| かねてから懸案の、後方排気(3MA)TZR用スイングアームの入れ替えをはじめた。
と言っても、すぐにこのリアアームをマウント出来る訳ではなく、コレからいろいろ作業がある。
新しいアームはチェンラインの確保の事も考え、右側にオフセットする。
フレーム側を切削する訳には行かないので、アームのピボットパイプ側をチェーンラインの逃げを考えながらオフセットして削ってある。
ホイールの取りつけ位置はカラーを造る事により、メインフレームの中心に戻して合わせるので問題は無い。
車体に対してアームの取りつけ位置だけが右側に寄るだけだ。ホイールのセンターは変えない。
片側をピボットシャフトにより固定された上下のストロークしかない構造なので、簡単に出来た。
モノクロスのリンク類もアーム側の取り付け部位を削り、スぺーサーを入れて左右の位置を合わせる。
それでもアームの補強部分の幅が大きいので、チェーンが左右に触れた場合、主アーム下の補強部分のパネル側面に接触するかも知れないが、チェーンとアームの間の安全距離は採っているので恐らく大丈夫だろう。
問題はモノクロス部分のリンク比を、アームが延びた事を前提に考え、どう調整するか? だ。
ホイール取り付け位置で約50ミリ延びている。
それだけ今までのモノクロスリンクを含めたレバー比では、路面からリンク及びショックユニットへの入力が大きくなるという事だ。
アーム側の座標の関係でそのままのリンクを使えば、アーム自体の位置はかなり立ち上がるだろう。リアシートをカチ上げてしまわないように注意が必要だ。
結局、今までのアームのピボットを中心とした、
ホイール取りつけ位置:ショック下端位置、の比率を保って一度造ってみる事となる。(コレだけじゃなくもっと要素を入れるけどね)
アームのレバー比計算を、ものすごく単純化したやり方だ。
最悪の場合、合せる方法として、数種類のレイトの違ったバネもなぜだか? 用意してある。
初期型TZR(1KT)アームとセロウ(車体)で同様の事をした経験があったので、今回もなんとかなるであろう。
潤滑についても考えねばならない。
FZRを持って来た当初、ピボット及びリンク部が潤滑されていなかったために、一応アームは動くが非常に危険を伴い、乗り辛かった。
シーリングと潤滑も手を打つ。アーム側の素材がアルミに変わった事でかなり楽にはなるはずだ。
FZR:「アームを約14ミリ右側にオフセットした事により、
左右の重量バランスやフレーム、排気管への干渉は?」
狸穴:「問題無い。消音機の変更で重量的にはバランス取れ
てるよ。FZRの排気管が、アームの稼働範囲に触
れるまでには、かなりの余裕がある」
FZR:「最低地上高とリアフェンダーへの干渉は?」
狸穴:「どちらも問題無い」
FZR:「結構簡単に入ってしまうものですね」
狸穴:「そうでもないさ。オフセットの逃げだって探し出す
の結構大変だし、ピボット部分の切削だって条件を揃
えないと出来ないさ」
FZR:「車体の中で一番力が懸るところですからねぇ……」
狸穴:「おまけに可動部分だし。精度を要求して来るし」
FZR:「トルクロッドの取り回しも造らなきゃならないんです
ね」
狸穴:「そう。FZRの取り付けと基本的には変えないけどね」
FZR:「リアのブレーキ・キャリパーは上に付くんですね?」
狸穴:「今のところはそうなる。対地角度もデフォルトとまっ
たく同じ。ただしロッドの端部はピロポールにする」
FZR:「……ほとんどリア周りは造り直しですね」
フレームには大きく手を入れていないのでまだ楽だが、一応大改造のエリアに入っている。
外見上は、それほど大きく変わらない。
補強の入ったアームもアンダーカウルがあるため、それほど目立つ訳でもない。
真横から見た時だけ車体の下で、アームの補強部分が強化されている事を主張する程度。
アームのメインの部分の角パイプは、元のアームとサイズは大して変わっていない。
それでも強化されたアームは軽く、捩じれ方向の剛性も高いので、50ミリ長くなった事により、走行安定性に大きく変更があると思う。
が、乗ってみるまでは判らない。
計算通りにゆけば結構良い結果が出るはずなのだが……いつもこういう事をしている訳じゃないし、計算通りに行かないのが車体関係の常。
フロントだってリアが変われば、合わせてバランスを取り直す事が要求されるだろう。
フレームが持つのならば、もっとフロントフォークを立てたい。
現状のFZRで不満のある点を追い込んで、少しずつ良くしてゆく。
一気に違う乗り物にする訳ではない。
前後ともホイール・タイヤのサイズを広くするという事も考えたが、現状ではフレーム強度とタイヤの面圧が掴めないので、変えない事にしている。(後日変更され大きくなってしまうのだった……)
リアアームが延びるという事は、重心が前に寄るという事も考えている。
ホイールベースも延びる。
走りだした瞬間にすぐに車体の違いは判るはずだ。
ノーマルのアームが捩じれ剛性さえ充分にあれば、デフォルトの設定の良いところと悪いところを考え合わせても、かなりいいところでバランスしている事も判って来ている。
いつも思うが車体に関しては特に、単一の個体から集めた数値化したデータだけじゃどうにもならない要素がたくさんあって結局、現物合わせで乗り手のレベルを考えて仕上げてゆくしかないようだ。
理想を云えば、挙動変化が緩やかになり、それでいて路面からの情報量が多く、リアホイールの位置が正確になる、という事が達成できれば100点だ。
アーム自体が長くなるとショックの基本性能がモロに出るため、それも今後の課題として考えておかなきゃならない。
後輪の重量を軽く出来るともっと自由度が上がるかな……?
ホイールベースが長くなるという事で、コーナリング時のバンク角にも若干の影響は出て来るだろう。
ホイールベースが延びてリアタイヤ側のスライドアングルが抑え側に振って来るから、曲がっている時間が長くなるかも知れないが、同じ回転半径を処理する状況ではハンドル切れ角が深く変わる事により、コーナリング時間は大差無いかも知れない。
FZR自体が持っている弱点としての癖らしきものが無くなり、ニュートラルな感覚が出て来ると良いのだが……。
合わない場合は、すぐに元に戻せるようなやり方をしておいた方が良いだろう。
マミアナ+FZR |