう一人が出て来て、暴れていた3人を歩道の方に引き摺り込んで終始無言で踏んだり蹴ったりし始めた。
 阿鼻叫喚、トラッカー強し!!
 あ〜、千葉の夏じゃ。
 右側車線でエンジンが掛かっているBMWを左側に寄せて、鍵を抜きシートの下に置き、コレで前が空きやっと帰れる事になった。
 今日は進路を阻まれる一日になってしまった……。厄日じゃ。

FZR:「男の人は夏になると、どうしようもなく暴れるんです
   ね」
狸穴:「全部の男の人がそう言う訳じゃないと思うけれど、暑
   さに弱い人は保たないのかもね」
FZR:「マスターは?」
狸穴:「ベトナムから帰って以来、暑さには慣れているから
   寒いのよりは全〜然平気なのだ」
FZR:「ベトナムですか……」
狸穴:「そう言えば、今日バラした古いオートバイと同年代
   のバイクが向こうじゃまだ現役で走っていたなぁ。パ
   ーツどうしているのかなぁ?」
FZR:「きっと、同じようなオートバイをたくさん集めて使
   える部品で走っているのでしょう」
狸穴:「FZRもそのうちベトナムやタイへ行くのかねぇ?」
FZR:「わたくしはもう少し日本にいたいですわ!」
狸穴:「そうだねぇ〜、FZRは暑さに弱そうだから向こう
   じゃ無理だな」
FZR:「それにわたくしは、部品がたくさん要りますし不整
   地には向いてませんから」

 たしかに彼の地でFZRを一台も見なかった。
 香港にはいっぱいいたけどねぇ……。

FZR:「わたくしがいなくなると一番困るのはマスターです
   よ」
狸穴:「へい、そのとうりでござんす。よろしくね」
FZR:「はい」

マミアナ+FZR

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Copyright © Taro Mamiana, COMBINED ARMS 1999-2005.
初出 KGB-NET 2000.