| ここのところ、仕事で4輪を使う事が多かったので、しばらく乗っていなかった。
バイクカバーをかぶせてじっとしていたが、久々に剥ぎ取り火を入れる。
FZR:「久しぶりですね」
狸穴:「……エンジン掛け始めに、少し排気から白煙が出て
いたが?」
FZR:「燃焼室以降の管内壁に付着していた水分の蒸発分が、
いつもより多いだけです」
狸穴:「空気が燃えれば水も出るか。んじゃ問題無いな」
燃えれば必ず水が出るのだ。完全燃焼が進む程よく出る。
エンジン自体からの異常は何もない。
タイヤの空気圧も適正。
タイヤはだいたい10日に一度はチェックしている。
マメではないのだが、タイヤを入れ替えた直後から前輪だけ空気が抜けるのだ。
1.3kg以下には下がる事はないから、多分バルブのシムかタイヤ自体が初めから逝っているのだろう。
エア圧はフロント2.0キロ、リア2.2キロ。
このあたりのエア圧が、街乗りでは一番自分の乗り方に合った設定になっているらしく、どういう走り方をしても判りやすい。
前後のサスの設定は、リアがわずかにダンパーが残ったノーマルと云う事もあり、強引にリアの役不足をフロントでカバーしているのだが、スピードで表すと大体60km/h〜100km/hあたりで丁度バランスしている。
それ以外の速度域ではリアだけ共振したり、あまり良いとは言えない。
フロントに関しては、スプリング自体は変えていないが、カラーで少しイニシャルを与え、それに応じて延び側減衰圧を少し強めに懸るようにオイルの粘度と油面をわずかに上げ、オリフィスにも若干加工をして設定を変えた。
これでなんとか抑え込んでいるので、深いバンク角を与えてGに耐えさせるのは
良くない。
少し攻める時に、曲がり始めてもまだブレーキングを続けている事が多い走り方なので、フロントはデフォルトと比べて、少しだけ固めにセットしてある。
バンク角の浅かったAX−1に乗っていた時に、この癖は憑いたようだ。
フロントのセットは車体重量が軽いので、この程度が丁度良い範囲。
フレームに対してもこの程度ならば、まだ許容範囲だ。
このあたりの調整は少しの変更で体感に現れて来る。敏感だ。
皆様も普段乗りっぱなしの状態から少しづつ試行錯誤して自分に合った設定を御ためしあれ〜。
サーキットを走る訳でもなく一般公道を移動する範囲としては、これで充分。
自分の体重や走り方の癖と、使用する機会が一番多いスピード域よりも、少し上の方に振った設定だ。
現状の脚の能力を、自分に合わせて乗りやすく引き出すのはこのあたりが限界〜。
コレ以上を望む場合はリア回りを造り直し、フロント周りを更に基本性能の高いTZRなどの調整範囲が広いものに交換し、設定し直すしかない。
フロントショックについて言うと、その性能は構造が近いものならば、径とストロークが長い物ほど設定選択の自由度はより楽に合わせられる。
使用レンジが広く持てるのだ。
残念ながらFZR250の脚回りは特に良い方ではなく、極普通の構成なので、この辺
りで納得した方が良い。
お金がたくさんあったらTZR250用でもOHLINSでもなんでも良い部品をつければ良い。
ただしメインフレーム強度の許す範囲で。
狸穴:「これで充分。まだFZRの全能力を出し切った事な
んて一度も無いもんね〜」
FZR:「無理は危ないですものね」
狸穴:「公道で出来る事は限られてる。派手な事をやるには
パワーが無いし、今の程度で間に合っているよ」
FZR:「マスターは最近わたくしに乗るようになってから、
ペース落ちたんじゃないですか?」
狸穴:「いいのいいの。時間が決まった打ち合わせ等はその
分早くスタートすれば良いんだ」
FZR:「わたくしの車体の癖は大体掴んでいるんですか?」
狸穴:「……公道での、大体ね」
まだ、サーキットなどでこのFZRを限界で走らせていないから細かい所は何とも言えないが、以前FZRの前身のFZ250(フェイザー)を発売前に袋井のテストコースで部分的に限界で走らせた事があったので、FZRの車体も大体の動きは判っている。
