| FZRのエンジンが、どの程度ダメージを受けたか受けなかったかを調べるために、エンジン屋へ行った。
エンジン屋に着いてみると、FZRのエンジンをやらせてくれる交換条件として提示されたFIAT PANDAなる車はどこにもいない。
代わりにいたのは、エンジンからリアタイヤまでそっくり抜き取られていた、空冷最後の911だった。
PANDA程度ならば、簡単に出来ると思ったのに……。
宙釣りにしたシャーシを上から落とすから、下に潜って仕上がったパワーユニットを適当な位置に合わせて車体を受け止めろとのこと。車体に傷が付きそうな場合は手を挟んで防げ……。
毎度のことながら人使いが、あらい……寝たきりの者でも起こして使うらしい。
まあ、それだけ職人なんだろう。
でも、手はそれほどゴツくないんだよねぇ。
一段落付いたのでFZRのエンジンをばらしに掛かる。
バラすと言っても腰上だけだから、ケースは乗せたままヘッドを剥ぐってシリンダーを引っこ抜くだけだ。
ピストンもリングも変なところはない。シリンダーも無事。
ヘッドにも異常は見られなかった。
各部の寸法を測ってみると、#3エンジンの内側吸気バルブのシートが若干幅が広がっている。そのままでも良し。
排気ポートは4発共とてもキレイ!
ピストンヘッドのカーボンがほとんど無い??
ヒートスポットが出来ていたのかな……?
あまり頭が良くないので、深くは考えない事にして組み戻す。
ヘッドの併せ面とシリンダーの併せ面をそれぞれ測定すると、ヘッド側に歪み発見。
許容範囲内なれど、機械が空いているので治具に挟んでナメして終わり。
狸穴:「ちょっと、曲がったかな?」
FZR:「ちゃんとやって下さいね」
狸穴:「大丈〜夫……」
ここまで開けたから、ついでにケースの併せ面もやってしまおうか? と、思いエ
ンジン屋の親爺にきいてみると。
爺:「そのままにしておいた方が良い」
とのこと。
とてつもなく面倒な事になるので、結局そのままにする。
狸穴:「……大変わらしい、我慢してくれ」
FZR:「オイルの滲む量も変化無いです。いずれ新しい部品
で組んで下さい」
狸穴:「へい」(……走行が浅くて程度の良い中古エンジン
だな)
シリンダーを組み付ける際に、ピストンリングの張力が少し落ちている事を確認。
今は問題無く走っているし、リングに傷も無いからこのまま組む。次回は交換。
カムを乗せてリフターとのクリアランスを測ると、#1の吸気だけクリアランスが大きい。他は合格。
今回のオーバーホールでわかったことは、あの新燃料はエンジンに悪影響を及ぼす事はなかった。
かえって、時々使ってフューエルラインやエンジンの清浄を促した方が良さそうだ。
面倒がらずに普段から、ガソリンと混合させて使っていると良いかもしれない。
8000回転以上を常用出来るエンジンには合わなかったが、それ以下の回転数を使用する普通の自動車とか、大排気量エンジンのオートバイには、ガソリンよりも良いのではないか。
という結果でした。
あくまでも少しデフォルトから変更されたFZRだけで、ためした結果ですが。
きっと普通のエンジンには合うように作られた、高性能な新燃料なのだろう。
出来上がったエンジンに脱脂剤を吹きかけてから、スチーム洗浄で終り。
ついでにレースガスを少し頂く。
FZR:「また違う燃料ですね、大丈夫ですか?」
狸穴:「今度はガソリンだ」
手に掛かると凄く涼しい。
暖気させていると、いつもよりアイドルが上がったかな?
各ギアで少し引っ張ってみると、もう1気筒増えたような感じ!
FZR:「マスター、凄いですね。このガソリン」
狸穴:「レース用だ、ついでに今のFZRのエンジンにはこ
っちの方が合っている」
FZR:「良く回ります。排気管の容量が足りてませんが」
狸穴:「キャブの口径も足りない。両方共、足りてたら面白
かったね〜」
FZR:「低回転域ではわたくしの点火時期がわずかですけど、
レースガスに合っていないですね。燃えるスピード
が速いのかしら?」
ソレでも回転上昇が強く、エンジンブレーキは今までと変わらないから、なんだか2サイクルっぽい印象。
10000rpmあたりから消音機の限界を越えているらしく、いつもと音が違い排気音が少しだけ硬く勢いがある。
排圧全体が上がっているのか、EXUPの動きが市販のガソリンよりも良く判る。
パワーが上がっているので、機械消耗も増えているだろうから、レースガスは今一回限りだ。
何回か18000rpmまで引っ張ってみる……これが良く燃焼しているって状態なのだ。
普段のFZRは後輪で27PS/16000rpm、1,8kg.m/12500rpm程度だから、これだと……30PS/17500rpm、2,3kg.m/15000rpmって感じかなぁ?
吸気排気がノーマルでカムも変えていないから、コレだけ出ていれば問題無いのだ。
キャブ・カム(エンジン)・排気を造りなおせば、カタログデータ通りの馬力以上、出るってことだ……。
でも、どういう状態で壊れるか? という事と普段のメンテナンスフリー性を手放す気は毛頭ない。
それよりも、トルク特性が2段階状態であるが、とても使いやすい設定だったのに驚いた。
6000rpm以上では大変使いやすいフラットなトルク特性だ。
でもこんな高価な燃料、普段からは使えないし速く機関が減りそうだ。
250/IL4というエンジンは元々無理があるのかな……市販ガソリン燃料の一番効率の良い排気量は、4サイクルでは一気筒あたり700ccあたりだからなぁ。
FZR:「マスター、余り考えない方が良いですよ。きっとそ
のエンジンではマスターのコントロール範囲を越え
てしまうと思います」
狸穴:「だね」
後方排気のTZRにSRXの620エンジンを乗せたアレは、たしかに暴れ者だった。
マミアナ+FZR |