Vol.64 アームが変わって 2000-06-30

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 新しいアームはアルミで出来ているので、今まで使っていた鉄のものよりもかなり軽い。
 アルミというたわみ難い材質に加えて補強まで入っているので、剛性は充分上がった。
 ホイールも幅が一気に上がり、更にタイヤがラジアルの150/60−18なので、路面の状況が今までよりも更に判るようになった。
 グリップも、格段の進歩である。
 倒し込みに関しても、何ら不安は無くスライドアングルを深く取って行っても、テールの流れはFZRごときのパワーでは暴れるほど流れてくれない。
 端的に言うと、リア廻りだけオーバースペック(ブレーキは逆)。
 ただし、オーバースペックの恩恵は至る所に出てきており、直進状態でも車体が常に振られていた事からついに開放された。
 今回やったこの作業は結構大変で、FZRはチェーンブロックで宙づりにされ、再三にわたるリアアームの脱着、ブレーキサポートの変更、トルクロッドの新造、アームの加工(切削)……等々なかなかの大手術になっていたのだった。

 ついでに換えたドライブチェーンはRKの金色のチェーン。
 今までにこんな色のチェーンをつけた事は一度も無かったので少し妙な感じ。
 このチェーン、動き自体は滑らかで良い。錆にも強いと言うことらしい。
 チェーンは錆びると、外側のプレートだけ延びてしまうのでその錆を防ぐために金色の表面処理をしているらしい。
 保つと言われているチェーンの仕組みは、潤滑の持続性とローラーの硬度&対摩耗性による。
 もう少し使い込んでみないと判らないが、メンテナンスの回数が減ってくれるということはありがたい事である。
 EXUPの可変排気バルブからカタカタと音がでるようになってしまった。
 作動ワイヤーのテンションと位置の調整が甘いのだ。すでに交換用の新しいワイヤーケーブルも入手しているので、簡単な事なので後で直す。

狸穴:「新しいアームは、心配していたような事はないみた
   いだなぁ」
FZR:「マスターが心配していたショックの能力不足も、杞
   憂に終わったようで何よりですね」

 アームが約50ミリ伸びた事により、ショックユニット自体の能力が不足するだろうと考えていたのだが、計算違いだったのか、現在とても良い状態。
 いずれにしても、もう少し様子をみてみよう。

 アームが延びた分チェーンも伸びた訳で、現在前後スプロケットが17:50で駒数が136リンク。
 チェーンケースを付けるステーがまだ付いていないので、早急にナントカせねば。
 じきに昼だ……。

 今年は猛暑らしい。
 FZRの冷却系もそろそろオーバーホールの時期を迎え始めているらしく、そろそろラジエターの水垢取り(ジャバ式)やサーモスタットの点検、キャップの点検等目白押し状態。
 どうせやるならラジエターを洗って使うよりも、先日外したTZR《弐號》に元から付いていた産業廃棄処分予定の歪曲したラジエターをFZRに再利用してしまうということもできる。
 熱交換率はTZRの方がずっと良いのだ。
 ファンをマウントする加工と、ラジエターのフレームへの取付け部を溶接して移し変える加工をしなければならないが、これと言って問題が出るような事もなさそうだ。
 あのTZRのエンジンやラジエターは、《弐號》にはもう必要は無くなるので、サーモスタットも多分そのまま使えるだろう。
 タイミング良く夏が来て、FZRのサーモスタットユニットに少し異状を感じていたので丁度良いのだ。

FZR:「前にもお聞きしましたが、マスターはなんでオート
   バイをそのままで乗っていられないんですか」
狸穴:「なんでって言われても……不都合があるからかなぁ?
   一応新しいと言われている新車がどうなっているのか
   のリサーチも試乗も継続しているから、古いオートバ
   イにも無理なく使えると思ったことはとりあえず挑戦
   してみる」
FZR:「熟成と言うことですか?」
狸穴:「それもあるけれど、乗り手がそれぞれ違う要求基準を
   持って乗るから、合った状態にしておかないと、楽し
   くなくなるからねぇ〜」
FZR:「ふ〜ん」
狸穴:「人間も付き合う相手によって、結構お互いに変化する
   からオートバイに対してもそういう微妙な距離を保っ
   ているんじゃねぇか?」
FZR:「……大変そうですね」
狸穴:「オートバイにも設計した人の意志や何かがあらかじめ
   入っているから、そこから少しづつ各人に合った形に
   合わせて行くと、少しだけ楽しくなる」
FZR:「間違った事をしなければ、私たちオートバイにもそれ
   は幸せな事なのですね」
狸穴:「そうそう、でもオートバイにだって合わせられる限界
   って奴はある訳で、そのあたりをオーバーした風にや
   ってしまうとひっくり返ったり、エライ事になる」
FZR:「……これ以上突っ込んだ話を始めると、フロイトさん
   ・ユングさんや自我・夢のお話になりそうですね」
狸穴:「んだ。ま、難しく考えないで楽に行ったほうがいいわ
   な」
FZR:「ところで《弐號》さんはその後どうですか?」
狸穴:「まだ話が出来るほど先には進んでねぇし、ありゃ…
   …もしかしたら俺を少し多く投影しちまう事になりそ
   うだから、俺とは話が出来ねぇかもね。《弐號》のコ
   ピーの《惨號》とは話が合うかもよ」
FZR:「《惨號》さんは、マスターご自身ですか」
狸穴:「んだ」

 惨號(ガイスト)はまだ影も形もない状態なのだ。

マミアナ+FZR

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初出 KGB-NET 2000.