コースの一部に緩やかに右に曲がりながら2箇所連続してコブになっている所を通過した際に、ヤバかった事は覚えている。
そのFZ250とFZR250はフレームもエンジンも基本的には変わっていない。
直線での挙動がホイールサイズが変わった事により、若干違っているだけだ。
どちらかと言うと、線が細くコーナリングフォースがきつく掛かって来ると車体は良く流れ、捩じれる。
考え方を換えれば、限界が低いのでリーンアングルを深く取り始めると流れ出しも早いが、唐突な動きは無いから危険は少ない。
車体の動きは基本的にエンジンのトルク特性に素直に反応している。
路面の違う公道上でも、変わらないタイミングだろう。
少し変わった設定で若干違って来るかもしれないが、大差は無いはず。
当時FZ250を初めてテストコースで走らせた結果、フレームの剛性不足に改善要求を出したが、誰もがそういう領域で走る訳ではなく、ほとんどが安全マージンを多くとって、攻めることなく乗車するのだから、FZ250の車体の設計者が考えたこの設定が、乗り心地なども考えて商品としては丁度良かったのだろう。
狸穴:「初めてFZ250に乗った時は、それ以前に乗って
いた2サイクルのエンジンと比べてエンジン回転上限
が異常に高くなっていたのでどう扱って良いのか、も
のすごく迷ったよ」
FZR:「250/IL4ですから。良く回りますわ」
狸穴:「耳で回転数を拾っていたのだが、12000rpm
あたりに差し掛かると身体が勝手に回転上限に感じて
壊れるんじゃないかと、自然とスロットル戻してたな
ぁ」
FZR:「大抵の方はそうなるようですね。レッドまでなら問
題無いんですけれど」
狸穴:「そうは言っても、中々上限まで回せなかったなぁ…
…」
FZR:「馴れて来ると結構、楽なんじゃないですか?」
狸穴:「コーナリング時に他のマシンがシフトアップするよ
うな時でも、そのまま上限まで引っ張れたからね」
ただし、エントリーユーザーを主体に考えた設定なのでギア比は低いし、前後16インチは軽く曲がってくれるが、攻め込んでゆくとまるでRZ50改(かつてのSS50筑波仕様)のような車体の挙動だった。
250/IL4エンジンの実用回転域は異常に広く、その為に貧弱な車体構成でもエンジンが回るので、そこそこ走れる性能を持ってしまったようなものだ。
後のFZR250Rは更に回るようになり、フレームも鉄製なれどデルタ化されたFZR250R以降は更に良くなっているのだろう。
このクラスの排気量(250/IL4)はパワーが少ない事も幸いし、街中でも高回転域が使えて適当に気張って乗れるのである。
1Lクラスになるとそうも行かない。
調整の最終段階で2ndを使い、たまにやる走行テストで、全開で上の方まで引っ張って、全閉そして減速Gがフルに掛かって後輪がロックする前に全開〜。
スロットルをスイッチのように使ってサスやギア比などのテストをするのだが、1Lだとかなり危険。
車体的にもトータルで絶妙なバランスを持っていないと、減速でロックしたり、再度全開にした時におもいきり前がもち上がってしまったり、肉体をオートバイの動きに合わせていても恐ろしい事になる。
ジムカーナ初心者や、筑波サーキットのダンロップ手前で競り合った時に、たまに起こる現象だったりしたのだが、サスペンションやギア比を合わせておくと結構しっかりしたマシンに仕上がってくれ、普段から安全に走れるマシンとして選択できる。
自分の身体的な反射能力や乗車姿勢の適正化テストも、ついでに出来る。(あ。1気筒あたりが大きいバイクでは、危険なので余りお勧め出来ません)
FZR250の場合は、それほどパワーも無いので全然、危険はない。
街中を移動するだけならばこれで十分な状態だ。
マミアナ+FZR
|